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テレビや新聞が報じている企業・経済関連のニュースの中には、時価総額に関係する話題も少なくありません。時価総額は企業が発行する株式に関わる指標の1つですが、実際のところ何を示す数値なのか、分かりにくい面もあるのではないでしょうか。
今回はこの時価総額に注目し、どのような指標なのか、世界と日本において時価総額が最も高いトップ10の企業はどこなのか、について解説します。
時価総額とは、「株価(時価)×発行済株式数」によって計算される数値です。企業の価値はその時点における株価によって表され、業績の高い企業はそれだけ株式に対する需要が高まり、株価は上昇します。しかし、1株当たりの株価が低くても発行済株式数が多ければ、それだけ多数の株式が投資家に所有されているので、企業の価値は高く評価されているといえるでしょう。そのため、正当な企業の価値を図る指標として、「時価総額」も用いられるようになったのです。
なお、一部の銘柄では、発行済株式数=上場株式数とはならない場合もあり、「株価×上場株式数」で時価総額が計算されることもあります。また東証株価指数(TOPIX)を計算する際に時価総額の数値が用いられますが、その場合、市場での取引のない安定株主(大株主等)が保有する株式を除く「浮動株数」(上場株式数×浮動株比率)で計算するのが通例です。
時価総額が上昇している企業は、「株価の上昇」または「発行済株式数の増加」のどちらかの現象が生じていることを示します。それだけ市場におけるニーズが高く、将来的に成長が見込める企業であるといえるでしょう。企業経営も安定していると考えられ、倒産するリスクが少ないと見込まれるので、投資対象としては魅力的です。特に投資初心者の場合、失敗の危険性が少ない信頼度の高い企業への投資から始めるのが無難なので、時価総額の大きい企業は絶好の投資先となります。
ただし時価総額の高さが発行済株式数の多さを主な原因とする場合は、株価の値動きは鈍いです。発行済株式数が多いため、個人投資家が売買する程度の数では、値動きにあまり影響しません。また中には、短期的に時価総額を上昇させるため、長期的、持続的な成長を軽視した経営を行っている企業も存在します。このような企業に投資することは、長い目でみると損失を生む要因にもなるので投資初心者は注意が必要です。投資を行うときは、その企業の業績および株価が、ゆるやかであっても継続的に伸びているかどうかを確認しましょう。
では、現在の日本においては、どの企業の時価総額が高いのでしょうか。以下にランキング1位から10位までを列挙してみましょう。
第1位 | トヨタ | 時価総額 21兆7,772億円 |
第2位 | ソフトバンクグループ | 時価総額 11兆4,491億円 |
第3位 | NTT | 時価総額 9兆8,066億円 |
第4位 | NTTドコモ | 時価総額 8兆4,631億円 |
第5位 | キーエンス | 時価総額 8兆250億円 |
第6位 | ソニー | 時価総額 7兆1,986億円 |
第7位 | 三菱UFJ | 時価総額 6兆9,979億円 |
第8位 | ファーストリテイリング | 時価総額 6兆9,362億円 |
第9位 | ソフトバンク | 時価総額 6兆7,116億円 |
第10位 | KDDI | 時価総額 6兆4,843億円 |
※日本経済新聞社時価総額上位ランキング(2019年6月27日)を参照。千万円以下四捨五入。
トヨタが2位以下を大きく離して1位となっています。日本の株式市場全体の時価総額は約600兆円ですが、トヨタは1社で全体の約3.5%を占めているわけです。ただ、トヨタにはデンソーやアイシン精機など上場しているグループ企業が複数あるので、それらを合算するとグループ全体で株式市場の約5%を占めることになります。なお、第6位のキーエンスは計測機器や自動制御機器、情報機器など先端技術機器の製造販売を行っている企業で、第8位のファーストリテイリングは衣料品会社のユニクロを傘下に持つ持株会社です。
続いて、全世界における時価総額の高い企業トップ10を紹介します。日本人にもなじみのある企業が多いです。
第1位 | アップル(米国) | 時価総額 9409.5億ドル |
第2位 | アマゾン・ドット・コム(米国) | 時価総額 8800.6億ドル |
第3位 | アルファベット(米国) | 時価総額 8336.6億ドル |
第4位 | マイクロソフト(米国) | 時価総額 8158.4億ドル |
第5位 | フェイスブック(米国) | 時価総額 6092.5億ドル |
第6位 | ハ―クシャ―・ハサウェイ(米国) | 時価総額 4925.0億ドル |
第7位 | アリババグループ・ホールディング(中国) | 時価総額 4795.8億ドル |
第8位 | テンセント・ホールディングス(中国) | 時価総額 4557.3億ドル |
第9位 | JPモルガン・チェース(米国) | 時価総額 3740.0億ドル |
第10位 | エクソン・モービル(アメリカ) | 時価総額 3446.5億ドル |
※ダイヤモンドオンライン(2018年8月20日)を参照。2018年時のデータ。
ランキングや時価総額は時間の経過とともに頻繁に動きますが、トップ10に入る企業はおおむねこれらの企業であるといってよいでしょう。今年4月には、マイクロソフトの時価総額が初めて1兆ドルを突破し、アップル、アマゾン・ドット・コムに続く史上3社目の「1兆ドル越え」企業となりました。仮に1ドル=100円としても、トップ3に入っている企業は、日本企業トップであるトヨタの3倍以上の時価総額となっています。なお、第3位のアルファベットはGoogleを子会社に持つ持株会社、第6位のハ―クシャ―・ハサウェイは世界で最も規模の大きい投資持株会社、第7位のアリババと第8位のテンセント・ホールディングスは、中国におけるSNS大手企業です。
時価総額は「株価×発行済株式数」で計算される企業の価値を示す指標です。日本企業と世界企業のトップ10をみると、国内外において知名度の高い巨大企業が名を連ねており、時価総額の大きい企業ほど社会的な信用度、影響度が高いことが分かります。日本企業ではトヨタが突出して高い値となっていますが、世界規模でみた場合はトップ10にも入っていません。世界トップ10のうち8社がアメリカ企業、2社が中国企業であり、またIT・SNS関連の企業が多いことを踏まえると、現代の世界経済、経済の仕組みを象徴するようなランキングになっているといえるでしょう。
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