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「経理」というのは、会社によって業務内容が異なることが多いので、新人にとってはなかなか手ごわい部署かもしれません。しかし、「新人だから」といって業務が滞っても、会社の経営は滞れませんよね。
そこで、新人が配属された際に挫折感を感じさせず、さらには高度な経理の技術を身につけてもらうためには、先輩からどのようなアドバイスがあるとよいのか、お話したいと思います。
目次【本記事の内容】
新人が経理に配属されたら、経営理念やビジョンを把握してもらうため、「自分の会社はどのような会社なのか」「どのような組織形態なのか」というのを理解してもらうことが指導の第一歩といえるでしょう。
次に、経理にとって大切な「簿記」と「仕訳」については、先輩が手取り足取り教えている時間はないので、できるだけ自分で勉強をしておいてもらう必要があります。特に、簿記については検定を受けて自分の実力を認識しておくようにしたいですね。
また、「自分の給与体系などにも関心を持っておくこと」も大切です。給与体系に関心を持つというのは、何となく流してしまっている項目にも疑問を持ち解決しておくことで、ほかの社員からの問い合わせにもスムーズに答えられたり、疑問点や問題点を洗い出せたりするメリットがあるためです。
その後、新人が落ち着いたら、会社の「お金」や「情報」の流れについて教えましょう。例えば、会社は「取引」があり、それを帳簿に記録するのが経理の主な仕事です。その会社がどのような取引をしているのかを理解しておくことが大切なので、主な「出荷」「納品」「検品」の基準がどのように設定されているのかについても教えるとよいでしょう。仕入れやその他諸経費についても同様です。
業界や企業規模、上場・非上場などによって経理業務の内容も様々ですが、経理の重要な仕事のひとつ「年次決算業務」をスムーズに行うために必要な、下記の3点をマスターしておくように導きましょう。
・税法にのっとった「固定資産」の管理と処理の方法
・利益管理や決算のための「原価計算」
・本業以外の儲けと損失「営業外損益」を理解する
経理は、会社の在庫や稼働の動きを「金額」という数字にして残すことが仕事です。その基本業務を円滑に進められるための知識を持っておくように指導するとよいでしょう。
また、経理は「取引」などの記録を帳簿に残すことも重要な仕事です。ですから、「取引」が発生した際に、どの時点でどんな書類が必要であるかを教える必要があります。ある程度のことは、事前に「経理規定」を一読させておくと、理解も早まるかもしれませんね。もし、業務をするにあたり会社独自の書類を利用している場合には、新人が戸惑うことがないように、「どの業務で必要なのか」「なぜこの書類が必要なのか」ということを、省略せずに丁寧に説明してあげましょう。
そして経理として一番大切なのが、「数字の確認」です。書類の作成後、数字が合っているかを必ず確認する習慣をつけるよう指導し、書類の数字を入力したのであれば、書類に書かれている数字と合致しているか確認することを身につけさせるとよいでしょう。
さらに経理としてスキルアップを目指す新人には、下記のことをアドバイスするとよいでしょう。
・「会計」や「税法」の勉強を通じてレベルアップし、業務遂行力をつけること
・スケジュールを理解し、余裕を持って仕事を進める力をつけること
・データ管理術を身につけて、他部署からの様々な問い合わせにもすぐに答えられるようにすること
・あらゆる情報に興味を持ち、雑談の中や未確定の情報の中からも自分にプラスになることを見つけること
上記の「スケジュールの理解」について具体的に教えるポイントは「毎日の仕事」「毎月の仕事」「四半期の仕事」「年1回の仕事」に分けて、経理として行う仕事のスケジュールを大まかに教えるとよいでしょう。
「データ管理術」についても、経理には必須のスキルです。他部署から届く書類をルールに基づいてファイリングするにあたり、どのような経緯で、どのような処理を経て届いた書類なのかを、先輩が教えてあげましょう。
「あらゆる情報に興味を持つ」ことは、様々な知識や経験を培うことにつながります。その知識により、経理部門を引っ張っていける存在になれることが期待でき、さらには経営者に正しい助言や提言を行うなどして、経営の中心を担う立場へとステップアップできることでしょう。
「経理」は、一見すると地味で難しい仕事に思われがちなので、苦手意識を持たれる方もいると思いますが、「経営判断に関われる」重要な仕事です。経営判断を左右する意思決定ができたり、経営陣へのアドバイスもできたりもする、やりがいある仕事なのです。
そういった目標や希望をモチベーションにできれば、毎日パソコンで数字とにらめっこしている状況に息苦しさを感じたとしても、乗り越えられる強さを持てるのではないでしょうか。
経理部の先輩として、新人が来たときにどのようなアドバイスをしてあげるべきかをお話ししましたが、いかがでしたか? これらのことはすべて習得ができていて、自分と同じレベルかそれ以上にまで後輩を育成したいとお考えの方もいるかもしれません。もしくは、先輩の自分もまだまだ経理として自信が持てないという方もいるでしょう。いずれにせよ、後輩にアドバイスをする前にご自分の仕事内容を振り返るきっかけになれば幸いです。再度、「経理」の仕事のあるべき姿を見直し、会社がよりよい経営判断ができるよう、力を発揮してくださいね。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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