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「上場廃止」と聞くと、ネガティブなイメージが浮かぶ場合が多いと思いますが、実際に上場廃止になるとどうなるのでしょうか。実は、上場廃止にはメリットもあるのです。
今回は、上場廃止はなぜ起こるのか、あえて上場廃止を選ぶメリットについてご紹介します。
目次【本記事の内容】
上場廃止とは、読んで字のごとく「上場」を「廃止」するということ、つまり株式を非公開にし、取引所での投資家の自由な取引をできなくする、ということです。
それでは上場廃止の基準や、「実際に上場廃止にするとどうなるか」ということについて見ていきましょう。
【上場廃止基準】※取引所により異なる
さまざまなケースが想定されますが、代表的なものは上記のようなものが挙げられます。
(出典: 日本取引所グループ)
これらを見てみると、およそ「倒産」であるとか、「業績不振」などが思い描かれると思います。もちろん、業績などの悪化に伴い、取引所から上場廃止が決定されるケースは少なくありません。最近でもこのような企業(上場廃止銘柄一覧)が上場廃止になっています。
株式市場には、マザーズやJASDAQなどさまざまな市場があります。東京証券取引所はこうした市場の上場廃止の基準見直しを行っており、最近では2019年11月29日に大きな整備がありました。簡単にいえば上場基準を緩和したわけですが、これによりバイオベンチャーなどの企業が恩恵を受けることになりました。
最近の上場廃止の事例では、おそらくレナウンが最もよく知られているでしょう。レナウンは東証一部上場の老舗アパレルですが、民事再生手続きにより上場廃止となっています。
ここまで見てきたのは、業績などの理由による上場廃止でしたが、企業側があえて「上場廃止」の手段を取ることもあります。これについては後述することにして、まずは「上場廃止すると株式はどうなるのか」を少しだけ見ていきたいと思います。
今まで上場廃止の基準などを見てきました。ここで気になってくるのは、「社員はどうなるの?」「株式はどうなるの?」という部分です。とくに株式についていえば、市場から退くことに伴い、取引所での売買が自由にできなくなります。この章では株式などの有価証券について深く見ていきます。
もちろんさまざまなケースが想定されますが、上場廃止後の株式銘柄は、一か月間「整理銘柄」に指定されることが多いです(もちろん整理銘柄を経ることなく上場廃止になるケースもあります)。要するに上場廃止銘柄となり、上場廃止企業一覧に加えられることになります。
整理銘柄を保有している株主は、その情報の周知を受け、保有している銘柄を整理売買することができます。整理銘柄に指定され一か月を過ぎると、証券取引所での売買ができなくなります。そもそも上場廃止のおそれがある企業の銘柄は「監理銘柄」に指定され、事前に株主へ通知が行くようになっています。そのため株主は、保有している株式が「整理銘柄」になる前に、何らかの回答を提出することができます。
また議決権や配当請求権などの権利はそのまま残り、猶予期間が過ぎた後でも、相手を自分で見つけるという売却方法もあります。ただし民事再生などによる上場廃止の場合、基本的には債務超過の状態になっているため、価格はゼロに近づいていきます。企業が倒産をすれば株式の価値はほとんどゼロになるため、早めに整理をしておくことが望ましいでしょう。
会社側が自ら上場廃止を選択する場合、MBOを実施するケースが多く見られます。
MBOとは、Management Buyout(マネジメント・バイアウト)の略で、経営陣が自社の株式などを買収し経営権を獲得する、M&Aの手法のひとつです。
親会社が子会社などを切り離す際、第三者へ売却せず子会社側の経営陣が株式を買い取ることで独立するケースなどで見受けられますが、上場会社の経営陣が株式を買い取り、株式非公開に踏み切る際にも使われる手段であります。
ちなみに、MBOは経営陣が株式を買い取ることをいいますが、経営陣と従業員が株式を買い取る場合「MEBO(Management Employee Buyout)」といいます。
経営陣が株式を買い取った場合、経営参加の権利でもある「持ち株権」は経営陣に有されます。経営再建や立て直しを図りたいとき、迅速に再生方針を決定、実施することが可能になり、経営の舵取りがしやすくなります。
また、長期スパンで成長を図りたい会社側の方針と、短期スパンで株価上昇を狙い投資目的を果たしたいという株主の意見が相対立する可能性もあり、それらを回避し「長期的かつ柔軟な経営判断の実現」を目指しMBOに踏み切るケースも見受けられます。
上場会社は四半期ごとに決算を開示しなければならなかったり、有価証券届出書などの書類作成に人件費がかかったり、監査法人への支払いが増える、コーポレート・ガバナンスの強化・維持など内部統制関連にコストがかかる、IR活動にもコストがかかるなど、上場を継続するための膨大なコストがかかっています。
上場による業績向上や上場廃止にかかるコスト(株式の買収など)と比較して上場廃止に踏み切るケースも少なくはありません。
2007年から2012年頃までに上場廃止をしたケースは100件以上あるといわれています。上場廃止に際し、資金調達のため、多くは資金ファンドなどから借り入れを行いますが、この返済期間が5~7年とされており、今後数年間で借り入れを返済し終えた会社が再上場するケースが増えるものと見込まれています。
2008年からは、新興市場に多かったMBOですが、年々東証におけるMBO件数が増加し、2011年には半数以上を東証でのMBOが占めていました。その中から再上場する会社が続々と現れています。
事実、2016年再上場した会社は1社だったのが、翌2017年には6社まで急増しました。
2016年、日本取引所グループ(東証が所属するグループ)はMBOにより上場廃止となった会社の再上場に関する審査方針を公表しました。通常の審査よりも重点的に行われる厳しい審査ではありますが、これにクリアし再上場した会社が市場を活性化してくれることが期待されます。
少し具体的な事例を見ると、最近では総合ファッションアパレル企業である株式会社ワールドが、上場廃止申請後、MBOから13年ぶりに再上場したということで話題になりました。同社が非上場化・再上場した経緯は、公式サイトで次のように述べられています。
当社はファッションビジネスで持続的価値の向上に有用な再現性あるプラットフォームの確立を早期に実現するため、2005年に非上場化しました。上場していた際は、投資家の皆様との対話を通じて得た貴重なご意見を経営に活かしてきました。非上場化後その機会を失ったことで、改めて上場会社のメリットを強く認識するに至りました。
(出典: 株式会社ワールド)
上場廃止というワードだけでは見えない事情があります。
会社はさまざまな観点から、より良い未来へ向けた上場廃止を行う場合があります。上場廃止後は再上場して市場を活性化させる会社もあれば、もちろん再上場はせず、一般社会において経済に好影響を与えてくれる会社もあります。上場廃止という言葉に一方的なマイナスイメージを持つだけでなく、さまざまなメリットもあることを覚えておいてください。
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