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▼この記事を書いた人
寺山 晋太郎
社会保険労務士
社会保険労務士法人 宮嶋社会保険労務士事務所
福島県出身。一橋大学社会学部卒業。大手鉄道会社にて現業や本社勤務など様々な業務を経験。2014年第一子誕生を機に育休を取得。その後現職に転じ、働きながら社労士資格を取得。社労士業の傍ら、3児の父親としても奮闘中。
育児介護休業法とは、正式名称を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といい、その名の通り労働者が育児・介護と労働とを円滑に両立できるよう配慮し、働き続けることができるよう支援することを目的とする法律です。平成4(1991)年に制定されて以降様々な改正が重ねられており、いわゆる育児休業や介護休業に関する定めはもちろん、看護休暇・介護休暇、時短勤務制度、時間外労働の制限など、その内容は多岐にわたっています。
なお来る2025年4月、同10月には、男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにするための改正が控えており、育児・介護と仕事とを両立させる定めがより一層充実することとなります。その内容は多岐にわたりますので、今回の記事では、まず4月改正の詳細を解説させていただきます(10月改正についてはまた記事を改めてご説明させていただければと思います)。
2025年4月施行の部分についてご説明します。特に注記がない場合は「義務」となり、対応が必須となります。
現状と比べて、対象となる子の範囲や取得事由が拡大されます。また、現状では労使協定を結ぶことによって、継続雇用されている期間が6ヶ月未満の労働者を取得対象から除外することができておりますが、改正後はそれができなくなります。加えて名称も「看護休暇」から「看護等休暇」へと変更されます。これに伴い、現行の就業規則等の改訂が必要となります。以下の比較表も併せてご覧ください。
会社が定める所定労働時間以上の労働免除、いわゆる残業免除について、現行では3歳未満の子を養育する労働者から請求があった場合が対象でしたが、これが小学校就学前の子を養育する労働者から請求があった場合に拡大されます。これに伴い、現行の就業規則等の改訂が必要です。
なお、対象となる労働者から請求があった場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、事業主は認めなければならず、この「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かは、単に所定外労働が事業運営上必要であるという理由だけでは認められず、当該労働者の担当業務、代替要員の配置、作業の繁閑等、諸般の事情を考慮して客観的に判断されます。
現状、3歳未満の子を養育する労働者を対象とする短時間勤務制度については、その従事する業務の性質や業務の実施体制に照らして困難である場合、労使協定を結ぶことにより対象外とすることが可能となっておりますが、その場合当該労働者には代替措置を講ずる必要があります。今回の改正で、その中の一つにテレワークが加わりました(必ずテレワークを行わなければならないというわけではなく、あくまで選択肢の一つとなった、ということです)。この場合も、テレワークを選択する場合は就業規則等の改訂が必要です。
(3)と混同しやすいので注意が必要です。(3)はあくまで短時間勤務が困難な場合における代替措置としての選択肢ですが、こちらはそうではなく、幅広く3歳未満の子を養育する労働者を対象としたものになります(こちらも必ずではなく、あくまでも努力義務にとどまっていることに注意してください)。
なお導入する場合、その内容や頻度等の基準は設けられておらず、また事業所内でテレワークを講ずることができない業種・職種がある場合には、本措置の対象となる労働者を限定することも可能です。この場合も、導入する場合には就業規則等の改訂が必要です(対象者を限定する場合には、その旨も記載する必要があります)
本改正により、男性労働者の育児休業等の取得状況の公表義務が従業員数300人超1000人以下の事業主にも義務化されます。
何を公表するかについては以下の表をご覧ください。①か②、いずれかの割合を公表する必要があります。公表媒体については自社HP等のほか、厚労省が運営するサイト「両立支援のひろば」https://ryouritsu.mhlw.go.jp/でも公表が可能です。また公表回数については年一回、事業年度の終了後おおむね3か月以内に行う必要があります。
介護休暇(介護休業ではありませんのでご注意ください)を取得できる労働者の要件として、現状では労使協定を結ぶことによって、継続雇用されている期間が6ヶ月未満の労働者を取得対象から除外することができておりますが、本改正によりそれができなくなります。これに伴い、②を除外している場合は労使協定の結び直しが必要になります。
介護休業や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるようにするために、事業主は以下のいずれかの措置を講じなければなりません。なお、複数の措置を講ずることが望ましいとされ、たとえ介護に直面している社員がいない企業であっても対象となります。
(ア)介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
(イ)介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
(ウ)自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
(エ)自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
なお(ア)の研修については集合研修のような形の実施も可能ですが、あくまで「研修」ですので、例えば資料や動画を社内イントラネット等にアップするということだけでは、研修を行ったことにはなりません。
(ア)介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認
介護に直面した旨の申出をした労働者に対して、事業主は介護休業制度等に関する以下の事項の周知と、介護休業の取得・介護両立支援制度等の利用の意向確認を個別に行わなければなりません。介護両立支援制度とは具体的には、介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限等があります。
なお、介護休業の取得や介護両立支援制度の利用を控えさせるような形での周知は認められませんのでご注意ください。例えば取得や制度利用の前例がないことを強調したり、取得や制度利用をしないように抑制するなどといったことです。
(イ)介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供
労働者が介護に直面する前に、早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるために、事業主は介護休業制度等に関する以下の事項について情報提供しなければなりません。
なお、これについては個別の情報提供である必要はありません。例えば当該年度に40歳を迎える従業員を対象とした説明会のような形での情報提供も問題ありませんが、情報提供する内容やその方法はあくまで上記表に従っていただく必要があることに注意してください。
本項、介護に関する制度等の周知に関しては、厚労省のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html)の下部にある「令和6年11月作成」の規定例の中に周知フォーマットがありますので、こちらもご参考にしていただければと思います。
要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるようにすることが努力義務となります。
まず2025年4月改正の部分についてご紹介させていただきました。次回記事にて2025年10月改正と、管理部門として注意すべき点などをお伝えできればと思います。
監修元
社会保険労務士法人 宮嶋社会保険労務士事務所_公式サイト
執筆者:寺山 晋太郎様
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