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好きなプロダクトと共に歩むキャリアの選択【CFOインタビュー 株式会社MFS 取締役CFO 平山亮氏】

公開日2025/02/07 更新日2025/02/07 ブックマーク数
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株式会社MFS取締役CFO平山亮様インタビュー

今回は、日本唯一の住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を展開する株式会社MFSで取締役CFOを務める平山 亮氏に、キャリアの中でのターニングポイント、仕事に対する価値観、現職の事業及び組織の魅力を伺いました。経営管理の領域で活躍する平山氏の考えに触れることで、キャリア形成のヒントを得て頂ければ幸いです。

  

【プロフィール】

平山 亮(ひらやま りょう)
株式会社MFS 取締役CFO

東京証券取引所グロース市場(2025年2月現在)

野村證券株式会社にてM&Aアドバイザリー業務、資金調達業務、財務部門において管理会計業務に従事。その後、BHI株式会社にて取締役CFO就任。資金調達、上場準備、事業会社との業務提携等を推進。
2020年から、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」の開発・運営、不動産投資の総合プラットフォーム「INVASE」の開発・運営を行う株式会社MFSのCFOとして活躍。

――最初に、現職に至るまでのご経歴をお伺いできますでしょうか。

私は大学時代、ボクシング部に所属していて、週6日ボクシングをしていたのですが、一つのことにのめり込んでやり続ける生活は非常に充実していました。 社会人になるにあたって、そんなボクシング漬けの生活以上にしんどい経験ができる仕事をしたいという軸で就職活動をしました。

とにかく肉体的にも精神的にもハードな仕事という軸で、医者、官僚、弁護士、投資銀行のお話を聞いた上で、遠回りをするつもりもなかったので資格が問われない証券会社の仕事に興味を持ち、最終的に野村證券に入社をしました。

――証券会社の中でも特にハードそうな会社を選ばれた印象ですね。どんな経験を積まれましたか?

野村證券には総合職で入社したので、最初は財務部門に配属されて、バックオフィスの仕事をしていました。 そこには4年程度在籍し、予算管理や管理会計の業務を経験しました。グローバル予算策定といった大きな仕事も担当していたのですが、実は早々に異動させてほしいと騒ぎました(笑)

幸い、声を上げることを悪くとらえない当時のCFOからは、ニューヨークに海外駐在してMBAを取りに行くか、フロント部門に異動するかという選択肢を提示してもらいました。 証券会社でハードな仕事をしたいと考えたときに、イメージしていたのはフロント部門だったので、会社が予定していたキャリアパスではなかったようですが、キャピタル・マーケットという引受部署に異動しました。バックからフロントへの異動は滅多になかったようですが、晴れて20代で希望のキャリアの異動を叶えることができました。

因みに、フロントに異動が決まった時も、「異動先は1番しんどいと言われているチームに配属ください」と伝えていたので、本当に大変なチームに所属になりました。 私以外は、全員中途入社キャリア採用組で、外資系の証券会社や日銀の出身者といった強者ぞろいだったので、目標は高く、成果に対するコミットも強く、非常にハードな働き方を当たり前のようにこなす人達でした。 元の部署と比べてシンプルに平均残業時間が跳ね上がり、良くも悪くも多忙な日々でした。

――想像以上の環境だったものの、充実していたことが伺えますね。

平山様

貴重な経験でした。ただ、当時の自分は、忙殺されている割に限られたスキルしか身についていないことに悩みを感じていました。将来を見据えてマーケティングや事業のことも知りたいし、英語力も高めたいと自分の可能性を広げることに意識が向き始めていました。

そんな中で、MBA募集があり、チャレンジすることを決め、2年間アメリカの大学院に行かせてもらいました。これが30歳ぐらいの時です。 ただ、正直ひどい英語力だったので、必死で勉強漬けのMBA留学を経験しました。復職後は同じ部門の中にあったM&Aのチームに入り、これまでの経験と英語力を活かすことができ、事業に携わる経験も積むことができました。

その後、比較的順当に昇進したと認識していますが、この先を考えた時に部長になるには更に15年、役員を目指すなら更に5年というのが見えてきてしまい、大手企業ならではの層の厚さを感じました。そこで、36歳の時に自分の力を新しい環境で試そう、もっと新しい経験を積もうと考えて、スタートアップに行くことを決めました。

結果的にスタートアップCFOを1社経て、現在のMFSに参画して、スタートアップからIPO達成、上場企業経営まで経験しています。

――現職に至るまでのそのご経験の中で、平山さんがビジネスパーソンとして核になった部分や、ターニングポイントになったことをお伺いしたいのですがいかがでしょうか。

いくつかありますが、まず大前提として、無駄な仕事はないと考えています。最近、若い方の転職相談に乗る機会が多かったのですが、「無駄な仕事なんてないのだから、まずは目の前の仕事を頑張ってから言うのが良いと思う」と伝えています。頑張った先にしか得るものはないからというのがあるからです。

さらに、私は仕事をする上で3つポリシーを掲げています。
① やると言ったらやる
② 全てを楽しむ
③ ずるをしない
この3つさえ守っていれば、どんな困難があってもなんとかなるなと思っています。

ターニングポイントでいうと、野村證券時代に大きなターニングポイントとなったことが2つあります。

1つは、20代後半にバックオフィスからフロントに異動した時です。何もかもわからず、英語もできずで、本当に辛く、もう辞めようかなと思ったのですが、それでも格好つけずに耐える、プライドを持たずに人に聞く、などひたすら謙虚に取り組んでいたら評価されて、留学に行くことができました。これは本当に大きなターニングポイントだったなと思います。

もう1つは、30代半ばにM&Aの部署でマネージャーになり、一気に視野が広がったときです。会社全体、お客様全体が見えるようになった途端に、自分のこともそれ以外のことも考えることができるようになります。ある程度人生経験を積まないと見えないことってあるなと思ったのが30代半ばのこのタイミングでした。

この2つは強烈に覚えているので、ターニングポイントだったなと思いますね。

――そうなんですね。素直に協力を仰いで、自分ができることをとことんやり切る人は応援したいと思いますよね。

そうですね。謙虚にやるというのはとても大切だと思っています。フロントに異動した当時は、毎日夜11時からその日に聞いてわからなかった単語を全部調べて、理解し知識を増やすことをしていました。とにかく単語が分からなかったので、全部手書きでノートに書いて、それを本やネットで調べてという作業を毎晩やっていましたね。

そうした行動が功を奏し、周りが頑張っているという印象を持ってくださって、仕事を振っていただけるようになりました。あとは「仕事をください、なんでもやります」というスタンスでお願いすることで色々振っていただけて、そういう姿勢はいまだに持っていますね。

少し話は飛びますが、転職される方から「CFOになりたいんですけどどうしたらいいですか?できますか?」とよく聞かれるのですが、「覚悟さえすればできます」と答えています。

格好つけずにとりあえずやってみる。わからなかったら周りに聞いて謙虚に学ぶこと。それしか道はないですし、いかに頭を下げて皆さんに教えを請うかということですよね。謙虚に行く姿勢が大切なんじゃないかと思います。

MFSに来た時も現場の方が、何をしているのかわからなかったので、隣の席に座らせてもらって「このボタンなんですかとか?お客さんの情報ってどうやって見るんですか?」ということを一つひとつ、とにかく聞いていましたね。

単に知りたかったのと、会社全体がどう動いているのかを理解することが、事業を理解するために必要であると考えています。新しい環境や新しい仕事に就いたら、自然に理解できるのを待つのではなく、自ら積極的に現場の業務を解像度高く理解することが一番大事です。どのビジネス本を読んでも、このようなことは書いてあるので、絶対に実践しないといけないですよね。

――ありがとうございます。マネージャーになり全体が見えてきたことで、結果自分自身のことも見えてきたみたいなお話されていたかと思うんですが、その時ご自身の姿は、どのように見えていましたか。

自分自身どういう人間かなと思った時に、スキル面でめちゃくちゃ長けている投資銀行マンではなかったんですね。優秀な若手もたくさんいますし。 ただ、お客様やチームメンバーへの自分の対応を振り返ると、リーダーシップが取れて、進める力がある程度あるなということが分かりました。加えて、このスキルはどの会社でも活きるだろうと確信が持てた点は本当によかったですね。

お客さんからの評判も悪くなかったですし、平山さんならって言っていただけていたこともあったので、なんとかなるという自信が生まれました。 謙虚さと自信のバランスが非常にうまくブレンドできている状態を保っていかなきゃいけないとも思いました。

――大事にしている3つのことで、やると言ったらやるっていうのと、すべてを楽しむ、ずるをしないというお話について、これはいつ頃からこの3つだなというのが出てきたのですか?

新卒からお世話になった3人の上司が、皆さん非常に仕事ができる方でした。この人たちに追いつきたいと考えたときに、共通点は何かを考えてみたという流れです。

お伝えした通りですが、3人ともやるって言ったらもう絶対やります。そして、どうせやるなら、ただこなすだけではつまらないので、楽しくやるための工夫が必要です。あとは、嘘をつかない、ズルをしないとかは当たり前のことですが、評価をされたり、ジレンマが生じたりするのが仕事なので、意識しておくことが必要です。新卒の時の上司に1番影響受けているかもしれません。未だに仲良くさせていただいています。

――現職のMFSの事業や会社の魅力を伺っていきたいのですが、改めて転職した際の決め手になったことや経緯からご説明いただけますでしょうか。

MFSに入る前は、20社ぐらい見ていました。5社か6社オファーをいただいて、その中からMFSを選びました。選んだ理由は、プロダクトが良くて、経営陣が資本市場に明るかったからです。あとは、社員と株主が人として明るかったことはシンプルに決め手の一つでした。

――プロダクトのよさが選ばれた理由の1つとのことですが、平山さんの中でプロダクトの良し悪しを判断するポイントはありますか?

あります。CFOになろうとしている方にはいつも話すのですが、投資家には結局自分が説明しなくてはならないので、自分が好きになれるプロダクトですか?という点です。 儲かるからとか、ストックオプションの価値がつきそうだからとかではなくて、自分自身が説明することになるものだから、自分が好きになれるプロダクトであるかどうかが非常に重要であると私は思っています。

私は、当社のモゲチェックとINVASEというサービスが大好きで、資料がなくてもいくらでも話せます。そういうコンセプトが抜群なプロダクトがあったことも大きな要因でした。

転職時に見ていた会社さんで、上場された企業もありますし、上場してないけど非常にうまくいっている企業もありますが、自分が好きになれるプロダクトかと言ったらそうではなくて、入らなかったところもあります。やっぱりそこで興味持てないと辞めちゃうと思うので。

――資本市場に対して明るい経営陣の方だった、フェアな考え方を持ってらっしゃったとのことでしたが、どういう観点でそのように思ったのでしょうか。

「当時のバリエーションっていくらですか、それってなんでですか」という点を聞きました。これはフェアバリューの話なので、今のプライスは将来価値からの割引か、今のPLから逆算かという中で、考え方としてはそうだとはっきり言っていたので。無理やり100億200億に見せたいという感じではなかったことが素晴らしいなと。フェアに行かないと何事もうまくいかないと思っていたので。

――改めて、御社のそのサービスについてお伺いしたいと思います。サービスのことや魅力に感じている部分、サービスの価値を含めて教えていただくことは可能でしょうか。

平山様

サービスが2つあるので別々にお話しします。
モゲチェックは消費者側から見ると、あなただったらいくら借りられて、どこの銀行で住宅ローンの審査が通るかどうか、何%の確率で通るかという提案を受けられるサービスです。これを使うと不動産会社に行って、紙で何個も申し込みして、結局通りませんでしたなどは起きません。

誰もが便利なサービスを無料で使えます。対して銀行にとっても、我々がある程度のスクリーニングをしているというところでメリットがあります。あなたが通る銀行はこちらですというご提案をしているので、他にマーケティング費用を使うより、モゲチェックにマーケティング費用を使った方が効率良いとなります。なので、銀行さんからのリクエストもあり、提携銀行が増えました。我々からみると、消費者であるお客様に使っていただいて、銀行さんに使っていただくことで、システムとしてさらに賢くなってくるのでプラットフォームとしてさらに有意になります。

銀行からお金をいただいて、投資してこの循環が生まれるので、誰に対しても非常にフェアなサービスだなと思います。さらにいうと、お客様にご提案をする際に我々が手数料をたくさんもらっている銀行だからといって優遇することはありません。。 我々が重視しているのは、お客様が審査に通るか通らないかです。かつ、通る銀行の中でもお客様の負担が1番少ない銀行でご提案までしています。お客様にとってベストな住宅ローンはどれですかと言われた時に、これですと言い切れるサービスは日本に我々しかありません。

比較サービスはありますが、ご提案までしている住宅ローン関連サービスはないので、我々としては強みであり、今後も伸びていくであろうと思っております。

2つ目がインベースというサービスです。これはモゲチェックの転用で、あなただったら、いくら不動産投資にお金を使えますというのがわかります。さらに、わかった上で我々の会社経由で物件を買ったり、売ったりできるので、金融資産としての不動産投資が完結するというサービスです。不動産投資時には我々がローン付けまでしますし、借換もできます。持っている不動産売却されたいということでしたら、我々が買い手を見つけて間に立ちます。

不動産投資に係るワンストップサービスは、現時点では日本にはほかにないと思います。

――その業界の構造の中にある不合理なところを取り除いて、妥当なサービスがちゃんと選ばれる、選択できる。妥当な値段で購入ができたり、借りられたりができるということがシステムの中で回る状態になっているってことですよね。

そうです。不動産投資する時の問題は何かというと、買いたい・売りたい物件があったとして、その物件が1年前に売買された金額というのは業者にしかわかりません。そうすると、お客様はマーケットプライスを知らないままに買ったり、あるいは売られたりしてしまいます。これってよく考えると変な話で、この缶ジュースの値段が150円と誰もがわかっていたら、150円でしか売買しないものを、なんとなく安く売ってしまったり、買ってしまったりするんですね。

これは、不動産会社が儲かるシステムなので解放されていないわけですが、我々は独自に計算して、このプライスが正しいとお客様に提示して、売ってもらう、買ってもらうというのをやっているんです。そういう意味では、ものすごくフェアなシステムだなと思っています。

――組織風土の話もお伺いしたいなと思うのですが、管理部門としてというところも含め、何か取り組んでらっしゃることや課題にしてらっしゃることはありますか?

大きな課題として、新しいビジネス企画ができるような優秀な人を取りたいなというのがあります。今のビジネスだけをやるわけではないので、新しいビジネスもいくつか考えていますし、それを推進していく人材が必要ですね。

基本的に当社としてはプロフェッショナル性を求めますので、結果を出す人に対しては当然給料で報いますし、裁量はどんどん大きくなっていきます。これだけをやってくださいと言うつもりはなくて、これもできますよね、あれもできますよね、とどんどん足していきます。足していくと当然給料が増えていくわけで、非常にわかりやすいと思います。

当社が掲げるバリューには“プロフェッショナル”という項目があります。これはシンプルに結果が全てだという考え方です。管理部で定量を計るというのは難しいですが、納期を守る、クオリティを高く、エラーを少なくという形で定量化しています。そういう意味でのプロフェッショナル性を持っている方ですね。

――プロフェッショナル性を求めるという観点で、メンバーの方々に対して、求めていらっしゃる仕事上での価値観とか共通ルールは何かありますでしょうか。

ありますね。圧倒的にスピードを求めています。スピードでしかスタートアップは勝つことができないので。やるといったらやる、やる際には早くやる、ですね。
今年の目標設定で言ったことはスピード重視、自立性重視、失敗の許容だと言っています。

――メンバーに求める水準が高い反面、成長できる環境と感じました。平山さんご自身が、経験を振り返って、これやっていてよかったみたいなことはありますでしょうか。

後悔ばかりなんですが、英語も会計も、PCスキルも、プレゼンテーションスキルも、世の中で重要と言われているビジネススキルは本当に重要なので無視しちゃダメだなと思います。 またビジネスパーソンとして、ベースとなるのはコミュニケーションスキルだと思っているので、人と話すことや人のことを理解することは大事だと思いますね。

あとは本を読むことです。本を読んだ上で自分なりの考えをまとめて常に置いておく、業務においてアウトプットするというのは、ビジネスパーソンとしてはマストなんじゃないかなと思います。私も年間60冊から100冊ぐらい読んでいます。

おすすめの書籍としては、「志高く孫正義伝」です。孫さんって並外れた努力の上に成り立っている人だなということがわかり、自分自身も同じようにやってみようと思ったきっかけです。

あとは、「数値化の魔力」です。これは常日頃自分が考えていることがよく言語化されていて、腹落ちしましたね。

――本日は、ありがとうございました。フェアなサービスを提供し続けるために、自らのプロフェッショナル性を高めることに余念がないMFS社のこれからが楽しみです。力をつけたいビジネスパーソンにおすすめの企業だと感じました。

インタビュアー
清水 悠太(しみず ゆうた)/ 株式会社MS-Japan マーケティングDivision / 執行役員


2005年3月法政大学卒業後、株式会社MS-Japanに入社。
ベンチャー・IPO準備企業を中心とした法人営業を経験した後、キャリアアドバイザーとしてCFO、管理部長、会計士、税理士、弁護士を中心に延べ5000名のキャリア支援を経験。
現在はマーケティングDivision長および執行役員として、マーケティングと新規事業・新規サービスの開発を担当。


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