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領収書や請求書、そのほか帳簿などを電子データで保存する要件が、改正電子帳簿保存法(2022年1月施行)によって大幅に緩和されることになりました。これで経理部門のデジタル化は本格的に進むことになるのでしょうか。
「改正電子帳簿保存法」は、帳簿書類の保存方法の特例を認めるもので、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」というのが正式名称で、2022年4月から適用となります。
改正のポイントは承認制度の廃止、帳簿書類のデータ保存の要件緩和、スキャナ保存の要件緩和、電子取引データ保存の厳格化、罰則規定の新設です。
これまでは、請求書や領収書、帳簿などは原則として紙での保存が義務付けられ、電子データで保存するためには税務署に申請し税務署長からの承認を受けなければなりませんでしたが、それが廃止となり承認を受ける必要がなくなります。
また、電子保存には原本の取得日から「おおむね3営業日以内」にスキャンして、タイムスタンプを付与する必要がありましたが、その期限が「最長2か月と7営業日以内」となります。
スキャナ保存要件だった相互けん制と定期検査も必要なくなるなど、帳簿書類の電子データ保存の要件が大幅に緩和されることよって、経理業務のデジタル化が一気に加速するという期待もあるようです。
経理業務のデジタル化を見越して、タイムスタンプシステムやスマートフォンで写真を撮るだけで経費精算ができるシステムなど、改正電子帳簿保存法に対応した新しいサービスも、続々と登場しています。
こうしたサービスを活用することで、リモートワーク制度を導入していたにもかかわらず、紙での領収書や請求書を処理するために、出社しなければならなかった経理担当者のリモートワークも可能となります。
この改正電子帳簿保存法が、経理業務デジタル化のネックとなっていたアナログ主義から脱却する契機になるかもしれません。いずれにしても経理業務の見直しが求められることになりそうですが、そのためには経理担当者だけではなく、経営陣の改正法に対する理解も必要となりそうです。
電子帳簿保存に関する手続きや要件は大幅に緩和されることになり、経理業務の負担軽減にもつながりそうです。しかし、新たに罰則規定が設けられたことも、強く意識しておく必要があるでしょう。
電子データは、容易に改ざんすることもできます。それを防止するため、電子保存したエビデンスを改ざんした場合は、重加算税35%に10%が加重され、45%の重加算税が課せられることになります。
さらに、これまではメールなどで送付されてきた電子データは、印刷して保存することが容認されていましたが、改正電子帳簿保存法施行後は、指定された要件に従って電子データを管理する必要があります。
いずれにしても、紙による作業の煩雑さが軽減されるとともに、新たな電子化にまつわる作業も発生することになるのは避けられません。しかし、総合的に見ると改正電子帳簿保存法は経理業務の効率化につながるのではないでしょうか。
かつての経理業務には、算盤が欠かせないツールでした。それが電卓に変わり、いまやパソコンソフトが複雑な計算までしてくれる時代です。改正電子帳簿保存法によって、さらに経理業務のデジタル化が加速するのかどうか、その分岐点となりそうなのが2022年といえるのかもしれません。
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