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2年連続での引き上げとなりそうな国民健康保険料の年間上限額

公開日2022/11/28 更新日2023/01/19


厚生労働省は、国民健康保険料の年間上限額を来年度から2万円引き上げることを、厚労省の諮問機関である社会保障審議会の部会で提案し、政令を改正する方針を固めました。値上げラッシュが続いているだけに、またしても生活を圧迫することになりそうです。国保料引き上げの背景にあるものとは、いったい何なのでしょうか?


中所得層の負担軽減が狙い

厚生労働省は、国民健康保険料の上限額を2万円引き上げ、年間104万円とする方針です。国保料の上限額は、今年度3万円引き上げられたばかりで、これが通れば2年連続の上限額引き上げとなります。

国保料上限額引き上げの対象となったのは、概算で年収1,000万円以上の国保加入者ということですが、厚労省の試算によると、対象となったのは加入者の1.58%です。

上限額引き上げの背景にあるのは、急速に進む高齢化による医療費の増大で、国民健康保険の財政が厳しい状態にあるからです。
その国民健康保険制度を支えていくためには、国保料そのものを引き上げなければなりませんが、全加入者の国保料を値上げするわけにもいきません。国保料は所得に応じて決まりますから、高所得層の上限負担を引き上げることで、中所得層の負担を少しでも軽減しようというのが、上限額引き上げの狙いのようです。


一段と厳しさを増す国保財政

日本は、国民皆保険制度ですから、何らかの健康保険に加入することが原則です。健康保険には、国民健康保険、組合管掌健康保険、共済組合、協会けんぽ、船員保険があり、自営業者やフリーランスが加入するのが国民健康保険です。
また、定年となり現役をリタイアした高齢者も、国保に加入しています。つまり、現役世代の加入者が多い他の健康保険に比べると、高齢者の加入割合が高いのが国民健康保険で、財政も一段と厳しい状況にあるといえるでしょう。

現役世代とリタイア組の収入を比較すれば、常識的には現役世代の方が高いはずです。もちろん、リタイアした高齢者でも高収入を得ている人もいますが、はたして、2年連続の上限額引き上げが、国民健康保険の財政を潤す効果となるかについては、疑問の声も多いようです。


各自治体も続々と国民健康保険料を値上げ

今回の上限額引き上げは高所得層が対象ですが、中所得層や低所得層も安心しているわけにはいきません。日本は超高齢社会に突入しているため、これから高齢者の医療費はますます増えることが予想されています。
そうなると、加入者の保険料負担がさらに重くなることを覚悟しておく必要があります。国民健康保険料は所得や居住地で違いますが、日本共産党政策委員会の調査によると、2022年度に国民健康保険料を値上げした自治体が増えていることがわかりました。

値上げしたのは2017年度が270自治体、2018年度が559自治体でしたが、さすがに2021年度は、コロナ禍の影響に配慮して値上げに踏み切る自治体は少なくなりましたが、2022年度はまだ調査途中での集計ですが、1,648自治体中457自治体が値上げをしています。
もはや、高所得層であれ低所得層であれ、支払うべき国民健康保険料は、確実に増えているというのが実情といえるでしょう。

国民健康保険の加入者には年金生活者も含まれていますが、年金の支給額も減額されています。さらに値上げの波は、国保料だけではなく公共料金や生活必需品にまで広がり、その波は収まる気配がみられません。2023年度は、本気になって生活防衛策を講じる必要がありそうです。


まとめ

国民健康保険は、都道府県および市町村(特別区を含む)が保険者となる市町村国保と、業種ごとに組織される国民健康保険組合から構成されています。国保財政には国庫負担も含まれますが、その国庫負担を、財務省は廃止しようとしています。そうなると、国保料をますます上げなければならず、日本が誇る国民皆保険制度がどうなるのかも気になるところです。

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