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2002年に制定された改正健康増進法が2020年に全面施行となり、公共施設や飲食店など、多くの人が利用する屋内施設では原則禁煙となりました。
ところが、83%の人がたばこの煙に不快感を抱いていることが、内閣府が実施した世論調査で明らかになりました。
目次【本記事の内容】
本人がたばこを吸わなくても、そばにたばこを吸う人がいれば、そのたばこの煙を吸い込んでしまうことになります。それが受動喫煙です。
たばこを吸わない人の多くは、たばこの煙や臭いを快く思わないでしょう。実は、たばこの煙には200種類もの有害物質が含まれ、それを吸い込むことによる健康被害が大きな社会問題となっています。
しかも、喫煙者がたばこを吸う主流煙よりも、たばこの先からゆらゆらと立ちのぼる副流煙の方に、有害物質が多く含まれているとされていますから、非喫煙者にとっては煙や臭いに対する不快感よりも、健康被害への懸念の方が深刻です。
たばこの煙に含まれる有害物質は200種類で、たばこの三大有害物質はニコチン、タール、一酸化炭素です。さらに、70種類以上の発がん性物質が含まれているとされており、受動喫煙対策に対する関心は、ますます高くなっています。
ちなみに、ニコチンは血管を収縮させ、血流を悪化させる作用もあるため、動脈硬化のリスクが高まります。一酸化炭素も酸素を運ぶ機能を阻害するので、動脈硬化の要因となる可能性があります。
タールは、いわゆるたばこの“ヤニ”のことですが、そこには発がん性物質が数十種類以上含まれています。いずれにしても、健康という観点からみれば、禁煙する方が望ましいといえるでしょう。
たばこは嗜好品ですから、健康に害があろうと本人の意思で喫煙する分には、何の問題もありません。愛煙家であれば、喫煙によるリスクも受け入れたうえで、紫煙をくゆらせているはずです。
厄介なのは、喫煙者本人の健康への影響だけでなく、非喫煙者のそばでたばこを吸うことによる副流煙が、たばこを吸わない人にも健康被害をもたらす可能性がきわめて高いということです。
そのため、受動喫煙による健康影響を防ぐため、受動喫煙対策を努力義務として盛り込んだ「健康増進法」が2002年に制定され、禁煙や分煙の動きが社会全体に一気に広がりました。
しかし、この時点での受動喫煙対策は、飲食店や施設によって対策の内容が違いました。そのため、喫煙所からのたばこの煙や臭いに、非喫煙者が悩まされる状態が依然として続いていたというのが実態です。
そこで、健康増進法が2018年に改正され、2019年1月から段階的に施行、2020年4月1日から全面施行となりました。受動喫煙を防ぐための取り組みは「マナー」から「ルール」へと強化され、禁煙エリアで喫煙した場合の罰則もできました。
今、たばこを吸うことができるのは、自宅以外では屋外の特定屋外喫煙場所と、屋内では基準を満たした専用の喫煙室がある施設です。いずれにしても、愛煙家の肩身は、ますます狭くなりそうです。
たばこを吸える場所が狭められるなかで、注目されるようになったのが加熱式たばこや電子たばこです。加熱式たばこは、たばこ葉やその加工品を電気で加熱することで発生するニコチンを含むエアロゾルを、たばこ感覚で吸うものですが、紙巻きたばこと同様の害があると指摘する医療関係者もいます。
電子たばこは、たばこの葉を使用していないため、「たばこ類似製品」という位置づけです。
しかし、世論調査で8割以上が受動喫煙を不快と感じている以上、自宅以外での喫煙は控えた方が懸命かもしれません。
【調査概要】
調査対象:(1)母集団 全国18歳以上の日本国籍を有する者
(2)標本数 3,000人
調査時期:令和元年7月25日~8月4日
調査方法:調査員による個別面接聴取法
調査実施機関:一般社団法人 中央調査社
■参考URL
たばこの煙、不快83% 受動喫煙に懸念、内閣府調査
/news/detail/6598/?url=https%3A%2F%2Fnordot.app%2F961190935607574528
誰かのたばこの煙を吸うだけで 喫煙者と同様のリスクがあります
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