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タクシー料金はどう決まる?気になる値上げの理由まで解説

更新

2022/09/21

公開

2022/09/21

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タクシーを利用しているとき、利用する会社によって料金が異なることに疑問を抱いたことはありませんか?国内のタクシー会社は料金をどのようにして決めているのでしょうか。

本記事では、タクシー運賃が決まる仕組みや利用方法による目安料金とあわせて、2022年11月にタクシー料金が値上げになる背景などについて解説します。

目次

    1.タクシー料金の仕組み

    タクシー料金にはさまざまな種類があります。基本の仕組みに加え、さまざまなタイプの料金システムをご紹介します。

    タクシーの基本は「初乗運賃+加算運賃」

    タクシーの料金は、基本的に「初乗運賃」と「加算運賃」の合計で算出されます。

    初乗運賃とは、タクシーに乗車したときにはじめに表示される運賃のことです。初乗運賃は地域やタクシー会社によって異なるため、タクシーを利用した地域やタクシー会社によってトータルの料金も変わります。

    加算運賃とは、走行距離ごと、あるいは時間ごとに加算される運賃のことです。タクシーが走行している間、利用中に待機してもらっている間に料金メーターが上がるのは加算距離があるためです。

    なお、走行距離よりも時間拘束の割合が高い運送(観光地の周遊や冠婚葬祭など)の場合は、時間制運賃が適用されます。時間制運賃では、タクシーが指定の場所に到着したときから利用を終了するまでの時間で運賃が算出されます。

    初乗運賃・加算運賃は国土交通省によって地域ごとの上限が定められており、各タクシー会社はそれぞれその枠内で運賃を決めています。そのため、タクシー会社や地域によって運賃が異なります。

    タクシーの追加料金とは

    タクシーの運賃には次の追加料金があります。

    深夜早朝割増

    一般的に22時~5時の間に利用した場合に追加される料金です。早朝・深夜にタクシーを利用すると、初乗距離および加算距離が2割短くなり、その分早くメーターがまわるようになり、日中よりも運賃が高くなります。

    迎車料金

    指定した場所にタクシーを呼んだ場合に発生する追加料金です。一般的な迎車料金は数百円程度ですが、会社によっては無料の場合もあります。

    予約料金

    時間を指定して配車した際に発生する追加料金です。 予約料金はタクシー会社や地域によって変わります。一般的には300~400円が相場です。

    待機料金

    配車依頼後や利用中にタクシーをその場に待機させることで発生する追加料金です。待機料金は加算運賃のうち時間経過料金に含まれます。

    車種指定料金

    大人数での利用や、ハイグレード車種を利用したい場合などに車種を指定できるタクシー会社もあります。車種指定料金は、ワゴン車両など特定の車両を指定したときに発生する料金です。

    高速道路代

    有料道路を利用した際には、その通行料を利用者が負担します。

    定額運賃

    そのほか、タクシー料金には時間制運賃、定額運賃があります。

    定額運賃は、一定の地域間を走行する際の料金を事前に定めているもので、例えば東京のタクシーでは、羽田空港・成田国際空港と都内の一定地域間で定額運賃を定めています。

    2.タクシー料金が値上げに!なぜ?

    2022年8月8日、国土交通省が内閣府消費者委員会の専門調査会に対して東京都内のタクシー運賃の引き上げを提案し、早ければ2022年11月からタクシー料金が値上げされることとなりました。具体的には、次のように値上げが行われる予定です。

    距離制運賃・普通車 初乗運賃 加算運賃
    現行運賃 420円/1.052km 80円/233m
    新運賃 500円/1.096km 100円/255m

    初乗運賃・加算運賃ともに数十円ほどの値上げ額ですが、長距離で利用する方、頻繁に利用する方には影響も大きくなるでしょう。

    運賃の変更には国土交通大臣の認可が必要

    タクシーの運賃は「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないもの(道路運送法 第九条の三)」と定められており、各タクシー会社が運賃を値上げする際には、国土交通省に申し入れ、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。このとき、適性を超える運賃は認可されません。 もし値上げが実施されれば、東京都内では消費税増税時を除いて15年ぶりの値上げとなります。近年では、コロナ禍によるタクシー利用者の減少に加え、キャッシュレス決済への対応やドライブレコーダーの設置、アルコール検知器を用いた検査の義務化、感染症対策などによりタクシー会社への負担が増している状況です。

    タクシー会社の経営だけでなく、安全な運送と運転手の労働環境を整えるためにも、運賃の値上げが必要だと判断されたものとみられます。

    3.6kmあたりのタクシー料金の目安は?

    ここからは、状況別でタクシーの利用料金の目安をご紹介します(2022年8月時点)。利用する際の参考にしてください。

    料金の試算にあたっては、次の設定を用いています。

    初乗運賃 420円/1.052km
    加算運賃 80円/233m
    時間距離併用運賃 85秒ごとに80円
    予約料金 420円
    深夜・早朝割増 初乗運賃・加算運賃ともに2割増

    早朝・深夜以外の利用で待機時間がない場合

    早朝・深夜以外の時間帯で、かつ待機時間がない場合の6kmのタクシー料金の目安は次の通りです。

    加算距離 6km-1.052km=4.948km
    加算運賃計上回数 4.948÷0.233km=22回
    加算運賃 80円×22回=1,760円
    初乗運賃 420円
    合計 1,760円+420円=2,180円

    早朝・深夜以外の利用で10分の待機時間が発生した場合

    早朝深夜割増が適用されない時間帯に、店舗への立ち寄りなどで待機時間が10分発生し、6km分利用した場合の料金の目安は次の通りです。

    加算距離 6km-1.052km=4.948km
    加算運賃計上回数 4.948÷0.233km=22回
    加算運賃 80円×22回=1,760円
    時間加算運賃計上回数 600秒÷85秒=8回
    時間加算運賃 80円×8回=640円
    初乗運賃 420円
    合計 1,760円+640円+420円=2,820円

    深夜・早朝に利用した場合

    深夜早朝割増が適用される時間帯に利用し、かつ待機時間がなかった場合の料金の目安は次の通りです。深夜・早朝割増では、一般的に利用した距離と時間が2割増え、それに応じた料金が算出されます。

    初乗運賃の距離 1.052km÷1.2=0.876km
    加算運賃の距離 0.233km÷1.2=0.194km
    加算距離 6km-0.876km=5.124km
    加算運賃計上回数 5.124km÷0.194km=27回
    加算運賃 80円×27回=2,160円
    初乗運賃 420円
    合計 2,160円+420円=2,580円

    4.タクシーの料金は計算できる!追加料金の仕組みも理解して納得の利用を

    2022年11月より、タクシー運賃が値上げされる予定です。タクシー料金は自分でも計算できます。想定外の出費にならないか心配なときには、タクシーを利用する前に自分で計算して運賃を把握しておきましょう。

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