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上がり続ける原材料費や円安、人件費の上昇などの影響を受け、どの企業も同じ価格で商品を提供し続けるのが難しくなっています。
コストを抑えるにも限界があり、最終的に値上げするしかないのですが「高くしては売れなくなるかもしれない」といった理由などから、ステルス値上げが行われています。
しかし、ステルス値上げは消費者を欺くことにもなりかねない危険な行為です。消費者は、ずっと買っていた商品がステルス値上げをしていることに気づいたとき、企業に対する不信感を抱くようになるからです。
では、ステルス値上げが横行している今日、消費者は”値上げ”にどんな感情を抱いているのでしょうか? 消費者庁が行ったアンケート調査から紐解いていきます。
ステルス値上げとは、価格はそのままで内容量を減らした「実質値上げ」のことを指します。そもそもステルスとは「こっそり行う」の意味があり、他者に気づかれないように何かを行うことをステルス○○といいます。(ステルスマーケティングなど)
つまり、告知をせずにこっそりと行う値上げや実質値上げのことを「ステルス値上げ」といいます。そのため、事前に消費者に知らせた上で内容量を減らすのは、厳密にいうと「ステルス値上げ」ではないというわけです。
尚、ステルス値上げは「縮小する」の意味を持つ「シュリンク」と「物価上昇」を意味する「インフレーション」を掛け合わせて「シュリンクフレーション」ともいわれています。
さまざまなものでステルス値上げが行われていますが、特に顕著なのが食料品です。
チョコレート菓子やスナック菓子、アイスクリームなどの菓子類は、個包装の数を減らしたり、一つ一つのサイズを小さくしたりすることが可能なため、ステルス値上げの対象になりやすいようです。
ほかにも、ハムやソーセージなどの加工食品もステルス値上げされています。
インスタントラーメンやパンなど小麦を使う食品は、直接的な値上げに踏み切る企業が多いように感じます。小麦の高騰が頻繁にニュースで取り上げられる影響から、消費者の理解を得やすいからかもしれません。
とはいえ、ステルス値上げをした商品も、のちに少し量を増やして値上げするといった段階を踏むことも多く、結果的に値上げが行われているのです。
ステルス値上げは、通常の値上げに比べて消費者の印象が良くありません。
消費者庁が行った「平成 30 年7月物価モニター調査結果*」では、22.6%が「実質値上げは不誠実だと感じる」との回答で、23.9%が「日常的に買っている商品について、実質値上げが原因で買う商品を変えた(又は買うのをやめた)ことがある」と答えています。
「実質値上げは買う量や商品の選択に影響しない」と答えたのはたったの3.6%でした。
*調査方法:インターネット
調査対象:全国20~70歳以上の男女1,414人
調査期間:平成30年7月5日~9日
同じく消費者庁が行った「令和4年1月物価モニター調査結果**」では、8割を超える人が「状況を踏まえると値上げは仕方ない」「商品によってはある程度の値上げは仕方ない」と値上げに許容する考えを持っていることが分かります。
**調査方法:インターネット
調査対象:全国20~70歳以上の男女1,427人
調査期間:令和4年1月6日~10日
以上の結果を踏まえると「値上げせざるを得ない状況を消費者に説明し、値上げに踏み切る」ほうが、こっそりと値上げをするステルス値上げより好印象であるようです。
止められない原材料の高騰により、商品の値上げは致し方ない状況です。企業としては心苦しい決断を迫られますが、意外にも消費者は「値上げは仕方ない」と思っていることがわかりました。
もしも商品の値上げに踏み切る場合は、誠意を込めて値上げを告知することで、消費者の理解を得られるかもしれません。
【参考サイト】
消費者庁 平成 30 年7月物価モニター調査結果(速報)
消費者庁 令和4 年1月物価モニター調査結果(速報)
独立行政法人農畜産業振興機構 新しい国産飼料資源としての森林資材(チップ、パルプ)の活用
日刊工業新聞 社説/木から牛の餌をつくる
環境省 すべての企業が持続的に発展するために
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