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経理の年始業務を効率的に進めたい!三つの書類の作成ポイントを解説

公開日2023/01/04 更新日2022/12/29


年末年始の休みが明ければ、いよいよ経理の年始業務が開始します。初出社日から効率よく仕事に取り掛かれるように、1月に必要な業務をあらかじめ計画しておけば断然効率が上がります。


今回は、1月末日を提出・申請期限とする「給与支払報告書」「法定調書合計表」「償却資産申告書」の三つの書類に焦点を当て、作成のポイントや注意点などを解説します。



給与支払報告書の作成と注意点

給与支払報告書とは

「給与支払報告書」とは、前年中に給与支払者(事業主)が給与受給者(従業員)に支払った給与に関する書類で、法定調書の一つです。


個人・法人を問わず、提出年の1月1日時点において、従業員が住民登録している市区町村への提出が義務付けられています。 在籍社員だけでなく、提出前年の中途退職者・パート・アルバイトも含まれるのでご注意ください。


前年中に退職した従業員に関しては、退職時の住民登録地に提出します。ただし、前年中の支払金額が30万円以下の場合は提出の省略が可能です。


なお、公平・適正課税の観点から、支払金額30万円以下の退職者についても提出に協力するよう記載している市区町村もあります。


給与支払報告書の種類

給与支払報告書は、個人明細書と総括表の2種類があります。


・個人明細書
記載内容は源泉徴収票とほぼ同じで、給与支払者の情報をはじめ、受給者の氏名・支払金額・社会保険料等の金額などを記載します。


・総括表
市区町村に個人明細書を提出する際に付ける、表紙のようなものです。 給与支払者の情報や、受給者総人数などを記載します。


変更点など

令和5年1月1日以降に提出する給与支払報告書の枚数は、2枚から1枚に変更されたのでご留意ください。


法定調書合計表作成と注意点

法定調書合計表とは

法定調書合計表とは、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」のことで、税務署に法定調書を提出する際に必要な書類の一つです。 提出する法定調書がない場合も、摘要欄に「該当なし」と記入して提出します。


法定調書には「給与所得の源泉徴収票」や「退職所得の源泉徴収票」、「信託の計算書」など、現在60種類があり、提出が義務付けられています。


税務署は、法定調書合計表をもとに適正な課税を確保するため、虚偽や記載漏れがないよう早めに作成しましょう。


法定調書合計表の対象となる調書

60種類の法定調書のうち以下の6つに関しては、種類ごとに集計した法定調書合計表を併せて提出します。なお、法定調書合計表の提出期限は、支払った年の翌年1月31日です。


・給与所得の源泉徴収票
・退職所得の源泉徴収票
・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
・不動産の使用料等の支払調書
・不動産等の譲受けの対価の支払調書
・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書


上記のとおり、源泉徴収票と支払調書の2つがあります。いずれも書くべき項目と記載不要項目があるため、正しく理解して作成しましょう。


法定調書合計表の書き方のポイント

提出者の住所・氏名・個人番号・作成担当者などのほか、上記6つの合計などを1枚の法定調書合計表に記載します。
以下、種類ごとに書き方のポイントをピックアップしたので参考にしてください。


・給与所得の源泉徴収票合計表
「Ⓐ俸給、給与、賞与等の総額」の「人員」欄には、中途退職者も含め、給与等の支払を受けた実人数を記載します。
「左のうち、源泉徴収税額のない者」の欄は記載漏れが多い項目です。「給与所得の源泉徴収票」の「源泉徴収税額」欄の税額が「0」の人の数を記載してください。


・退職所得の源泉徴収票合計表
「Ⓐ退職手当等の総額」欄には、退職所得の源泉徴収票の提出を省略する場合も含め、支払を受けるもの全員の額を記載します。


・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表
「人員」欄には、個人と個人以外を区分して、金額ではなく人数を記載します。
「賞金」欄には、内国法人に対する賞金を記載しますが、馬主が受ける競馬の賞金なども含めて記載してください。


・不動産の使用料等の支払調書合計表
「Ⓐ使用料等の総額」欄には、支払調書の提出を要しないものも含めて記載します。


・不動産等の譲受けの対価の支払調書合計表
「Ⓐ譲受けの対価の総額」欄には、支払が確定した総額を記載します。
補償金がある場合は総額に含めた上で、摘要欄に「内 補償金は○,○○○,○○○円」などと記載してください。


・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書合計表
先の「不動産の使用料等の支払調書」及び「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の摘要欄には、すでにあっせん手数料に関する事項を記入しています。


よって、「摘要」欄には、これらの支払調書の作成・提出を省略したものについての支払先の人員と支払金額の合計を、「外1人○○○,○○○円」のように記載しておきます。


なお、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の印刷や記載要領の詳細は、以下国税庁のHPを参考にし、あらかじめ疑問点を払拭しておきましょう。


令和○年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表|国税庁
第8 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方|国税庁


償却資産申告書作成と注意点

償却資産申告書とは

償却資産申告書とは、市区町村が固定資産税を算出するための書類です。 個人・法人にかかわらず、事業者が事業のために用いる償却資産を申告します。


申告先は資産の所在する市区町村であり、事業所所在地の地方自治体ではありません。 所在が点在している場合は、複数枚作成する必要があるのでご留意ください。


また、市区町村への申告期限は1月31日です。償却資産に該当するもの、該当しないものは迷いがちなので、できるだけ早めに申告することをお勧めします。


なお、償却資産の対象や耐用年数は市区町村で具体例を示しています。年始業務をはかどらせるためにも、あらかじめ確認しておきましょう。


償却資産に該当するもの

・パソコン
・机
・応接セット
・陳列棚
・冷凍冷蔵庫
・自転車
・大型特殊自動車
・厨房設備
・理美容椅子
・手術台 など


ほかに、事業として他人に貸し付ける場合や、従業員用の社宅・寮などの福利厚生施設で用いる器具備品や構築物なども課税対象です。


不動産賃貸業の場合、共同住宅の太陽光発電設備や植え込み、貸し駐車場のアスファルト舗装やフェンスなども対象となります。


償却資産に該当しないもの

・ソフトウェア
・営業権
・特許権
・自動車税の課税対象となる自動車
・軽自動車税の課税対象となる軽自動車 など


償却資産は減価償却対象となる資産を指すため、無形固定資産や土地・家屋、繰延資産は該当しません。


まとめ

事業者が市区町村に提出義務があるものは、「給与支払報告書」と「償却資産申告書」です。「法定調書合計表」は税務署に提出します。 記載項目が多いため、早い段階で調べておけば業務がはかどります。いずれも1月31日が提出・申請の期限ですが、年始早々から作成に取り掛かりましょう。


■参考サイト
経理プラス|給与支払報告書のQ&A ー経理担当者が知りたいちょっと深いところー
経理プラス|給与支払報告書とは?書き方や対象、提出方法について解説
国税庁|令和4年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引
柏市役所|令和5年度給与支払報告書(総括表・個人別明細書)の提出について
経理プラス|法定調書合計表作成の業務概要
国税庁|No.7401 法定調書の種類
国税庁|No.7400 法定調書の提出義務者
国税庁|第8 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方
福岡市|令和5年度 償却資産(固定資産税)申告の手引き
経理プラス|償却資産税申告書作成の業務概要 ―経理担当者なら知っておきたいこと―


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