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先日、民間企業が管理職などを対象に工数管理に関する実態調査*を行ったところ、回答者の半数以上が「個々の工数管理の把握が正確にできていない」と回答していました。
工数管理を適切に行うことは、企業内で行われるさまざまなプロジェクトを管理することに直結します。対応が不十分な企業は、今後、工数管理体制の構築も検討すべきでしょう。
今回は工数管理とは何か、そのメリットや導入時の注意点について解説します。
目次【本記事の内容】
工数管理とは、プロジェクトにおいてどのくらい工数が必要なのかを計算し管理することです。工数とは各プロジェクトにおける業務量の単位のことで、その合計値は「業務に携わる従業員数×業務に必要な時間」で計算され、「人月」や「人日」などの単位で示されます。
たとえば、従業員5人で半年かかるプロジェクトに取り組んだなら、「5人×6カ月=30人月」と算出されるわけです。
プロジェクトの遂行に必要な時間と人をリアルタイムでデータ化・可視化し、それを効率的に管理することが工数管理の目的です。
工数管理を行うことには、以下のようなメリットがあります。
・プロジェクトにかかる費用の把握
工数管理を行うことで従業員が携わる時間と人数を把握できますが、これにより人件費などを踏まえたプロジェクトにかかる費用計算が可能です。
たとえばクライアントから依頼を受けてプロジェクトを立ち上げた場合、見積書を相手側に送付する必要がありますが、工数の計算は請求額算出の参考にできます。また、費用が把握できることにより利益率の算出も可能となり、プロジェクト全体の生産性・効率性も把握できます。
・プロジェクトの進捗状況の管理も可能
工数管理により、それぞれのプロジェクトに携わっている従業員数とその従事時間を把握できるので、プロジェクトの進捗状況の管理がしやすくなります。
もし予定通りにプロジェクトが進んでいないときは、投入する従業員数とその従事時間を増やすなどして、遅れを取り戻す対策が可能です。逆に、予定よりも早く進んでいるプロジェクトがあるときは、そのプロジェクトに投入する人員数や従事時間を減らし、遅れているプロジェクトに回すといった意思決定もできます。
工数管理にはメリットがある一方、その実施においては注意すべきポイントもあります。
・実際の工数を正確に把握できているかどうか
工数管理を行う場合、プロジェクトの現場から業務時間と従事する人員数に関する情報を集めることになりますが、その情報の内容が実態をきちんと反映しているのかどうかをチェックする体制も必要です。
情報収集の段階で、本当はプロジェクト全体で1,000時間かかっているのに、誤って800時間と把握して報告してしまうと、実態把握にミスが生じます。こうしたことが繰り返されると、プロジェクトが終了したときに想定以上の費用や時間がかかっていたことが判明し、結果的に大きな損失を生み出す場合もあるので注意が必要です。
・工数管理を行うための費用がかかる
工数管理を行うには、専用のツールを導入したり、担当の人員を配置・教育したりする必要性が生じます。そのため、工数管理の運用には、それについての費用が別途発生するので、導入の際はその点に注意する必要があるでしょう。
工数管理は、プロジェクトマネジメントを効率的に行う上で欠かせない作業です。導入することによって、プロジェクトにかかる費用の計算や進捗状況の管理をスムーズに行うことができ、企業全体での生産性アップに寄与するでしょう。
ただし、実際に導入を検討する場合、実態の把握をきちんと行える体制を整えること、工数管理を行うための費用が別途必要になること、などの点に配慮することも必要です。
*【調査概要】
調査概要:「工数管理」実施に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年12月12日〜同年12月13日
有効回答:工数管理を主導する管理者(制作部部長/管理職/ディレクター)104名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
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