第152回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

労働基準局安全衛生部計画課

日時

令和5年2月13日(月)13:00~15:00

場所

対面及びオンラインにより開催
(AP虎ノ門)
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

出席者

会場

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員
(五十音順、敬称略)
事務局

オンライン

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員
(五十音順、敬称略)

議題

(1)労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生法関係手数料令の一部を改正する政令案要綱等について(諮問及び報告)
(防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具関係)
(2)労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問及び報告)
(陸上貨物運送事業関係)
(3)労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(足場等からの墜落・転落防止措置関係)
(4)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案等について(諮問及び報告)
(金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習関係 )
(5)ボイラー及び圧力容器安全規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(6)第14次労働災害防止計画(案)について(諮問)

議事

議事内容

○城内分科会長 定刻となりましたので、ただいまから第152回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日は労働者代表委員の袈裟丸委員と佐藤委員が、使用者代表委員の及川委員と矢内委員が欠席しております。本日は感染症の防止対策として、対面及びオンラインの併用により開催することとしていますので、御承知おきください。カメラ撮影等については、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いします。なお、本日は議題が多いため円滑な議事に御協力をよろしくお願いいたします。
 まず、事務局からオンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いします。
○計画課長 オンライン参加の委員の皆様方に対し、Zoomの操作方法について説明をいたします。本日はハウリング防止のため、発言されないときにはマイクをオフに設定をお願いいたします。また発言される場合には、発言がある旨をチャットに書き込み、分科会長から指名されたらマイクをオンに設定した上、氏名をおっしゃってから発言をお願いいたします。このほか、進行中、通信トラブル等の不具合がありましたら、チャットに書き込み、また、事務局へメール等で御連絡を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
○城内分科会長 それでは議事に入ります。議題1、「労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生法関係手数料令の一部を改正する政令案要綱等について(諮問及び報告)」に関して、事務局から説明をお願いします。
○環境改善室長 本議案については資料1-3に沿って説明いたします。3ページを御覧ください。本件については、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具の労働現場への導入ということで、諮問させていただく内容です。改正の趣旨は、これまで電動ファン付き呼吸用保護具として法律に定められていたものに防毒電動ファン付き呼吸用保護具を導入するということで、譲渡、貸与又は設置しなければならない対象、若しくは型式検定を受けなければならない対象にするものです。
 これまで、防じん用の電動ファン付き呼吸用保護具についてのみ構造規格が定められ、譲渡等制限及び型式検定の対象とされてきましたが、近年、化学物質によるばく露防止を目的とした防毒電動ファン付き呼吸用保護具が開発され、日本産業規格に基づく製品が市場に流通し始めている状況を踏まえ、今回、新たな改正を行うものです。防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具がどのようなものかについては、3ページの下に記載しております。
 4ページは、政令案で定める事項です。(1)安衛令の一部改正。これまでの法別表第2第16号に掲げる電動ファン付き呼吸用保護具には、ハロゲンガス又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具、その他厚生労働省令で定めるものが含まれることを規定するものです。また、型式検定を受けなければならない機械等として、防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具と、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具に分けて規定をすることといたします。また、手数料についても一部改正を行う予定として、国が行う防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具の型式検定を受けようとする者が、国に納付する手数料について、新たに規定をするものです。その他、所要の改正を予定しています。
 経過措置については、令和6年10月1日前に製造され、又は輸入された防毒電動ファン付き呼吸用保護具(略してG-PAPR)には、法第42条の規定、若しくは法第44条の2の型式検定を受けることを要しないことといたします。公布日等は記載のとおりです。
 次に省令案の概要について説明いたします。6ページを御覧ください。先ほどの政令改正に関し、整備省令ということで定めるものです。省令事項は、(1)安衛則の一部改正については、政令でハロゲンガス、有機ガス用のものを規定いたしましたので、それ以外のアンモニア用・亜硫酸ガス用のものを定めることといたします。(2)登録省令の一部改正ですが、指定外国検査機関が証明書を作成できる機械等の区分及び型式検定機関の登録の区分に、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を追加し、既に規定されている電動ファン付き呼吸用保護具については、防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具に改めるということで、両方の電動ファン付き呼吸用保護具が含まれるようにいたします。
 (3)機械等検定規則の一部改正ですが、7ページの④⑤までの内容も含めての改正を予定しております。(4)その他関係省令の一部改正については、これまで厚生労働省関係省令で防毒マスク等が規定されていたものに、新たに防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を追加するなどの改正を行うものです。経過措置ですが、令和6年10月1日前に製造され、輸入されたG-PAPRについては、令和8年9月30日までの間は、安衛則第27条の規定は適用しないことといたします。公布日については、令和5年3月下旬予定、施行日は記載のとおりです。
 次は告示事項ですが、9ページ以降になりますが、これらについては報告事項として説明いたします。この告示の改正の趣旨ですが、①~⑤に係る内容について、今般、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を定めることでの必要な改正を行うものです。(1)審査出張告示の一部改正。審査のため職員を出張させる場合の検定対象器具に、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を追加いたします。(2)防じんマスクの規格、防毒マスクの規格及び電動ファン付き呼吸用保護具の規格の一部改正ということで、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具に係る事項を追加するなど、所要の規定の整備を行うものです。(3)その他関係告示の一部改正。その他の関係告示において、既に規定されている電動ファン付き呼吸用保護具を、防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具に改めるなどの改正を行います。10ページに参りまして、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を譲渡提供するに当たっての、具体的な構造規格案を告示で定めることといたします。具体的な内容としては、構造、性能に係る試験、吸収缶に係る規定、表示に係る規定を設ける予定です。告示日については、省令と同様の適用日を予定しております。事務局からは以上です。御審議よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 本件について質問、意見等のある方は、発言がある旨チャットに書き込み、あるいは会場におられる委員の方は挙手をお願いいたします。増田委員、お願いします。
○増田委員 御説明ありがとうございました。諮問内容については特に疑義はありません。1点確認させてください。既に流通しているG-PAPRについて、今回の改正で使用できなくなるものはありますか。日本産業規格に基づいているものなので、既に流通しているものはおおむね問題ないという理解でよろしいでしょうか。
○環境改善室長 経過措置中の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具については、JIS規格に基づき製造等されているものですので、今後定める予定の構造規格とほぼ同等の安全性は確保されているものと承知しております。当該保護具の製造メーカー、輸入業者が入っている業界団体を通じ、適切な品質が確保されるよう指導してまいりたいと考えております。以上です。
○増田委員 ありがとうございました。
○城内分科会長 勝野委員、お願いいたします。
○勝野委員 御説明ありがとうございました。型式検定について、これまでの防じんに加えて防毒を新たに追加する点については、了解をいたしました。その際に現場で作業を行う際の間違いが起こらないように、改めて規定をする際の徹底と利用者への周知等が徹底できるようによろしくお願いいたします。以上です。
○城内分科会長 そのほか発言はありますか。佐々木委員、お願いします。
○佐々木委員 諮問された内容について特段異論はありません。電動ファン付き呼吸用保護具の使用については、是非、事業者との連携のもと、今回の改正内容をしっかりと周知していただき、更なる普及促進を図ることによって労働者の健康障害の防止につなげていただきたいと思います。以上です。
○城内分科会長 出口委員、お願いします。
○出口委員 出口です。防毒用電動ファン付き呼吸用保護具については、既に説明がありましたように市場に流通しておりますが構造規格がなかったということで、この改正については賛成です。確認ですが、資料1-3の10ページの告示事項の構造の③、防毒マスクの吸収缶が取り付けることができない構造であること。これは、やはり防毒マスクの吸収缶が取り付けられることによって、何か不具合が起こるのでしょうか。
○環境改善室長 この③の防毒マスクの吸収缶が取り付けることができない構造に、なぜしているかと言いますと、仮に防毒マスクの吸収缶がこの電動ファン付き呼吸用保護具にそのまま付けられることになりますと、風量がこれまでの防毒マスクと違い大幅に増えますので、マスクの中に入ってくる空気、ガスの量も増えてくる可能性があり、容易に破過する可能性がありますので、防毒マスクの吸収缶が電動ファン付き呼吸用保護具に付けられないようにさせていただきました。
○城内分科会長 そのほか発言はありますか。それでは、労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生法関係手数料令の一部を改正する政令案要綱、及び労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生法関係手数料令の一部を改正する政令の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いします。
 次に議題2、「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問及び報告)」に関して、事務局から説明をお願いします。
○安全課長 資料2-2を御覧ください。まず、今般の改正に至った経緯を説明いたします。4ページを御覧ください。陸上貨物運送事業においては、近年、休業4日以上の死傷災害が増加傾向にあり、その中で休業災害全体の約7割を占めております荷役作業時の労働災害を防止するために、学識経験者、労使代表者等による検討会が設置されました。令和3年12月から昨年8月まで10回の検討を経て、報告書が取りまとめられました。
 5ページに報告書の概要を記載しております。①トラックの荷台からの墜落・転落による危険防止対策については、現在、荷台と床との間を安全に昇降するための設備、そして作業時の保護帽(ヘルメット)の着用が5トン以上の貨物自動車に義務付けられております。一方、2トン以上5トン未満のトラックからの墜落・転落災害が多発しており、特に平ボディ、ウイング車といった側面を開放できる構造のもので多発しております。また、5トン未満のトラックからの墜落・転落による死亡災害の被災者全てが、保護帽を適切に着用していなかった等の状況を踏まえ、提言の赤字の所に書かれているように、①昇降設備の設置、②保護帽着用の対象を2トン以上の貨物自動車に拡大することが提言されております。
 また、右側の②のテールゲートリフター作業における安全対策については、右下の図にあるようなテールゲートリフターで重篤な休業災害が発生していることなどから、①テールゲートリフターを使用する者に対する安全衛生教育の義務化、②テールゲートリフターを用いた作業への保護帽着用義務付けが提言されております。下に③④⑤とありますが、報告書では今般の省令改正には書かれていないロールボックスパレット取扱い作業等についても提言されておりますが、こちらは省略いたします。
 この報告書の提言事項を受け、労働安全衛生規則の改正をするものです。資料の2ページ目を御覧ください。最初が、昇降設備の設置義務及び荷役作業を行う労働者に保護帽を着用させる義務を、最大積載量5トン以上から2トン以上に拡大するものです。なお、保護帽を着用させる義務の拡大は、2トン以上5トン未満の貨物自動車のうち、荷台の側面が構造上開閉できるものなど、昇降設備が備えられている箇所以外の箇所で荷役作業が行われるおそれがあるもの、それからテールゲートリフターが設置され、使用する場合となります。
 2つ目は、テールゲートリフターを操作しての荷役作業は、労働災害発生のリスクがあり、機能や危険性を意識して安全な作業方法を身に着けた上で作業をする必要があることから、安衛法第59条第3項の規定に基づく特別教育が必要な業務として、併せて告示の安全衛生特別教育規程を改正して、4時間の学科教育、2時間の実技教育からなるテールゲートリフター操作業務に係る特別教育を新たに規定いたします。
 3つ目は、現状を踏まえた規定の整備です。原動機を動かさなければテールゲートリフターが動かない構造のものも存在すること等から、運転席とテールゲートリフターの操作位置が異なる場合は、引き続き逸走防止措置を義務付けるが、原動機の停止義務は適用を除外する等の規定を設けるものです。
公布は3月を予定しており、施行は特別教育の義務化を令和6年2月1日にする以外は令和5年10月1日としております。以上です。
○城内分科会長 本件について質問、意見等のある方は、発言がある旨チャットに書き込みをお願いいたします。山脇委員、お願いします。
○山脇委員 諮問事項については、全体として労働災害防止に資するものと受け止めております。2点、意見と質問させていただきます。1点目は、2ページに記載の「保護帽着用範囲の拡大」のなお書き部分についての意見です。保護帽着用に関する例外規定が設けられていますが、今回、対象外とされている箇所でも、現実としては労働災害が発生している、あるいは発生する危険性が十分にあると思います。個人事業者を含めて作業安全確保の観点から、保護帽の義務化までは至りませんでしたが、着用の推奨は是非行っていただきたいと思います。そのうえで、今後の災害発生状況をしっかりと検証して、保護帽着用の義務化も含めて、引き続き検討をお願いします。
 2点目は質問です。2番目の「特別教育の義務化」の対象者についての確認です。テールゲートリフターを直接に操作はしないが一緒に作業される方、補助的に作業される方も、特別教育の義務化の対象に含まれるのかお伺いいたします。以上です。
○城内分科会長 事務局からお願いします。
○安全課長 御意見、御質問ありがとうございます。御指摘のように、例外の箇所における保護帽の推奨、それから災害の発生状況の検証については、しっかり行って必要な対応を採っていきたいと思います。
 それから御質問の特別教育の義務化で、テールゲートリフターを操作する者だけでなく、補助者についても対象とするのかということですが、テールゲートリフターそのものを操作する者だけでなく、テールゲートリフターに荷を載せたり固定したりといった補助をする者も対象となるものです。よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 そのほか発言はありますか。それでは、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いします。
 次に議題3、「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」に関して、事務局から説明をお願いします。
○安全課長 安全課でございます。資料3-2を御覧ください。今般の改正に至った経緯を御説明いたします。資料の4ページ目を御覧ください。建設業においては、墜落・転落による死亡災害が最も多いということから、建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合を設置して、平成30年から検討を進めてまいりました。7回の会合を経て、昨年10月に報告書が取りまとめられたところです。
 5ページ目に報告書の概要を記載しておりますが、3番目の囲いの講ずべき対策として、大きく4つの事項が取りまとめられております。そのうち赤字で記載されております、今般の規則改正に関連する事項は、2の足場での通常作業中の墜落・転落防止対策で、まず足場点検の確実な実施として、その日の作業の開始前及び足場の組立て等の後に、あらかじめ点検者を指名して点検させること、点検後は点検実施者の氏名を記録し、保存することが挙げられております。また、一側足場の使用範囲の明確化として、本足場の設置に十分なスペースがある場合には、本足場を使用することを原則とすることが挙げられています。
 2ページ目に戻りまして、この報告書の提言事項を受けた労働安全衛生規則改正案です。1の下の図にありますように、左側が足場板を支える柱が1本ずつ1列になっているものが一側足場で、真ん中の方の2本ずつになっているものは本足場ということです。
 1ですが、最初は一側足場の使用範囲の明確化で、本足場を使用するために十分幅のある場所、具体的には幅が1メートル以上の場所においては、本足場を使用するよう義務付けるものです。ただし、つり足場を使用するとき、又は障害物がある等の状況により、本足場を使用することが困難な場合は、この限りではないことといたします。
 2、足場の点検が確実に行われるようにするため、点検者をあらかじめ指名することを義務付けるものです。
 3、点検後に記録し、保存すべき事項に、点検者の氏名を追加するというものです。なお、足場の点検につきましては、事業者又は注文者に課せられた義務ですので、その点検の結果の安衛法上の責任は、事業者又は注文者が負うということになりますので、申し添えます。
 次に、4の施行日等ですが、公布は3月を予定しておりまして、施行は一側足場の使用範囲を令和6年4月1日、足場の点検者の指名、記録保存事項への点検者の氏名の追加は、令和5年10月1日とすることとしております。以上でございます。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について質問、御意見等がある方は、御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いします。中村委員、お願いします。
○中村(恭)委員 1件要望、1件質問です。1点目は、「一側足場の使用範囲の明確化」についてです。今回、幅が1メートル未満の場所については、本足場の使用は義務付けられていませんけれども、1メートル未満でも設置可能な本足場も多く販売されていると聞いています。安全確保のためには、可能な限り本足場を使用することが基本であると思います。設置可能であるならば、設置箇所の幅にとらわれず、本足場を使用することを推奨していくべきだと思います。少なくともこれを契機に、これまで1メートル未満の箇所で設置されていた本足場が、一側足場に置き替わることがないよう、しっかり周知をお願いします。
 2点目は質問です。足場の点検を行う際、点検者を指名することを義務付けることについてです。事業者又は注文者による点検との説明がありましたが、点検者には労働者は入らないという理解でよいのか確認させてください。以上です。
○城内分科会長 では、事務局からお願いします。
○安全課長 一側足場の使用の明確化の関係で、逆行しないようにという御指摘かと存じます。足場の作業床の幅というのは、40cm以上と定められているということもありますが、この1メートルと定めたことは、非常に大きな影響があると考えておりまして、それ以下の幅の所だと、それまで本足場を使っていたのが、一側足場に戻ることがないように、できるだけ可能な範囲で、可能な所では本足場を使用するようにしていきたいと考えております。
 それから、注文者と事業者の責任でというところは、ちょっと趣旨がよく分からなかったのですが、すみません。
○中村(恭)委員 「事業者又は注文者による足場の点検が確実に行われるようにするため、点検者をあらかじめ指名することを義務付けるもの」と書いてあります。点検するのはあくまでも事業者あるいは注文者であり、労働者が点検者になるということはないという理解でよいのか確認したく、質問です。
○安全課長 義務付けの措置義務の対象としては、事業者又は注文者でありますけれども、その事業者が労働者を指名して、点検するということで、点検の責任というのはあくまで事業者又は注文者にあるという理解です。
○中村(恭)委員 分かりました。労働者が点検者となる場合でも、労働者が法に違反したとして責任を負わされることはないという理解でよろしいですね。
○安全課長 はい、そうです。
○城内分科会長 続きまして勝野委員、お願いいたします。
○勝野委員 御説明ありがとうございます。今回の足場に関する墜落・転落防止措置の改正内容について、一側足場の使用範囲の明確化ですとか、点検の確実な実施等について御説明いただきました。この点については、今の中村委員の御質問を含めて了解をしたいと思っております。
 非常に足場の安全ということは、災害防止に向けて重要だと考えておりますが、大手の現場と比べて、住宅建設に関わる町場等々の小規模な現場では、なかなかこうした周知の広がりが遅い状況にありますので、できるだけ分かりやすい資料の作成による、周知の徹底を是非ともお願いしたいと思っています。以上です。
○城内分科会長 出口委員、お願いします。
○出口委員 墜落防止実務者会合での提言を受けた内容を反映している改正ということで賛成です。しかし、一側足場の使用範囲の明確化において、本足場を使用することが困難なときとはどのような場合か、ある程度明確にしておく必要があるのではないでしょうか。また、幅が1メートル以上の場所であっても、出窓等により、幅が1メートル以上確保できない場合もあります。本足場が困難なケースの具体例を示していただきたい。リーフレット等の作成があれば、示していただくようお願いいたします。意見、要望です。
○城内分科会長 事務局からお願いします。
○安全課長 勝野委員、御指摘ありがとうございます。できるだけ分かりやすい資料により、周知を図ってまいりたいと思います。
 それから、出口委員の御指摘もありがとうございます。御指摘のように出窓とか、本足場が組めないというような条件のときは、一側足場だということになろうかと思いますが、リーフレットや施行通達で、できるだけ明らかにできればと考えております。よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 そのほか御発言はございませんでしょうか。ありがとうございます。それでは、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いいたします。
 次に議題4、「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案等について(諮問及び報告)」に関して、事務局から説明をお願いします。
○化学物質対策課長 化学物質対策課長の安井と申します。私から資料4-2で御説明をさせていただきます。1ページめくっていただけますでしょうか。改正の趣旨です。まず、労働安全衛生法第14条において、一定の作業については、技能講習を修了した者のうちから、作業主任者を選任して、その者に労働者の指揮、あるいは設備の点検を行わせるということが義務付けられているわけです。令和2年の特化則の改正により、溶接ヒュームを含む特化物に係るものにつきましては、特化物の作業主任者の選任を義務付けられたところです。現在、当該講習の受講者の多くが、いわゆる金属アーク等溶接作業に従事する方々で、実際、取り扱う化学物質としては、溶接ヒュームだけであるにも関わらず、技能講習自体は特定化学物質及び四アルキル鉛に係る全ての物質について、講習を受講する必要があるということで、非常に受講者の負担が大きいということと、教える側も教えにくいということで、金属アーク溶接作業に限定した講習の新設が強く要望されているところです。こういったことを踏まえ、特化物の技能講習の講習科目のうち、金属アーク溶接等に係るものに限定した技能講習を新設いたしまして、金属アーク溶接等作業を行う場合につきましては、この講習を受講した者から、新たに新設する金属アーク溶接等作業主任者を選任することができるという趣旨の改正です。
 次のページが改正内容です。まず安衛則の改正といたしましては、作業主任者の選任に関して、資格及び名称を定めている別表がありますので、こちらにつきまして、金属アーク溶接等作業主任者に係るものを追加いたします。
 特化則につきましては、金属アーク溶接等作業につきましては、先ほど御説明した限定講習を修了した者のうちから、金属アーク溶接等作業主任者を選任することができるという、「できる規定」を置くということです。当然、「できる規定」ですので、引き続き特化物作業主任者が金属アーク溶接についても、作業主任者となることはもちろん可能です。それに伴い、作業主任者の職務、学科講習の科目等を定めるというところです。
 (3)は、登録省令の一部改正になりますが、こちらの登録教習機関の区分に、限定講習を追加するということです。
 登録教習機関に対する経過措置ということですが、施行されるときに、直ちに技能講習が開始できるように、施行の前においても登録の申請することができるとする経過措置を置く予定です。
 公布日につきましては、令和5年の3月下旬を予定しておりまして、施行日につきましては、令和6年1月1日を予定しています。
 次のページです。こちらは告示事項ですので、報告事項ですが、作業主任者の限定講習の規定の改正です。従来、講習科目につきましては、4つの講習科目があり、その講習科目について変更はありませんが、範囲についていずれも、溶接ヒュームに関するものに限定をするという趣旨です。これに伴い、健康障害及びその予防に関する知識については、全ての特化物を4時間かけて教えていたわけですが、こちらは溶接ヒュームに限定いたしますので、1時間にする予定です。
 作業環境の改善に関する知識ですが、こちらはいわゆる局所排気装置、プッシュプルであるとか、非常に多種多様なものが教えられておりましたが、溶接の場合につきましては全体換気のみですので、こういったものにつきまして、従来4時間あったものを2時間に短縮する予定です。保護具につきましては、基本的に同じものを使用するということですので、従来2時間のものを引き続き2時間という予定です。関係法令につきましても、適用される条文が大幅に減少いたしますので、従来2時間行っていたところを1時間ということで、従来12時間の合計のところを6時間にするという改正です。こちらの適用日は令和6年1月1日を予定しています。説明は以上です。
 
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について質問、意見等のある方は、御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。
○増田委員 御説明ありがとうございました。内容について異議等はありません。細かい点になりますが、金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習を修了した人が、次に特化物の作業主任者の講習を受ける場合は、一から受け直しになりますでしょうか。確認させていただければと思います。
○化学物質対策課長 御質問ありがとうございます。先ほど申し上げましたとおり、溶接ヒュームにかなり限定した講習になっておりますので、何らかの受講免除というのが難しいということで、溶接ヒュームを含めてもう一度受け直していただく必要があります。
○増田委員 分かりました。ありがとうございました。
○城内分科会長 そのほか御発言ありますでしょうか。ありがとうございました。それでは、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱については、妥当と認めることとして、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いします。
 続きまして、議題5、「ボイラー及び圧力容器安全規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」について、事務局から説明をお願いします。
○安全課長 安全課でございます。資料5-2を御覧ください。今般の改正に至った経緯を御説明したいと思います。最後の資料6ページ目にありますように、「成長戦略フォローアップ」に、事業者による自主的な検査の導入に向けた検討というものが盛り込まれたということ。それから、下の「規制改革・行政改革ホットライン」において、移動式圧力容器について機動的運用が阻害されている等の指摘がなされたことを受けまして、対応策を検討したものです。
 戻りまして、3ページを御覧ください。ボイラーや第一種圧力容器といった、特に危険な機械等は、特定機械等として検査に合格したものに検査証を交付して、検査証を受けていないもの、あるいは有効期限が切れたものは使用してはならないということとされております。有効期間の更新を受けるためには、登録された性能検査機関が行う性能検査を受けなければならないこととされているところですが、自主検査の基準を策定して、体制を整備して、高度な検査技術を有している事業者により高度な安全管理等が行われているボイラー等については、その事業者が登録性能検査機関に性能検査の実施を申請する際に、自らが行った自主検査の結果を提出することを認めまして、登録性能検査機関は提出された自主検査結果を活用して、同じ検査項目を重ねて確認することを不要とすることとしています。
 次に、移動式の第一種圧力容器に係る規定の整備についてです。資料の4ページ目を御覧ください。表になっておりますけれども、ボイラーと第一種圧力容器について、定置式のものと移動式のものを記載しております。定置式のものは、ボイラーは、図の炉筒煙管ボイラーのように工場等に置かれているものがあります。移動式のものは下にありますように、蒸気機関車に使われております。定置式の第一種圧力容器の例として、熱交換器を挙げておりますが、その下、現在、法令上は、移動式の第一種圧力容器はなく、運用で移動式ボイラーに準じた設置報告書等を提出してもらっているところです。
 製造から使用と廃止までの主な流れが、その右の方の列にありますけれども、定置式と移動式で異なっておりまして、その違いは、検査証が交付される時期になっております。定置式は、設置されて落成検査を受けてから労働基準監督署長が交付して、移動式は、構造検査等を受けてから登録製造時等検査機関又は都道府県労働局長が交付しております。
 下の四角の枠内にありますように、近年、3つ目の矢印の所ですが、ごみ処理施設で移動式の第一種圧力容器に該当する可搬式の装置が開発されておりまして、法令上の取扱いが必ずしも明確でないというような御指摘もあったことから、移動式ボイラーと同様の規定を整備することとしたものです。
 5ページ目を御覧ください。表の上が現行の移動式ボイラーに係る規定で、下が新たに規定する移動式第一種圧力容器についてです。移動式ボイラーに準じて定めているということです。
 2ページ目に戻っていただきます。諮問事項は2点ありまして、1つ目が、性能検査における自主的な検査結果の活用でして、高度な安全管理が行われていると監督署長が認めたボイラー等については、事業者が行った自主検査の結果を登録性能検査機関が性能検査の際に活用することにより、重ねての確認を不要といたします。このため、性能検査の申請の際に、自主検査の結果を提出できるようにするというものです。
 2つ目が、移動式第一種圧力容器に係る規定の整備ということで、これまで規定がなく、運用上、移動式ボイラーに準じて取り扱ってきた移動式の第一種圧力容器に係る規定を整備するというものです。
 3つ目、施行日等です。公布日は令和5年3月中旬を予定しておりまして、施行は令和5年4月1日とすることとしております。以上でございます。よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について、質問や意見等のある方は御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。門﨑委員、お願いいたします。
○門﨑委員 ボイラー及び圧力容器安全規則の一部改正省令案の諮問について異論はありません。1点要望と、1点確認です。1点目は、性能検査における自主検査結果の活用についてです。本件は、高度な安全管理を行っている事業者に対して、重複する検査項目の検査を免除しようとするものであり、考え方については、一定、理解するところであります。他方で、特定機械とは、改めて申し上げるまでもなく、特に危険な機械として指定されているものであり、ひとたび事故が起これば、従事する労働者が被災することはもちろんですけれども、公衆災害にもつながりかねません。危険性がある機械だから、特別な規制が設けられているところだと存じています。労働基準監督署長の認定に当たっては適切な運用に努めていただきたいと思います。
 2点目は、移動式第一種圧力容器に係る規定の整備についてです。2ページの下線の部分ですけれども、「これまで移動式ボイラーに準じることとしていた移動式第一種圧力容器の取扱いを、ボイラー及び圧力容器安全規則に明示的に規定するもの」と記載されています。本件はこれまでの運用を明文化したものであり、規制が緩和されるものではないという理解でよろしいか、改めて伺いたいと思います。以上です。
○安全課長 御指摘のように特定機械ですので、一たび事故が起こると、公衆にも影響が及ぶ大きな災害になりかねないということで、運用につきましては適切に行うように努めてまいりたいと考えております。
 2番目の御質問で、本件はあくまで、今まで運用上行っていたものを明文化したもので、規制を緩和するものではないというものですので、よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 そのほか御発言はありますでしょうか。ありがとうございます。それでは、ボイラー及び圧力容器安全規則の一部を改正する省令案要綱については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。それでは事務局で答申の手続をお願いします。
 次は議題6、「第14次労働災害防止計画(案)について(諮問)」に関して事務局から説明をお願いします。
○調査官 私から資料の説明をさせていただきます。お手元に資料6-2を御用意いただければと思います。資料6-2につきましては、資料6-1の諮問文に付いている計画本文と同じものではございますが、前回、御議論がありまして、修正させていただいた所に下線を引いておりますので、そこを中心に御説明させていただければと思います。
 資料6-2の7ページを御覧いただければと思います。前回、指標について、2つ御議論がございました。まず、熱中症のアウトプットの指標につきましては、暑さ指数の把握だけではなく、それを活用した事業場の取組を把握すべきではないかという御意見が、使側の委員からございましたので、そこを反映させていただきました。
 それから、7ページの一番下の所に、労側の委員から林業作業につきましては、発生率が高いことを踏まえまして、15%のみならず、それ以上を目指して頑張ってほしいという話と、それから、特に伐木作業はガイドラインの周知を含めて、まだまだ十分ではないので、そこを中心にやってほしいという御意見がありまして、指標にもその旨を書かせていただいているところです。
 10ページを御覧ください。こちらは前回の議論ではなくて、今回の行政の提案ということになりますけれども、参考資料6ということで、改めて皆様に、これまでの資料を再度お配りさせていただいておりますが、転倒災害につきましては、全ての産業で起きている中で、中高年労働者の方が、特に被災されているということですが、そのうち女性のほうが災害の発生率が高くなっているということがありまして、特に女性の中高年労働者がいらっしゃる事業場については、そういった転倒防止対策を頑張っていただきたいということでして、そういったメッセージが伝わるように、特に女性のほうで、けがをされているというところを追記させていただいたところです。
 12ページを御覧ください。下線は引いておりませんが、グラフを2枚追加しております。外国人労働者の災害状況です。こちらは分科会の後に、使側の委員からこういったものがあったほうが分かりやすいという御意見を頂きましたので、追加させていただいたところです。
 16ページを御覧ください。こちらは前回、労側の委員から過労死の大綱だけではなく、「自殺総合対策大綱」のほうにも職域の取組が記載されていて、そこについても言及したほうがいいという御助言を頂きましたので、追記させていただいたところです。
 21ページを御覧ください。先ほど説明しましたが、事務局からの提案ですけれども、転倒災害防止対策については、全ての事業場で取り組んでいただきたいのですけれども、特に中高年の女性労働者がいらっしゃる所では頑張ってほしいということで、中高年女性を中心にということで記載させていただいて、その他、本文のほうにもそういった女性労働者がいらっしゃる所については頑張ってほしいということで、修正させていただいたところです。
 23ページ、真ん中辺りですけれども、こちらも労側の委員から障害のある労働者の配慮、それから、外国人については、技能実習生も含め安全衛生対策を頑張ってほしいということでありまして、それについて言及させていただいたのが23ページです。
 最後、26ページ、先ほどもお話させていただきましたけれども、林業対策につきましては、災害の発生率が高いので内容をもう少し充実したほうがいいとのご意見があり、木材の伐出機械等の災害も増えているので、安全対策の徹底等を図る。それから、伐木作業のガイドラインについても、まだまだ周知は十分ではないので、そこについての更なる周知をということ。それから、自治体との労働災害の情報の共有、こちらもしっかりやってほしいということで、いずれも林業対策の所に、そういったものを書かせていただいたところです。前回の御意見を踏まえた修正箇所は以上になります。
 また、事前に委員に資料の御説明をさせていただいたときに、委員より、今、御覧になっているページもそうなのですが、4章の事業場の取組の表題の所、それぞれに「労働者の協力を得て」と記載している部分について、その趣旨について改めて確認したいという御質問がありましたので、あらかじめ回答させていただきたいと思います。
 皆様、御承知のとおり労働安全衛生法第3条の規定にありますように、事業者の責務として、事業者は、単にこの法律に定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけではなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならないということとされておりまして、労働者の災害防止につきましては、事業者の措置がもっとも重要であるとされているところです。
 一方で、職場の安全衛生は、その性質上、労働者自身も積極的に守るところは積極的に守る姿勢がなければ、なかなか万全とは言えないということもありまして、労働安全衛生法第4条においては、労働者の努力義務として、労働者は、労働災害を防止するために必要な事項を守るほか、事業者、その他、関係者が実施する労働災害防止に関する措置に協力するよう努めなければならないとされております。事業者が労働災害防止対策を実施するに当たり、労働者の協力を得ることを法令上の定める義務として事業者に課しているものはありませんが、事業者が労働者の協力を得ることで、より一層の安全衛生対策が進むことができると考えられますので、本計画では労働者の協力を得て、事業者が取り組むというような記述となっているところです。御質問に関する回答は、以上となりますけれども、事務局からの説明も以上となります。御審議のほど、よろしくお願いします。
○城内分科会長 ありがとうございます。本件について、質問や意見等のある方は御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。いかがでしょうか。山脇委員、お願いします。
○山脇委員 本分科会において、13次防の振り返りも含めると、計5回にわたって建設的な議論を行ってきました。事務局の方の御尽力もあり、これまでの議論が反映された計画案になったものと労働側として受け止めています。本14次防は、法令のみに縛られることなく、行政、労使がそれぞれの役割と責任に応じて、相互に協力しながら労働災害ゼロに向けて取り組んでいくための重要な計画、羅針盤であると理解しています。
 労働側としても、この14次防を踏まえつつ、労働災害ゼロに向けた労働安全衛生の取組を一層推進していきたいと考えています。行政には、あらゆる機会を通じて14次防の周知を行っていただきたいと思います。
 併せて、要望です。適宜、進捗状況を本分科会に報告いただくとともに、現在、議論が続いている「産業保健のあり方に関する検討会」での取りまとめなども踏まえて、本計画の見直しの要否についても本分科会に適宜、諮っていただきたく、要望として申し添えてます。以上です。
○城内分科会長 鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 山脇委員からお話がございましたとおり、諮問内容については、この間の各委員の多岐にわたる意見を反映いただいたものと受け止めており、賛成させていただきたいと思います。その上で、前回の分科会の繰り返しの部分もございますが、14次防への期待も込めまして、2点お話をさせていただきたいと思います。
 1点目は、計画のPDCAサイクルを回すことの重要性です。今般の計画ではアウトプット指標とアウトカム指標を新たに打ち出し、両者の因果関係も含めて評価を行う視点を盛り込んでいただきました。労働安全衛生分野におけるEBPM推進の第一歩であると私どもは受け止めているところです。以前の分科会で事務局から、専門家会合の設置も検討するというお話もありましたので、本計画の効果検証をしっかりと進めていただき、今後の改定につなげていただきたいと思います。
 2点目は、化学物質による健康障害防止対策の推進についてです。本年4月より化学物質の自律的管理に向けた改正法令が本格的に施行されます。前回も申し上げましたとおり、新たな制度の定着に向けて、義務対象ではない化学物質におけるラベル表示、SDS交付、リスクアセスメント実施の割合を飛躍的に高める必要があります。6ページでアウトプット指標に掲げた80%という数字は、義務化対象物質における実施割合をも上回る、非常にチャレンジングな水準であります。目標達成に向けて、政府には関係団体や事業者、特に中小、小規模事業者への強力な支援を重ねてお願いいたします。
 最後になりますが、今般の14次防の取組を通じて、職場における働き手の安全と健康の確保が一層進むことを期待するとともに、経済界といたしましても、14次防の周知と取組の呼び掛けを行ってまいる所存です。以上です。
 
○城内分科会長 ありがとうございました。勝野委員、お願いいたします。
○勝野委員 私も今、お二人の委員の方が御発言された趣旨と、ほぼ同じなのですが、今回の第14次防計画に関しては、多くの論議のもとにまとめられたものだと、このように理解しておりますので、最終的に出された計画については賛同するものであります。今回の計画を着実に進めていくためにも、改めて周知徹底が重要だと考えているわけですけれども、私どもの組織の中でも、この間、安全衛生対策の取組の一環としてこの計画の学習活動を進めてきたという経過があります。前回の13次防の際も、概要版のようなものを作成いただいて、それを基に学習活動をしてきたわけでありますが、今回についても、そうした概要版を作成する予定があるのかどうかという点と、もし、作成する予定があるとすれば、いつぐらいに発行いただけるのかということをお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 そのほかの御発言はございませんでしょうか。出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。先ほどの委員の方々と同意見でございます。建設業といたしましては、化学物質等による健康障害の現状と対策の方向性につきましては、ラベル表示、SDS交付、リスクアセスメントの実施率が高い水準ではないと認識しております。今後、自律的管理規制については施行を迎えますが、定着するまでは強い支援をお願いします。また、29ページの下から2行目に、業種別・作業別の化学物質ばく露防止対策マニュアル作成支援を行うと記載していただいております。建設業のマニュアル作成につきましても、既に取り組んでいただいておりますが、今後も継続した支援をよろしくお願いいたします。以上です。
○城内分科会長 ありがとうございました。そのほかの御発言はありますでしょうか。では、ここまでのところで、事務局からありましたらお願いします。
○調査官 様々な御意見、御助言等をありがとうございました。まずPDCA等につきましては、この5年のみならず、将来につながる大事なものでございますので、しっかりとさせていただきたいと思います。計画の8ページにもございますように、毎年、分科会のほうに御報告させていただくということで計画を書いておりますので、その旨で頑張っていきたいと思います。
 また、周知に関して御協力等ありがとうございました。御質問がありました、今日、答申を頂いた場合に、官報掲載は来月ぐらいになりますけれども、計画の内容自体は我々のほうでも、早々に周知等を始めていきたいと思っています。その中で、講演等で活用できるようなパワーポイントの資料のようなものは、できれば年度中に作成して、ホームページに公表等をして、皆さんに御活用できるような形で進めていきたいと考えております。また、個別対策等、御助言を頂きました部分につきましても、運用の中でしっかりやらせていただきたいと思います。どうも御意見ありがとうございました。
○城内分科会長 そのほかの御発言はございませんでしょうか。ありがとうございます。それでは、第14次労働災害防止計画(案)については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
                   (異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。順調に審議が進みました。それでは、事務局で答申の手続をお願いします。これで、全ての議題を終了しました。本日も熱心に御議論いただき、ありがとうございました。本日の分科会はこれで終了いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。