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円高・円安がもたらす日本経済への影響

公開日2018/11/29 更新日2018/11/29

エコノミストや投資家の間では、来年は、「円高・ドル安に向かうだろ」というのが、大方の予想になっているようですが、円高や円安が、日本経済にどのような影響が及ぶことになるのか、理解できていますか?

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今回は、今さら聞けない「円高・円安」の基本を解説いたします。


需給関係によって変動する為替相場

日本の“円”、アメリカの“ドル”のように、世界にはそれぞれの国に固有の通貨があります。そのため、海外と売買するためには、取引国の通貨に換える必要があります。その際の交換比率を為替相場と言い、為替相場は需給関係によって変動します。

外国の通貨に対して円の価値が上がると“円高”となり、逆に円の価値が下がると“円安”となります。たとえば1ドル=100円という為替相場であれば、1万円のものは100ドルで買えますが、1ドル=80円となれば125ドルとなります。

ですから、円高では、輸入関連業者が儲かり、円安では輸出関連業者が儲かるという図式になります。


円高のメリット・デメリット

円高のメリットは、輸入品が割安となり、購買意欲を刺激することから経済の活性化につながる点です。また、海外の投資資金の流入も盛んになり、債権や株価を押し上げることになります。

一方、デメリットは、輸出製品が値上がりするため、日本製品の国際競争力の低下につながるほか、外貨建ての資産が目減りする点にあります。特に、輸出大国として経済成長を遂げてきた日本にとっては、大きな打撃になります。


円安のメリット・デメリット

円安のメリットは、なんといっても輸出製品の価格が下がることで、輸出産業が好調となることです。また、外貨建ての資産価値も高くなります。

デメリットは、輸入価格の上昇です。エネルギーや原材料を輸入に頼る企業にとっては、円安が進むとコストがアップし、採算が悪化します。

しかも、その影響は輸入業者だけにとどまりません。電気やガス、灯油、ガソリンといった生活基盤にかかわるエネルギーから、食料品などにも、その影響が及んできます。また、集まっていた外国からの投資マネーも海外流出し、債券や株価の下落にもつながります。


為替相場を決めるさまざまな複雑要因

為替相場は、経済動向をあらわす指標でもありますから、ニュースでも毎日、東京外国為替市場の円相場について報じられています。円と外貨との交換比率は、日々刻々と変動しています。

円を外貨に換える需要よりも、外貨を円に換える需要が多ければ、円が買われ外貨が売られることで「円高」が進行し、その逆となれば「円安」となります。

ただ、為替相場の変動には、単純に外貨の需給関係だけではなく、各国の景気動向や金利、物価、国家財政状況、政治情勢、さらに投資マネーの流入など、さまざまな要因が複雑にからんできます。そのため、専門家でもなかなか予想をたてることが難しいものです。


来年は本当に円高・ドル安に進むのか?

今年11月のアメリカ中間選挙の結果は、株価をはじめ為替相場にも大きな影響を及ぼしそうです。アメリカ中間選挙は、いわば、トランプ大統領の実績を問う選挙でもありました。そこで上院と下院で“ねじれ”が生じる結果になったことで、今後円高・ドル安に向かうのではないかとみられています。

さらに、米中貿易戦争による世界景気悪化への懸念、サウジアラビアのジャーナリスト殺人事件の影響など、不安材料が多くあります。

円安による輸出業者のプラスと、円高による輸入業者のプラスが、バランスを保っていれば問題はありませんが、どちらも行き過ぎは大きなマイナスとなります。

財務担当などの管理部門はもちろん、経営陣にとっては、為替の動向から目が離せない日が続きそうです。

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