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あえて不便な場所に出店する「バッドロケーション戦略」とは?

公開日2023/06/07 更新日2023/06/08


もし、友人から「店を出そうと思うが、どんな場所がいいだろう」と相談されたら、ほとんどの人は人通りの多い駅前や、にぎやかな商店街に出店することをすすめるのではないでしょうか。しかし、それとは真逆の、あえて不便な場所に出店する「バッドロケーション戦略」がいま注目を集めています。どのような戦略なのでしょうか。


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長蛇の列をつくる人里離れた場所の飲食店

飲食店などを新規出店しても、店に多くの客が訪れなければ営業は成り立ちません。どんなに店構えが立派でも、おいしいメニューを用意しても、客が来なければ営業を続けることはできないでしょう。


集客が期待できる立地条件が重要と考えるのは、経営コンサルタントなどの専門家ではなく素人でもアドバイスできる、いわば新規出店のセオリーでもあります。


しかし、最近のテレビのグルメ番組でよく目にするのは、人里離れた山奥や畑の中にある店の前に、開店前から長い行列をつくっている、少し前までは想像すらできなかった不思議な光景です。


あえて不便な場所を選ぶ理由とは?

そんな光景を目にすると、「誰が、何のために、こんな場所で」と、思わずつぶやいてしまいそうですが、あえて不便な場所に出店するのが、「バッドロケーション戦略」です。


不便なアクセスや人通りさえほとんどない、まさに出店する条件としては最悪の場所をあえて選び、東京や大阪などでおよそ100施設を展開しているのが、佐藤裕久会長率いる「バルニバービ」で、次々と人気店を生み出しています。


バルニバービの「バッドロケーション戦略」では、ただ飲食店を出店するだけでなく、飲食店を核にしたまちづくりに取り組み、エリア全体の魅力を高めることに力を入れています。


まちづくりにかかわることでエリアの魅力をアップ

たとえば、4年前に淡路島にオープンした「GARB COSTA ORANGE」は、付近に商業施設など何もなかった辺ぴな場所でしたが、いまでは神戸や大阪などから年間15万人ほどが訪れる人気レストランとなっています。


地元・淡路のチーズを用いたピザに、瀬戸内で採れた新鮮な魚介を使ったパスタなどが評判で、夕暮れになると瀬戸内海に沈む夕日を眺めながら、テラス席で食事を楽しめるのも大きな魅力となっています。


しかし、このレストラン1軒だけでは、ここまで繁盛することはなかったでしょう。海沿いにリゾートホテルや住民の交流拠点など17施設を開設したことで、他社の飲食店の進出も増え、エリアとしての魅力がアップしたことが、人気が高くなった要因といえるでしょう。


無から有を生み出すバッドロケーション戦略

バルニバービの戦略は、飲食店を運営するだけでなく、飲食を通じて開発エリアの不動産価値を高め、土地の売却や賃貸物件の管理なども手がけることで、都心で運営するより利益が出る構造をつくりあげることです。


この「バッドロケーション戦略」は、新しい戦略に思えますが、実は鉄道会社が沿線の駅を中心に、スーパーなどの大型商業施設や、団地開発などのまちづくりを進めてきた手法に通ずるものがあります。


あえて不便な場所に飲食店をオープンし、その飲食店を核にまちづくりにかかわることで無から有を生み出す「バッドロケーション戦略」は、あらゆる分野で応用できる戦略かもしれません。


まとめ

飲食店の経営は、利用する客がいなければ成り立ちません。そのため、人が集まる駅前や商店街に出店することが、これまでの絶対条件でした。しかし、人がいないのであれば、人が集まるような魅力をつくろうというのが、「バッドロケーション戦略」の肝となっているようです。


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