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パパの産後うつを防ぐため、人事が取り組むべき産後パパ育休制度とは?

公開日2024/09/06 更新日2024/09/05 ブックマーク数2

パパの産後うつを防ぐため、人事が取り組むべき産後パパ育休制度とは?

仕事と子育ての両立は、現代社会の大きな課題の1つです。とくに働く女性にとって、出産と育児は非常に負担が大きく、精神的・身体的な不調を来す場合もあります。

ところが最近の研究により、男性にも「産後うつ」の症状が現れることが明らかになりました。しかも女性とほぼ同じ割合で、産後うつになる可能性があるというのです。

これを防ぐための取り組みとして、2022年から「産後パパ育休」制度がスタートしました。その仕組みと取得方法を、ここからわかりやすく解説します。

パパの産後うつとは?

妊娠と出産を経て、育児を始めた母親を悩ませる産後うつ。その原因の1つは、周囲に頼れる人がいない孤立感だといわれています。ところが状況は父親も同様であり、夫婦だけで一生懸命子育てをするうちに、いわゆるパパの産後うつを発症するリスクがあるのです。

父親になる年代の男性は職場を支える世代でもあり、一方では家族を守らなければなりません。そのプレッシャーとストレスが産後うつの引き金になり、精神的・身体的な不調を引き起こすことが分かってきました。これは本人にとっても一大事であり、雇用する企業にとっても深刻な問題です。

産後パパ育休とは?

厚生労働省が2023年に調査した結果によると、男性の育休取得率は46.2%であり、取得日数の平均は46.5日でした。政府による各種制度の推進もあって、一定の成果につながっているといえるでしょう。

出典:「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」厚生労働省

しかしパパの産後うつなどの問題もあり、育児休業制度をさらに柔軟化する必要が生じたため、改正育児・介護休業法により、2022年10月1日から産後パパ育休制度が施行されました。この制度では育休とは別に、子どもの出生後8週間以内なら最大で4週間までの休暇を取得できます。

また、改正により育児休業については子どもが1歳になるまでに、分割して2回取得が可能になりました。さらに、パパママ育休制度を利用すると、夫婦がタイミングをずらすことで、子どもが1歳2カ月になるまで休業を延長できます。

産後パパ育休はこれらの制度にプラスして、子どもの出生直後に短期的な休業期間を設けることで、父親も柔軟に育児に参加できるようにする制度です。育児休業制度の自由度が高まるといってもよいでしょう。

さらに育休とパパママ育休は原則的に就業不可ですが、産後パパ育休では休業中の就業も可能です。

産後パパ育休を取得するためには

産後パパ育休を利用する本人は、「(出生時)育児休業申出書」を2週間前までに会社に提出する必要があります。申出書の書式は、厚生労働省のホームページに掲載されているほか、各種サービスのサイトからもテンプレートをダウンロードできます。

(出生時)育児休業申出書|厚生労働省ホームページ

申出書には休業の期間、分割取得の有無や休業中の就労などについて記載します。就労する場合は労使協定の締結が必要で、決められた条件に従わなければなりません。育休とパパママ育休も利用する場合は、別に申請してから取得する必要があります。

産後パパ育休について人事労務担当がすべきこと

産後パパ育休制度を利用するためには、会社全体で対応しなければなりません。まず就業規則を見直して、育休に関連する絶対的記載事項を改定する必要があります。同時に全社員に対して書面や面談での周知を徹底し、対象になる社員の意向を確認します。周知事項は主に以下の4項目です。

・制度の概要について
・制度利用の申出先
・育児休業給付の扱い
・社会保険の扱い

また、制度がスムーズに実施できる体制づくりも重要です。厚生労働省の指針では、産後パパ育休に関する研修の実施、相談窓口の設置、取得事例の収集と提供などの実践を促しています。人事部門を中心にした、実務的な制度運用の仕組みづくりが求められるでしょう。

実際に産後パパ育休を利用するときには、社会保険料の本人負担分と会社負担分が免除になる場合があります。さらに条件を満たせば、社員は出生時育休給付金を受け取れます。こうした手続きや申請は、人事や総務担当者が責任をもって実施しなければなりません。

もう1つ重要なことは、社員が周囲に気がねなく産後パパ育休を取得できる環境づくりです。職場の雰囲気で、育休取得を言い出せないという状況を防ぐためにも、普段から育休に対する意識を高めておく必要があるでしょう。

厚生労働省では、社内研修用資料や動画、事例紹介資料や周知用ポスターなどを提供しているので、積極的に活用することをおすすめします。制度について相談したい場合には、都道府県の労働局が相談窓口になっています。

まとめ

子どもの出生直後の時期は、母親も父親も生活環境が大きく変化します。このタイミングで柔軟に産後パパ育休を取得できることは、家族全体の健康と生活を守るうえで大きなメリットになるでしょう。

産後パパ育休の創設により、育児休業制度全体の柔軟性が高まりました。パパの産後うつなどで社員が体調を崩してしまうと、会社にとっても多大なダメージが生じます。それを防ぐためにも、育休制度のスムーズな運用体制の構築が求められます。


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