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ビジネスに不可欠なツールであるパソコン。文書をまとめる、表計算ソフトに入力する、クライアントとのコミュニケーションを図るなど、業務において様々な利用をしているのではないでしょうか。
しかし、PCを長時間利用するゆえに、日頃から眼精疲労やドライアイに悩まされている人が少なくありません。目の疲れをそのままにしながらパソコン作業を続けていると、目だけでなく肩こりや腰痛、頭痛といった体のあちこちに不調を起こす可能性が高くなります。
ここでは、長時間パソコンを使い続ける問題点と、PC長時間利用者が日頃取り入れたい目の疲労対策についてご紹介します。
日本で本格的にパソコンが業務に取り入れられるようになったのは1980年代のことです。VDT(Visual Display Terminals)作業と呼ばれる新たな労働が加わったことで、当時からさまざまな健康への影響が指摘されていました。
一般にVDT作業とは、パソコンのモニタディスプレイやキーボード、マウス入力を通じてデジタル処理を行うことをいいます。現代のビジネスパーソンは、日頃からパソコンで文字を打ったり、計算をしたり、メールチェックをしたりすることが、仕事に欠かせない作業になっているはずです。
こうしたVDT作業は飛躍的に業務効率をアップさせた反面、長時間利用することで肉体や精神的な疲労が蓄積しやすいことがわかっています。
とくに、非常に明るいディスプレイを至近距離で見続けると、目の疲れや痛み、かすみ目やぼやけ、ドライアイ、視力低下など、目そのものに不快な症状が現れます。さらに、眼精疲労から肩こりや腕の痛み、だるさをはじめ、頭痛や腕・手指のしびれといった肉体疲労が強まったり、イライラや不安感の原因になったりします。
それでは仕事で長時間PC作業が続いて目の疲れを感じているとき、どのような対策をすれば良いのでしょうか。
それには、作業環境を整えることに加え、作業時間に関する工夫も大切です。
室内は明るい照明にすることが大切ですが、まぶしすぎるのはいけません。また、作業机周辺のライティングに明暗がでないように天井照明とデスクライトを併用するなどしましょう。
ディスプレイは見上げないように、視線が斜め下を向くような角度に据え置きます。画面と目の距離は40センチ以上離すことがポイントです。
照明の光は画面に反射しないように注意します。できれば、反射防止型のディスプレイや液晶保護シートを使用しましょう。さらに、窓から入る直射日光に気をつけて、ブラインドを活用することが大切です。
作業者の身体的負担を軽減するため、適切にエアコンを使って温度管理をします。
ドライアイ対策のため、エアコンの風が直接体や目に当たらないように工夫することも必要です。また、室内の乾燥に注意して、とくに冬場は加湿器を使用するなど湿度管理を心がけましょう。
背もたれのあるイスに座りましょう。イスに深く腰掛けて、背もたれを使って猫背にならないよう姿勢を正します。
何より、1日のトータルの作業時間を減らす努力が必要です。ただ、現実的には難しい部分もあるでしょうから、PC作業の連続時間が長すぎないように、適度な休憩を入れましょう。
1時間ごとに席を立ってディスプレイから目を離す、30分に一度は1分程度目をつぶって目を休めるというように、液晶画面を見続けないことが大切です。
作業時間管理でおすすめなのは、パソコンやスマートフォンのアラーム機能を使うことです。30分単位、1時間単位でアラーム設定しておき、時間が来たらPC作業を中断して休憩を挟むようにします。時計を見ながらの休憩では、ついつい時間を忘れて作業を続けてしまうおそれがあるので、アラームの活用がベターです。
VDT作業を長時間続ける労働者には、厚生労働省によるガイドラインによってVDT健診が推奨されています。
ただ、現代のビジネスシーンのようにパソコンやスマートフォンの利用が労働時間に溶け込んでいる場合、自身で定期的に眼科検診を受けておくのがおすすめです。
とくに日頃から眼精疲労やドライアイに悩んでいて市販の目薬をよく使っている人は、眼科的な病気が潜んでいないか眼科でチェックしてもらってください。症状に合わせて点眼薬の処方やコンタクトレンズの使用制限など、専門医から適切な診療が行われます。
とくに、疲れ目が何日も続いて一向に改善しない、乾き目がひどく涙が増えたり目がしみたりといった症状が強まっている人は要注意です。
連続してのPC作業をやめて、適度に休憩を挟んで目を休めるだけでも、疲れ目や眼精疲労の改善に役立ちます。仕事によっては長時間のPC作業から逃れられない人も多いでしょうが、ぜひ作業環境や作業時間の改善を一つずつ行っていきましょう。もし症状が辛いようなら、眼科受診を考えてみてください。
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