公開日 /-create_datetime-/
2018年12月末時点で、日本に在留する外国人は約273万人です。入管法改正により、新たな在留資格(特定技能)が設けられたことで、在留外国人数は今後も増加することが見込まれています。
金融庁は、外国人の受け入れ先企業などへ向けた、外国人が金融サービスを利用する上で知っておくべき事項のパンフレットを公開しています。
外国人が、日本で安心して働き続けていくためには、日本のルールや習慣を正確に伝えていくことが必要です。なかでも、金融サービスの利用は、生活していく上で欠かせないものの一つでしょう。
たとえば、電気やガス、水道などの各種公共料金や、電話、インターネットなどの通信料金は、預貯金口座からの自動引落を利用することが便利なことは言うまでもありません。
また、外国人労働者の多くは、自国の親兄弟への送金を目的に働いています。銀行を利用することで、ほとんどの国に送金することができますが、安い手数料で海外送金が可能な、金融庁の登録を受けた資金移動業者を使うこともできます。もっとも、手数料が安い分、一部の国にしか送金ができないのですが、こうした情報は、雇い入れる側でも知っておく必要があるでしょう。
便利な金融サービスを利用するためには、預金口座を開設しなければなりませんが、日本に不慣れな外国人にとっては、言葉の問題や手続き方法が分からないといったことから、預貯金口座の開設が難しいことも十分考えられます。
たとえば、外国人が預貯金口座を開設する際には、本人確認書類(在留カード、社員証、学生証)や印鑑が必要になりますが、印鑑をつくる方法が、外国人にとってはよく分からないようです。そのため、受け入れる側が、金融機関で預貯金口座を開設する際には、同行してサポートするといったことも、慣れない日本で安心して働いていくためには大切になるでしょう。
意外に見過ごされがちなのが、住所が変わったときの、金融機関での住所変更届です。また、在留期限、在留資格が変わったとき、退職・退学をしたときも、手続きが必要となります。たとえばキャッシュカードを紛失し、新しいキャッシュカードの発行手続きを行っても、金融機関に届け出ている住所と現住所が異なっていると、郵送で受け取ることができなくなります。
そして、もっとも大切なのは、帰国することになった場合です。帰国し、金融機関口座を利用することがなくなる場合は、預貯金口座を解約することを進言しましょう。
ただし、再入国するなどの予定がある場合は、引き続き預貯金口座を利用することも考えられるため、金融機関に相談してみることをおすすめします。いずれにしても、外国人が帰国することが決まったら、担当者は、預貯金口座や預金通帳、キャッシュカードの売却といった犯罪を防止するためにも、金融機関に連絡するようにしましょう。
帰国する外国人が、小遣い稼ぎのために預貯金口座を売却するという事例が多発していますが、これは重大な犯罪です。外国人が売却した預貯金口座は、振り込め詐欺などに悪用されることにもなりかねません。
ただ、人によっては、自分が使っていた預貯金口座を売り渡すことが犯罪行為である、という意識は薄いようですので、重大犯罪であることを理解させることが犯罪を未然に防ぐことにつながります。
そのほかにも、地下銀行やヤミ金融の利用、マネー・ローンダリングへの関与、偽造クレジットカードや偽造キャッシュカードの使用など、外国人による金融犯罪も増えています。法令による処罰や、国外退去処分などの対象となることもありますので、雇い入れる側は、充分に注意しておく必要があるでしょう。
人手不足が深刻な日本にとって、外国人は貴重な戦力です。ただし、雇う方も雇われる方も、安心できる環境をつくりあげていくためには、乗り越えなければならないハードルがたくさんありそうです。総務・労務担当者は、外国人が金融サービスを利用する上で知っておくべき事項が盛り込まれたパンフレットに目を通し、サポート体制を整えるようにしましょう。
関連記事1:外国人を積極的に活用している企業の戦略と施策
【面接対策】ハイスキルエンジニア学生を惹きつける!必見の面談テクニック!
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
未来への備え:物流業界の2024年問題と企業の対策
転勤手配を楽にしたい! 『賢く転勤手配サービスを選択するポイント』
産業医が語る!リモートワークによる従業員の健康被害リスクと、その対応方法
【管理部門・士業の実態調査】2024年度の給与アップと人事評価の実態とは?
2024年版中小企業白書・小規模企業白書が閣議決定されました など|5月6日~5月12日官公庁お知らせまとめ
【会計】継続企業・後発事象の調査研究の位置づけ、検討─ASBJ 旬刊『経理情報』2024年5月10日・20日合併号(通巻No.1710 )情報ダイジェスト/会計
【上場準備中の企業向け】公認会計士と学ぶ!上場準備の落とし穴
「子育て世帯」の世帯年収・中央値は?管理部門・士業の「子育て世帯のお金事情」実態調査【2024年】
管理部門職種別 面接質問集【MS-Japan】
契約ライフサイクルマネジメント(CLM)ソリューションの導入に向けて
資金繰り・キャッシュフロー改善にも貢献 BtoB後払い決済・請求代行が生み出すメリット
OFFICE DE YASAI 導入事例
社員と会社の両方が幸せになる生活サポートとは?
転職活動時のあるある特集
「サービス産業動向調査」2024年(令和6年)2月分(速報) など|4月29日~5月5日官公庁お知らせまとめ
最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業 など|4月22日~4月28日官公庁お知らせまとめ
管理部門・士業に聞いた「転職活動で使用するサービス」実態調査2024
【会計】ステップ4の貸付金関連の手数料の取扱い、検討─ASBJ、金融商品専門委 旬刊『経理情報』2024年5月1日号(通巻No.1709)情報ダイジェスト/会計
公開日 /-create_datetime-/