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2019年6月19日、法科大学院改革の関連法が参院本会議で可決、成立しました。
大学法学部と法科大学院を計5年で修了する「法曹コース」を新設し、1年間の司法修習期間を含め最短6年で法曹資格を得られるようになります。
現行は8年弱かかっていたものが2年短縮されますので、法曹を志す人の時間的・経済的な負担が大きく軽減されることとなります。
ここでは、法曹コース制度の概要、およびその背景とメリットについて見ていきましょう。
法曹コースとは、大学の法学部で3年間、法科大学院で2年間の一貫教育を行うことにより、最短5年間で司法試験の合格をめざす、法曹養成のための新制度です。
2019年に法学部へ入学した人が2年次になる2020年度からスタートする方向です。
従来の制度で法学部から法科大学院へ進んだ場合、法学部で4年、法科大学院で2年、司法試験の受験準備で1年と、学部入学から司法試験の受験まで最短でも7年がかかります。
それに対して法曹コースでは、必要な単位数を取得していれば最終学年で司法試験を受けられるようになりますので、最短5年で司法試験が受験できます。
法曹コースは大学の法学部に設置されます。
設置のためには、法学部と法科大学院とが教育課程の編成や大学院への選抜方法などについて協定を結び、文部科学省の認定を受けることが条件です。
法曹コースが設置されると、法曹コースの入学者は法学部を3年で卒業できます。
また、法科大学院へは、学部での成績を中心に面接なども行って選抜する「特別選抜」によって入学することができます。
法曹コースの卒業生は、大学と協定を結んでいる法科大学院のほか、協定を結んでいない法科大学院へ進学することもできます。
また、法曹コースを3年で卒業できずに4年で卒業した場合にも、特別選抜で法科大学院へ進学することは可能です。
法科大学院が特別選抜で受け入れる学生の定員は、法科大学院の定員の2分の1までとされています。
残りの2分の1は、法律基本科目の論文試験を行う「一般選抜」により、法曹コース以外の学生も受け入れることとなります。
法曹コースの制度化をにらみ、法科大学院の募集を停止した大学と法科大学院とのあいだの協定に向けた動きも活発化しています。
すでに、以下の大学と法科大学院とが、協定に向けた協議をスタートさせています。
・明治学院大学法学部 …早稲田大学法科大学院
・新潟大学法学部 …早稲田・慶應・中央・東北・神戸大学の各法科大学院
・信州大学経法学部 …早稲田大学法科大学院
・熊本大学法学部 …九州・神戸・中央・早稲田大学の各法科大学院
・鹿児島大学法文学部 …中央・神戸大学の各法科大学院
法曹コース制度が新設された背景としてあげられるのは、
・法科大学院の司法試験合格率が低迷している
・法曹資格を取得するまでの時間的・経済的負担が大きい
を原因とし、法科大学院への志願者が大きく減少していることです。
法学部で4年、法科大学院で2年、司法試験受験準備で1年の計7年をかけて司法試験を受験しても、合格率は25%足らずです。
司法試験を受けるまでの学費や生活費、機会損失などの経済的な負担は非常に大きいにもかかわらず、司法試験に合格できないかもしれない。
それでは、法科大学院の志願者が減るのも当然のことだといえるでしょう。
近年では、優秀な学生は法科大学院に進学せずに、予備試験を受験することにより司法試験をめざすようになっているといわれます。
法科大学院が導入されたのは、法曹の養成には単なる受験テクニックではなく、実務にしっかりと生かせる実践的な教育が必要だ、というのがそもそもの趣旨でした。
ところがその法科大学院は、志願者が減ったことにより、多くの大学が募集を停止することとなっています。
新制度である法曹コースは、法曹資格を取得するまでの時間的・経済的負担を減らすことにより、法科大学院の低迷にくさびを打ち込もうとするものです。
法曹コースが制度化されることのメリットは、従来と比較して早期に法曹資格が得られることです。
従来は、司法試験を受験するまでに最短7年、司法修習を含めれば、法曹資格を得るまでに最短8年の期間がかかっていました。
これが、
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