国内最大級の管理部門と士業の専門サイト
探す
Search
読む
Read
学ぶ
Learn
もらえる!
Present!
ホーム
キャリア
※本記事は「トラブル防止のために経理・総務担当者が知っておきたい 「データ」のバックアップとセキュリティーの基本知識(前編)」の続きとなります。まだ読まれていない方は前編からお読みください。
バックアップはこうして行なう
次に、実際にバックアップをどうやって行なうのか、具体的な取り組みについて確認しておきましょう。
(1)データを失わないためのバックアップ
データを失わないための物理的なバックアップは、次のステップに従って行ないます。すでに何らかのバックアップを行なっている場合でも、現状の「データ」バックアップに足りないことがないかを確認してください。
1.バックアップ方法について理解する
まずはバックアップの方法にはどんなものがあるのか確認しておきましょう。
a.「データ」のバックアップと「システム」のバックアップ今回は「データ」のバックアップについて確認していますが、バックアップにはもう1つ「システム」のバックアップもあります。「システム」のバックアップはどういものかというと、1つ1つのデータではなく、パソコン全体のバックアップのことです。パソコンが壊れた場合でも、パソコンそのものの状態を「システム」のバックアップから復旧することができます。
一方で「データ」のバックアップというと、ExcelやWordなどのファイル1つ1つを別の場所に保存しておき、いざという時にそのデータを元に戻すことができるようにしてことです。
b.バックアップデータの保存場所バックアップデータをどこに保存するかについても、選択肢があります。CD-RやDVD-R、USBメモリー、外付けハードディスク、NAS(ネットワーク接続ハードディスク)、サーバー、クラウドストレージ(インターネット上のデータ保存領域)など。それぞれの特徴を整理すると図表2のようになります。
c.バックアップの取り方にも種類がある 「データ」のバックアップの取り方にも種類があります。 代表的な例が、フルバックアップといって、ある時点のデータを毎回全て複製する方法です。ある時点のデータを全て別の場所に保存するので、バックアップするデータ容量が大きくなり、バックアップを取るための時間も掛かります。けれど、データを復旧する場合には、いつの時点のデータかを確認して復旧すればいいので、復旧方法が簡単というメリットがあります。 次に、差分バックアップや増分バックアップという方法もあります。前回行なったバックアップのデータから変更、追加のあったデータのみをバックアップするという方法です。フルバックアップのように毎回全てのデータをバックアップするわけでないので、バックアップの時間は短くて済みます。 どのバックアップ方法を採用するかは、対象となるデータの容量や保存場所などによって決めることになります。
d.バックアップ以外のデータを保護する方法 バックアップ以外にも会社の大切なデータを保護する方法があります。 データを保護する方法の代表的なものは「ミラーリング」と「履歴管理ソフトの利用」の2つです。
「ミラーリング」とはデータを保存するハードディスクを2台つなげて、1台のハードディスクにあるデータをもう1台のハードディスクにリアルタイムに保存する方法です。「ミラーリング」であれば、常に2台以上のハードディスクにデータが更新されていくので、1台のハードディスクが壊れたとしても、もう1台のハードディスクに最新のデータが残っており、すぐに業務を続けることができます。 「履歴管理ソフト」を利用すると、ExcelやWordなどのファイルを変更する度に、自動で変更内容を記録してくれます。個別のデータファイルを誤って修正した、削除した、といった時にすぐにデータを復旧することができます。 「データ」のバックアップだけでなく、「ミラーリング」「履歴管理ソフトの利用」を上手く組み合わせることも考えておきましょう。
次ページ バックアップを取る対象を決める
2.バックアップを取る対象データを決める
次にバックアップを取る対象データを決めます。 会社にあるデータは、社員が共有しているサーバーの中にもあれば個人が使用しているパソコンの中にもあります。個人が使用しているパソコンの中のデータまでは管理できないことが多いので、業務に必要なデータは必ず共有しているサーバーなどに保存するといった最低限のルールが必要です。 その上で、バックアップを取る対象データを決めていきましょう。
3.具体的なバックアップ方法を決める
次に具体的なバックアップ方法を決めていきます。 バックアップ方法やバックアップを取る場所によって、掛かるコストや手間が変わってきます。手動でパソコンの操作をするのか、ソフトやシステムを導入して自動でバックアップするのか、外付けのハードディスクやネットワーク接続ハードディスク、サーバーを設置するのか、どういった組み合わせにするかで大きく変わります。 バックアップを取る対象のデータの中でも、重要度や緊急性を考慮してバックアップ方法を決めていく必要があります。 さらに、バックアップを取るとなると、どんな頻度でバックアップを取るか、いつの時点まで遡ってバックアップデータを復旧できるようにするか、という時間軸でもバックアップ方法を考えましょう。
4.バックアップデータの復旧方法を確認する
データの紛失や破損が起きたときに備えて、バックアップデータの復旧方法も確認するようにしておいてください。せっかくデータのバックアップを取っているにもかかわらず、そのデータを復旧することができなければ意味がありません。 バックアップの仕組みができれば、データを復旧するテストを行ない、いつでも復旧作業ができるようにしておきましょう。
次ページ 誰が見ても何がどこにあるか分かるようにするバックアップ
(2)誰が見ても何がどこにあるか分かるようにするバックアップ
会社の大切なデータをバックアップする仕組みを用意するだけでなく、バックアップの仕組みを社内の必要メンバーに周知することも必要です。 そのためにも、組織図を元に誰が「データ」のバックアップについて把握すべきか、まずは経営者や上司に確認しましょう。 さらにバックアップを取る手順、バックアップデータから復旧する手順を記したマニュアルを用意することや会社のデータに関するフォルダやファイルの作成方法や名前の付け方のルールなどを進めていくとよいでしょう。 なお、バックアップデータの中には会社の重要データも含まれており、経営者や一部の社員しか見てはいけないものもあります。 バックアップデータを扱うメンバーを限定するなど、セキュリティに配慮した環境作りが欠かせません。また、バックアップされた会社の重要データが外部に流出することのないような仕組み作り、ルールの制定や社員への周知を怠らないようにしましょう。
バックアップの基本的な考え方と手順を見てきましたが、いかがでしたでしょうか? もし、あなたの会社でまだバックアップへの取り組みができていない、もしくは不十分だということであれば、今から取り組んでいきましょう。
バックアップデータの価値を考えると経理・総務担当者、個人だけで考えるのではなく、経営者やITシステムの担当者を巻き込んでいくことが大切です。経理・総務担当者にとって大切なことは、「データ」のバックアップの具体的な仕組みを作ることよりも、「データ」のバックアップの重要性を経営者や上司、従業員に伝えることです。 そして、「データ」のバックアップに関する具体的な仕組み作りは社内のITシステム担当者や外部の専門家の力を借りるようしてください。経営者や上司に、「データ」バックアップの重要性を伝え、必要なメンバーの選定や予算の確保を行った上で「データ」バックアップの環境作りを進めましょう。 会社として、「データ」バックアップが万全にできており、データの紛失や破損による損害を防ぐことができれば、会社経営にも貢献することができます。 さらに、担当者個人としても緊急電話での呼び出しを防ぎ、定時退社をしても責められない、そんな状態を実現してクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を追求していきましょう。
●さたけ まさひろ1977年京都市西陣生まれ、同志社大学経済学部卒。IT企業勤務後、税理士試験受験の専念期間を経て、税理士法人に就職。2009年税理士登録。2014年京都市にて佐竹正浩税理士事務所開業。京都市内の金融機関と協働して飲食店などの新規出店ができることを客観的な数字で示す経営サポート業務やクラウド会計をはじめとした経理業務の省力化についての情報発信も行なっている。・ホームページhttp://m-stax.com/・ブログ(毎日更新)http://balance-blog.com/【近況】わが家には電車好きの5歳と2歳の息子がいます。休日は息子が電車を楽しみながらも、こっそり自身のブログのネタにもなるようなスポットを探して出かけています。
記事提供:研修出版「月刊経理ウーマン」
令和2年度第3次補正予算 事業承継・引継ぎ補助金 事業承継トライアルの活用方法最新版
経理人材のホンネの転職理由から見た 「採用&定着強化のために気を付けるべきポイント」
15分でわかる「雇用契約」電子化のススメ
サーベイツールを徹底比較!
中堅グループ企業における 会計システム統一のポイント
【入門ガイド】はじめての電子署名
英文契約書のリーガルチェックについて
オフィスステーション導入事例集
Relearning How to Behave/マナーを忘れた企業戦士たちに喝!盛況見せる“オフィスでの振る舞い方講座”
あの大谷翔平選手も使っている、マンダラートをビジネスで活用する方法
令和6年版男女共同参画白書の公表~令和モデルの実現に向けて~
【シニアの雇用実態レポート2024】平均年収は800万で、「60代前半」に年収のピーク
松屋フーズが「カスハラ」対応方針、外食業界ではSRSも 京急やアスクルなど対策する企業が増加
押印に合わせた電子署名形態の選択
組織を成功に導くサーベイツールの選び方
契約書作成の際に必ず押さえておきたい8つのポイント
5社比較表付き!電子帳簿保存システム選び方ガイド
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~入金消込の効率が飛躍的にアップ! ティーペック株式会社~
【働く人409人に直撃】 「親の介護」最も大変なことは? 仕事と両立できる? 調査結果を発表!
【2024年】人事・労務関連の法改正で変わることは?必要な対応一覧
「中小M&Aガイドライン」を改訂しました など|9月2日~9月8日官公庁お知らせまとめ
経産省が「なでしこ銘柄」、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」募集開始。女性活躍推進、“性別を問わない”両立支援を審査
人気の福利厚生サービス「置き菓子」とは?導入メリット・デメリットを解説
/-title-/
/-provider-/
公開日 /-create_datetime-/
Movie
一覧をみる
情報を取得できませんでした。
会員以外の方はこちら