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厚生労働省は、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について取りまとめ、4月23日にそれを公表しました。それによると、違法な時間外労働やいわゆるサービス残業、過重労働による健康被害の危惧など、働き方改革とは逆行するような実態が、依然として蔓延していることが改めて確認されました。
65.9%が労働基準関係法令違反
今回の重点監督実施は、長時間の過重労働による過労死などに関する労災請求のあった事業所や、若者の「使い捨て」が疑われる事業所などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる7,635の事業所に対して集中的に実施したものです。
その結果、労働基準関係法令違反が確認できたのは5,029事業所(全体の65.9%)にものぼります。そのうち 2,848 事業所(37.3%)で違法な時間外労働、536事業所で賃金の不払残業、また過重労働による健康障害防止措置が未実施のところは、778事業所という結果となりました。
適正な労働時間の管理は使用者の義務
違法な時間外労働が認められた2,848事業所のうち、1,694事業所で1か月80時間、1,102事業所で1か月100時間、22事業所で1か月150時間、45事業所で1か月200時間を超える、時間外・休日労働が確認されました。
労働時間の把握が不適正であると認められた事業所に対しては、厚生労働省が定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(労働時間適正把握ガイドライン)に適合するよう指導が行われました。
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働きやすい職場づくりは始業・終業時間の確認と記録から
今回、監督指導を実施した事業場において、労働時間の管理方法を確認したところ、733事業所では、使用者が自ら現認することにより確認し、2,717事業所ではタイムカードで確認、 また、1,421事業所ではICカード、IDカードによって確認していました。自己申告によって始業・終業時刻を確認していたのは、2,817事業所です。
労働基準法では、労働時間や休日、深夜業について規定を設けているため、使用者は、従業員の労働時間を適切に管理することが義務付けられています。しかし、労働時間の管理が不適切なことから、残業代の未払いといった問題も生じているのが現状です。
使用者が、従業員の適正な労働時間を把握するためには、始業・終業時間の確認と記録が必要となります。また、労働基準法第108条及び同法施行規則第54条によって、使用者は、従業員の労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数を、賃金台帳に記録(3年間の保存義務あり)すると定められていますので、しっかりと守るようにしましょう。
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