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幅広く有能な人材を集めたいと考えたとしても、地方に会社がある場合、都市圏に会社がある場合と比較するとどうしても応募人数が少なくなります。応募者としても、気になる会社があっても、面接会場が遠ければ交通費や時間の確保の問題から面接を諦めざるをえなくなる可能性が高くなります。
今回は、直接会わない面接方法であるオンライン面接についてご紹介します。
厚生労働省の報告によれば平成30年の平均有効求人倍率は1.61倍であり、人材不足が顕著な現在、会社の都合に応募者が合わせる従来の方法では人員は集まりにくくなります。
特に中途採用を考えているのであれば、応募者は日中働いていますので、業務後にわざわざ面接を受けに来てもらわなければならなくなります。気になる会社であっても、面接会場が遠いのであれば、移動時間の問題だけで志望度は低くなってしまいます。この移動時間に関する問題は、就活に割く時間の割合が減少傾向の新卒採用であっても例外ではありません。
これらの課題を解決するために、2010年ごろから導入企業が増加しているのが、オンライン面接です。インターネットを利用し、カメラを搭載しているパソコンやスマートフォン、タブレットのテレビ電話機能を使って、面接を行うのです。
直接会わない面接方法には電話面接もありますが、オンライン面接は電話面接よりもミスコミュニケーションが起こりにくい面接方法でしょう。
オンライン面接には、下記のようなメリットがあります。
オンライン面接にしてしまえば、面接の前後の時間に予定が入っていたとしても、移動時間なしで面接をすることができます。面接会場の手配や日程調節などの雑務を極力排除することもできるでしょう。
オンライン面接は、応募者の移動ハードルが低くなることで、応募自体へのハードルを低くすることにつながると考えられます。
地方圏出身の応募者が面接をするために都市圏へ移動するのは心理的なハードルがあります。その逆も同様の心理的ハードルがあり、面接会場が遠いというだけで志望度は低くなるでしょう。また、転職希望者の場合、面接のためだけに何度も時間を作ることは難しくなります。
しかし、オンライン面接ならば、面接を受けるために移動をする必要がありません。転職希望者の場合、隙間時間や帰宅後に自宅で面接を受けることも可能です。さらに採用枠を海外へ広げることもできるので、幅広く有能な人材登用が可能となります。
都市圏在住の応募者を地方の会社が雇用した場合、Uターン・Iターン就業支援助成金の交付の対象になる点は、オンライン面接の大きなメリットです。
オンライン面接であれば、時間や場所を問わずに面接することができます。人事担当者が移動する必要がなくなりますので、移動時間や交通費などの人事担当者にかかる経費を削減することができます。
オンライン面接のシステムには、録画機能が付いたサービスがあります。録画機能を利用して、面接後に複数の人事担当者が合否の判断を見直すことが可能です。また、人事担当者の質の向上、人事担当者の教育時に面接の動画を見せ面接のイメージを付けさせることができます。
オンライン面接にはメリットばかりではありません。もちろんデメリットもあります。デメリットは、下記のようなものがあります。
オンライン面接の場合、ミスコミュニケーションが発生する可能性があります。特に会話の間合いが取りづらくなり、どちらかが一方的に話続けてしまう危険性があるのです。また、応募者の雰囲気などが把握しにくい問題もあるでしょう。
オンライン面接の前に応募者とメールで、面接で伝えたい内容や聞きたい内容を交換し、ミスコミュニケーションを防ぐようルールを決めておくようにしておくといいでしょう。
オンラインにつきものですが、通信環境にはトラブルが起きる可能性があります。通信環境から発生するトラブルの対処方法を誤り予定通り面接がおこなえなければ、応募者の不信感につながる可能性があります。
オンライン面接導入の際は、事前にトラブル対応の方法を決めておくなど、事前確認やルール作りなどの徹底が必要になります。最低限、人為的ミスは確実に防げるよう、人事担当者の通信機器の使い方の研修は必ずおこなうようにしましょう。
実際に会って面接をおこなわない、オンライン面接を採用する会社は、将来的にさらに増えると考えていいでしょう。実際に対面しての面接でなければわからないこともありますが、幅広く優秀な人材を登用したいのであれば、オンライン面接を考慮し柔軟に採用活動をするのも必要なのではないでしょうか。
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