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男性の育児休暇取得ルールについて:専門家の回答は?

公開日2019/09/03 更新日2019/09/04

男性が積極的にかかわることで、女性に偏りがちな育児や家事への負担を軽減することが、少子化対策や女性の社会進出の促進につながると考えられています。そのため、男性の育児休暇取得も推奨されていますが、上手に運用していくためには何が必要となるのでしょうか。

Q:短期間の育児休暇をうまく運用するにはどのようなルールが必要ですか?

男性の育児休暇取得がたびたび話題になる中、弊社でも男性社員の育児休暇取得を推進しています。

子が生まれてから3か月以内に5日間連続で育児休業を取得する仕組みになっているのですが、先日対象の社員から「日中に家にいる方が、負担が大きいから働いて欲しいと妻から育児休暇を拒否された」との相談がありました。

確かに奥様の方も育児に慣れていない状況で、何をやっていいかわからない夫に指示したり、お願いしたりするのは面倒だし手間になるし、正直邪魔なのは気持ち的にわかります。

しかし、弊社が今後女性社員を多く抱えることになった時に、育児休暇や育児の苦労について理解し、マタハラ等の防止にもなるのではと個人的には思います。

一方で別の社員ですが、育児休業を使って転職活動をした社員もいたことから、会社のトップの中には、男性の育児休暇について後ろ向きな方もいます。

ざっくりとした質問なのですが、短期間の育児休暇をうまく運用するにはどのようなルールが必要なのですか。事前に研修など必要ですか?

A:私の個人的な思いですが・・・

弊所のお客様から、このような内容でご相談を受けたことはありません。それ故、私の個人的な思いだけを書き留めます。

 1)育児休業に対しての啓発研修

 2)上手くいった男性育児休暇取得事例の共有

 3)出産前からの家庭内での家事分担

    1)と2)については、貴社内で対応可能でしょう。意識の改革も必要だと、質問文からは読めます。「失敗事例」も、時には参考になるかと。

    3)については、家庭内のことですので、会社として直接影響力を及ぼすことはできません。

    が、2)の成功事例(失敗事例)で適切に表現できれば、伝わることも多いと思います。

    邪魔?優秀な男性社員なら、上手く切り抜けるはずです。簡単ですが、よろしくお願いします。 

    桑野真浩(社会保険労務士)先生の回答

    男性の育児休業取得率の政府目標は13%

    政府は、2020年までに男性の育児休業取得率の目標を13%に設定しています。しかし、厚生労働省の「雇用均等基本調査」(平成29年度)によると、男性の育児休業取得率は5.14%で、目標にはほど遠いというのが実状のようです。

    そうした中で、男性社員の育児休暇促進に積極的に取り組もうとしている相談者の企業姿勢は、見習うべき点が多いと思われますが、「日中に家にいる方が、負担が大きいから働いて欲しいと妻から育児休暇を拒否された」という男性社員からの相談には、担当者も戸惑いを隠せないようです。

    回答を寄せていただいた桑野真浩先生も、「このような内容でご相談を受けたことはありません」と断ったうえで、個人的意見としての対応方法を述べておられますので、参考にしてはいかがでしょうか。

    課題は女性の就労環境整備

    家庭内の事情に、会社が介入するわけにもいきませんが、男性が育児休業を取得し、家事や育児にかかわることの社会的意義について、桑野先生の提案に「育児休業に対しての啓発研修」があるように、社員教育を行っておく必要がありそうです。

    少子高齢化や労働力不足など、日本に突き付けられて課題に対応していくためには、女性の就労環境を整えていく必要があります。

    育児や介護をしながらでも無理なく働き続けるためには、パートナーである男性のサポートが必要です。日本では、欧米諸国と比較すると、夫である男性が家事や育児にかかわる時間は短く、女性への負担が重いことから、2人目の出産をためらわせ、少子化の一因になっているという指摘もあります。

    しかし、勤労者世帯のおよそ半数が共働き世帯です。父親が育児のサポートをすることは、女性の仕事と子育ての負担を軽減し、継続就業やスムーズな職場復帰を後押しすることにつながります。社員のためにも、会社のためにもなる制度ですから、制度導入に向けて担当者の奮闘を大いに期待したいところです。

    まとめ

    男性の育児休暇取得は、まだそれほど浸透しているわけではありませんが、徐々に増えてくることになるでしょう。育児休暇や介護休業は、労働基準法では「休暇」に該当するもので、導入するためには就業規則に記載しておかなければなりません。

    そして、制度作りに加え、社員が安心して育児休暇取得を申し出ることができる職場の雰囲気づくりも、担当者の重要な役割といえるのではないでしょうか。

    関連記事:どうなっている?男性の育児休暇取得

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