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SDGsの目標14.海の豊かさを守ろう

公開日2019/09/06 更新日2019/09/11
SDGsの目標14.海の豊かさを守ろう

持続可能な開発を目指すために策定された17あるSDGsの目標のうち、14番目に定められているのが「海の豊かさを守ろう」です。世界の海は大半が公海であるため、海洋資源は1 国の努力ではなく国際的なルールによって保全・管理していくことが重要となります。

今回はSDGsにおける「海の豊かさを守ろう」とはどのような目標なのか、この目標が定められた背景には何があるのか、さらに企業の取り組み事例について紹介します。

SDGsの目標である「海の豊かさを守ろう」とは

SDGsにおける「海の豊かさを守ろう」とは、持続可能な開発ができるように海の生態系を管理すること、人間の経済活動・生活を原因とする汚染から海を守ること、海洋酸性化の影響に取り組むことを目指した目標です。

現在、世界で約30億人以上の人が、海洋・沿岸における生物多様性を頼って生計を立てています。しかし近年、乱獲によって漁業資源が大きく減少。さらに人間が排出する二酸化炭素の影響により、産業革命以降、海洋酸性化が26%進んでいるとの試算もされています。

SDGsでは、これらの課題に取り組むために「海の豊かさを守ろう」という目標が盛り込まれました。基本的には適切な国際法の策定とその遵守という形で各国は取り組んでいきます。

海で生じている水産物の乱獲への対応

地球全体の面積の約7割を占めている海ですが、公益社団法人国際農林業協働協会(JAICAF)の『世界漁業・ 養殖業白書 2016年』によると、漁業資源の31.4%が「持続不可能」な乱獲の状態にあるとされています。「十分な漁獲を受けている」(これ以上漁獲を増やせない資源)は58.1%に上り、「まだ十分に余裕がある」と判断される漁獲資源は全体の10.5%に過ぎません。最も生産力が高い上位10魚種だけで、2013年の世界における海面漁業漁獲量の27%を占めていますが、これらの魚種はすでに「十分な漁獲を受けている」状態にあるので、漁獲量を増やせる余力がない状態です。

日本人はマグロやウナギを好んで食べますが、これらの魚種も今や絶滅の危機にあり、将来的に自由に食べられない時代がくるかもしれません。漁業資源を保全するには漁獲量を減らすことが必要です。しかし、途上国に住む人の中には漁業しか生計を立てるすべがなく、漁業に制限が生じると生活が成り立たなくなる人も多いです。漁獲量を減らしていくならば、こうした人々に別の仕事を斡旋するなどの対策も考える必要があります。そうしないと違法な乱獲が横行し、漁業資源はさらに減ることになるでしょう。

SDGsでは、2020年までに「過剰生産、乱獲につながる漁業補助金を禁止すること」、「漁業、水産養殖、観光の持続可能な管理などを通じて、途上国における海洋資源の持続的利用に基づく経済的利益を増加させること」などが具体的なターゲットとして盛り込まれています。

海洋汚染の防止

漁業資源の枯渇に加えて、海洋汚染の問題も深刻化しつつあります。汚染物質の海洋投棄も問題ですが、近年特に問題視されているのが飲食物の容器などのプラスチックゴミです。プラスチックゴミは海の中で砕けて破片となり、5mm以下の「マイクロプラスチック」となって海の中に蓄積していきます。これら小さなプラスチックを魚がえさと間違えて食べ、漁獲した魚の消化管にプラスチック片が溜まっているというケースも少なくありません。実際、東京湾の埠頭でカタクチイワシを釣ってその体内を調べたところ、小さなプラスチックが発見されたという事例もあります。海洋1平方キロメートル当たり、平均約1万3,000個ものプラスチックゴミが見つかっているとの調査結果もあり、海洋汚染は着実に進んでいると言えるでしょう。

SDGsでは、「2025年までにあらゆる種類の海洋汚染を防ぎ、大幅に減少させること」、「2020年までに、国内法・国際法に則って、最適な科学的情報に基づき沿岸・海洋エリアの10%以上を保全する」等が具体的なターゲットとして定められています。

SDGsの目標14に対する企業の取り組み事例

SDGsにおいては、各国政府だけでなく企業や一般市民が主体的に行動することも重視されています。そのためCSRの一環として、独自にSDGsの取り組みを進めている日本企業は多いです。

例えば化粧品メーカーのコーセーは、自社のスキンケアブランドの「雪肌精」の売り上げの一部を寄付して、沖縄のサンゴ礁を保護するための保全活動、啓発活動を行っています。沖縄本島周辺の海におけるサンゴ礁は、温暖化の影響による白化現象、オニヒトデの大量発生等が原因となって減少し続けています。コーセーは2018年までに、1万4,440本分のサンゴの移植に必要な費用を寄付しました。

また飲料品の製造・販売を行うサンシャインジュースでは、海洋プラスチックゴミの対策として、従来の包装を見直し、プラスチックを使用しないクラフトバリア紙による包装を採用。2019年6月に軽井沢で開催された「G20イノベーション展」でも紹介され、話題を呼びました。

まとめ

海は地球を人類が生活できる場所とするシステムを作り上げている場です。漁業資源の乱獲や海洋汚染を防ぎ、生態系や環境を保全していくことは、人類全体の持続可能な開発を目指す上では欠かせない取り組みだと言えるでしょう。

SDGsに対してどのように貢献しているかは、社会的責任を果たすことが求められる企業において重要です。「海の豊かさを守ろう」という目標に対しても、業種業態を問わず、多くの日本企業が取り組みを進めることが求められます。

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