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企業や職場、あるいは家庭でもよく耳にするようになった言葉に、○○ハラスメントがあります。ハラスメントとは「嫌がらせやいじめ」のことで、企業では、ハラスメント相談窓口が設けられたりしています。今回はその中で、エアーハラスメント(エアハラ)に焦点を当てて、解説します。
エアーハラスメントには2種類の定義があります。ひとつは、エアコンの使用や温度による環境が原因の嫌がらせです。
職場などでエアコンを使用する時期、温度設定の高低での体感差をめぐって、不調和が起きるケースがそれに該当します。長引くと体調不良や精神的ダメージを受けるほどの実害になることもあり、二次的被害として、うつ病を引き起こす可能性もあります。
もうひとつのエアハラは、特定の人にとって都合が悪くなるよう、意図的に場の雰囲気を壊すように持っていく嫌がらせです。
単に空気が読めなくて場の雰囲気を壊すのではなく、誰かをおとしいれようとする意思で意図的に雰囲気を操作し、精神的な苦痛を与えるケースが該当します。
会社や家庭での、具体的なエアーハラスメントについて見てみましょう。
『太っている夫の夏場のエアコン温度は22℃設定。妻には寒過ぎる温度でした。ひとまず寝室は別にして、寝る時の温度設定は問題がなくなりましたが、共有するスペースであるリビングの温度設定は解決しないまま。妻は、リビングで夫と一緒にいることができないと訴えても、嫌なら自分の部屋で好きなようにすれば良いといわれ、喧嘩になるようになりました。
一度喧嘩になると収集がつかず、亀裂が夫婦間に生まれました。子どもがいないこともあり、離婚になることが現実味を帯びています。』
『お客様のところへ上司と男性部下でプレゼンをするアポイントがあった日に、部下が体調を崩して休んでしまいました。すると、翌日他の社員の前で上司はその部下に、「私とプレゼンに行くことが嫌だから逃げ出した」と言い、プロジェクトに影響するからと、その仕事から降ろしてしまいました。
他の社員も、その男性社員によそよそしくなり、仕事もなくなり、毎日の出勤が苦痛になって精神的に追い込まれた彼は、休職とならざるを得なくなりました。』
ハラスメント対策は、「しない・させない・許さない」が原則です。
まずは企業側の対策として、加害者が「知らなかった」では済まされないように、周知徹底する施策を行いましょう。
具体的には、管理職を中心に研修などを受けさせることでエアーハラスメントの内容を熟知してもらうこと、個別事案での加害者面談実施、マニュアルの作成などが有効です。呼びかけだけで終わらせないためには、被害者が声を上げやすい相談窓口の設定も大切でしょう。
会社に相談しにくい場合の方法として、企業管轄の労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーへ相談できることも、案内しておきましょう。
家族や身近な人間関係の中で起こるエアーハラスメントは、対応が難しいところでしょう。加害者に意識がなかったり、被害者も我慢をしなくてはいけないと思ったりしがちだからです。もし、被害者になっているのなら、自分の中だけで解決しようとせず、信頼できる第三者に相談して精神的な負担を軽くしてみましょう。
ただ、あまりにも心身に強いストレスを感じる自覚がある場合には、医療機関、カウンセラー、法律の専門家など、然るべき窓口に一度相談してみることをおすすめします。
加害者は、エアーハラスメントだと気づいていない場合がほとんどです。まずはエアーハラスメントの存在を加害者に知らせることを考えましょう。直接伝えにくい場合は、メモにまとめて企業の相談窓口や然るべき相談所を利用してください。
メモは、いつ、どこで、誰に、何をされたか、目撃者などを書いておくと、どんな相談場所でも伝えやすくなります。心神喪失などの適応障害になったなら、診断書の用意もしておきましょう。
ハラスメントは、加害者にも被害者にもならないことが大切です。特にエアーハラスメントは、自分にその意図がなくても加害者になることがあるので、注意が必要です。加害者になれば、無意識か意図的かにかかわらず、法的な措置が取られる可能性もあります。
ただ、エアーハラスメントは少しの気遣いで防げるものでもあります。「エアコンの温度を下げても大丈夫ですか?」「困ったことはないですか?」「気分を害していませんか?」など、常に相手を気遣い声掛けをすることで、みんなが快適に過ごせるようになるでしょう。
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