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人手不足解消の切り札としてとして期待されているのが、外国人の採用・活用です。そのカギを握るのが、外国人の就労資格を緩和する「出入国管理及び難民認定法」(2019年4月1日施行)ですが、受け入れる企業側の認知度は、6割程度と思いのほか浸透していないようです。外国人を採用・活用していくうえでの課題を整理してみました。
エン・ジャパン株式会社が、採用支援ツール「engage」を使用している企業に、「外国人採用」に関するアンケートを実施(2,263社から回答)したところ、6割の企業が外国人採用に関して前向きな姿勢を見せているようです。
とくに、人手不足が深刻な販売・接客などのサービス職、IT・Web・ゲーム・通信等の技術職、営業職、医療・福祉・教育などのサービス職で、外国人を積極的に採用する傾向がみられます。
外国人が日本で働くことが認められるのは、入管法で定めている在留資格の範囲内です。入管法の改正で、新たな在留資格が創設されたことにより、外国人の受け入れ範囲は大幅に拡大されたことになります。
この入管法改正を巡っては、「人手不足解消になる」と歓迎する声と、「事実上の移民政策だ」と反対する声の両方があったものの、政府の強い意向により成立しました。
ただ、国会での議論も不十分だったため、新たに創設された特定技能として認められる業種の範囲が曖昧である上、言語・文化・慣習などの教育体制、医療・社会保障をどうするのか、あるいは賃金格差による人材の都市部集中といった課題が解決されないままとなっています。
エン・ジャパン株式会社の「外国人採用に関する調査」でも、外国人採用を実施・検討しない理由の1位が「外国人向けの教育・研修が未整備」(56%)、2位が「日本語能力への懸念がある」(53%)、3位が「行政手続きの煩雑さへの懸念」(32%)となっています。
外国人を雇用する場合は、労働施策総合推進法第28条によって、外国人労働者の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務付けられています。
その「外国人雇用状況の届出状況」(厚生労働省)によると、平成30年10月末現在、外国人労働者数は約146万人で、届出義務化以降では過去最高となっています。
株式会社日本総研が2019年4月に公表した「人手不足と外国人採用に関するアンケート調査」によると、8割弱の企業で若手・中堅層を中心に人手が足りず、3割の企業がほぼ全年齢層で人手不足という日本の企業の実態が明らかになっています。
その対策としては、人材育成が中心で、女性やシニアと同様に外国人の活用も重視されているのです。企業が直面している最大の課題である人手不足への対応策の一つが、外国人の採用・活用にあるということが、より鮮明になってきたと言えるでしょう。
日本の企業が抱える最大の課題は人手不足で、多くの企業がその対応策に「外国人の採用・活用」を挙げているにもかかわらず、「出入国管理及び難民認定法」の認知度はエン・ジャパンの調査では6割弱にとどまっています。
「知っていた」が57%で「知らなかった」の43%を上回る結果ではありますが、むしろ、半数近くが「知らなかった」と回答しているところにこそ、問題があるのではないでしょうか。
外国人を有効に活用していくためには、語学をはじめとする教育・研修体制の充実、外国人が日本で働くうえで不利益を被ることのない社会保障などの福祉政策の見直しも必要です。
外国人材を必要とする日本の企業と、日本で働きたい外国人が、お互いに満足できるよう、こうした課題を解消し、早急に制度の改善などを行っていく必要があるのではないでしょうか。
少子高齢化により、わが国の労働人口は減少する一方です。その対応策として、高齢者や女性、そして外国人の活用が、人手不足解消の有効な手段であることを、誰もが認識しているようです。
しかし、実際に活用していくうえでは、法整備も含めて、受け入れ態勢がまだ十分に整っていません。総務・人事・労務などの管理部門は、実状に即した独自の人手不足対策を練り直す必要がありそうです。
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