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1989年に3%からスタートした日本の消費税は、いよいよ10月1日から税率が二桁の10%となります。外国と比べると、日本の消費税は“税率が低い”といわれていますが、税率だけで判断が難しいのが、この消費税です。では、外国は、どうなっているのかを見ていきましょう。
消費税は、消費に対して課される間接税の一種で、1954年にフランスで「付加価値税」として初めて導入されました。ヨーロッパでは「付加価値税」と呼ばれているようですが、消費に対して課す税ですから、基本的には消費税と同じ仕組みで、全世界150か国以上の国や地方で導入されています。
では、各国の税率はどうなっているのかを、「全国間税会総連合会 世界の消費税 平成30年4月版」から見ていきましょう。
【税率が高い国】 | 【税率が低い国】 | |
1位 | ハンガリー(27%) | 台湾(5%) ニウエ(5%) カナダ(5%)※1 |
2位 | クロアチア(25%) スウェーデン(25%) デンマーク(25%) ノルウェー(25%) | マレーシア(6%) |
3位 | アイスランド(24%) ギリシャ(24%) フィンランド(24%) | シンガポール(7%) タイ(7%) パナマ(7%) |
4位 | アイルランド(23%) ポーランド(23%) ポルトガル(23%) | バハマ(7.5%) |
5位 | ー | スイス(7.7%) |
6位 | ー | 日本(8%) |
※1 カナダでは連邦消費税(GST)は全土一律5%と定められておりますが、州によっては、さらに州税(PST)が課税されたり、ハーモナイズド消費税(HST)と呼ばれる別の税率が定められていたりし、税率は州により異なります。
※なお、こちらのランキングは世界の消費税 平成30年4月版 - 全国間税会総連合会を基に作成しております。現時点での税率については念のため関連省庁、各国関連機関等にご確認ください。
国ごとに税率は異なっていますが、ヨーロッパ諸国では高い消費税率が設定されており、アジア諸国は低くなっている傾向があります。
では、消費税率の低いアジアの方が住みやすいかといえば、そうとも言い切れません。税率の高い国は、福祉医療が充実していることが多いので、単に税率だけでは、負担の軽重を図ることができないからです。
たとえば税率1位のハンガリーは、基本的な食品や医療品、ヒーティングなど生活必需品は消費税率が5%に軽減され、病院での診察代と学費は無料です。
また、EU加盟国は、標準税率を15%以上と定め、標準税率が高い国では軽減税率も高く設定され、食品は非課税という国もあります。
一方、中東のクウェート、カタール、オマーン、バーレーンなどでは、消費税0%です。同じく中東のサウジアラビア、アラブ首長国連邦も、ずっと0%でしたが、2018年に付加価値税を導入しています。
では、世界一の経済大国・アメリカはどうなっているでしょうか。アメリカには、国の制度としての付加価値税はありません。ただ、州や市によっては、売上税がかかるところがあり、税率は0~10%のようです。
また、付加価値税を最初に導入したフランスは、税率は20%ですが、逆進性に配慮して3種類の軽減税率を設けています。食料品や水、薬、医療器具など、生活必需品の税率を低くし、低収入者の負担を軽くする仕組みを取り入れています。
商品を購入したときにかかる税金が少ない国と、税率が高くても、たとえば医療費や教育費などが無料の高福祉国家と、どちらが住みやすいのでしょうか。
ちなみに、「高福祉・高負担の国」の代表的存在のスウェーデンの付加価値税の税率は25%と高めですが、国民から不満の声はほとんど挙がってこないそうです。それは、生まれてから亡くなるまでにかかる費用のほとんどが、無料になっているからです。
税金は、安ければ安い方が良いというのが消費者の視点でしょう。しかし、少子高齢化、そして膨らむ一方の社会保障のための財源を確保するためには、消費税の税率アップも仕方のないことかもしれません。もちろん、国民が老後も安心して暮らすために使われるのであれば・・・ですが。
消費増税、そして初めての軽減税率導入となるこの10月、ビジネスパーソンとしては、改めて税金の使い道に、思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁にご確認ください
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