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『エイハラ(エイジハラスメント)』とは何?

公開日2019/11/22 更新日2019/11/23
『エイハラ(エイジハラスメント)』とは何?

年齢によって差別や嫌がらせをするエイハラ。現代でも日本の社会では、年齢によって仕事がしづらくなったり、不快な思いをしたりなど、不当な扱いをされることが珍しくありません。ただ、エイハラをする側は、当たり前のように気づかずやっているので、差別する側とされる側の意識の差は広がるばかりです。

この記事では、ここ数年話題になっているエイハラについて、言葉の意味や実際のケースなどをわかりやすくご紹介します。

エイハラとは

エイハラとは、エイジハラスメントを略した言葉です。エイジ(age)、つまり年齢や世代の違いで差別や嫌がらせをするハラスメントの一種です。とくに職場で年齢を理由に仕事が制限されたり、結婚や恋愛などのプライベートの質問をされたりなど、聞き手の気持ちに関係なく年齢に関わる話題を振ってくる行為を指します。

<他のハラスメントとの関係>

現在、モラハラ(モラルハラスメント)やパワハラ(パワーハラスメント)など、さまざまなハラスメントが存在することを、社会全体で共有するようになりました。差別や嫌がらせを意味するハラスメントという言葉が一般的に使われるようになったのは、セクハラ(セクシャルハラスメント)という用語が世間に登場した時期だと考えられています。

ハラスメント行為は、単にセクシャルなものだけ、パワー(権力)に関するものだけ、といったシンプルな問題ではなく、複雑に絡まり合っていることが少なくありません。

たとえば、上司が女性の部下に結婚を話題にして「もう25歳を過ぎたのに、まだ結婚しないの?」と質問した場合。

 ・女性は結婚するべきだ(性別を理由とするセクシャルハラスメント)

 ・職場で権力を持っている上司が立場の弱い部下に対してプライベートなことを質問する(権力を理由にしたパワーハラスメント)

 ・女性は20代前半のように若いうちに結婚すべきだ(年齢によるエイジハラスメント)

など、少なくとも今挙げた3つのハラスメントの要素が考えられます。

このように、エイハラといっても、単に年齢だけを問題にして差別や嫌がらせをするという単純な話ではなくて、セクハラやパワハラなどさまざまな差別意識と密接に関わっているのがポイントです。

<エイハラの正しい使い方>

ハラスメントは相手が不快に感じたり、嫌がらせと捉えたりされた場合に成立します。そのため、話し手は一般的な話題として話していても、聞き手にとってエイハラと感じることもありますし、反対に話し手がエイハラかもしれないと感じても聞き手がまったくそう捉えなかったというパターンも考えられるため、判断は非常にデリケートな問題といえます。

<エイハラとなる話題例>

具体的にエイハラに当たる可能性が高いテーマには次のようなものがあります。

・年齢を理由に未婚または既婚であることを話題にする

・若いからという理由で特定の仕事をさせる/させない

・年を取っているからと仕事を任せる/任せない

・年齢を理由に経験やスキルの有無をネタにする

・年齢と子どもがいないことを結びつけて質問する

・年齢や世代だけを聞いてひとくくりにして話す(団塊の世代、ゆとり世代、ロスジェネ世代など)

エイハラが広まったいきさつ

年齢による差別や嫌がらせ自体は以前から存在しました。ただ、エイハラという言葉が話題になるにつれて「当たり前だと思っていた話題が実はハラスメントに当たるかも」「自分は我慢すればいいと思っていたことが、ほんとうは差別だったんだ」といった認識が広まっていきます。

<2017年のテレビドラマがきっかけに>

2017年に注目されたテレビ番組の一つに文字通り『エイジハラスメント』というドラマがあります。放映当時、女優の武井咲主演で企業内の年齢による差別や嫌がらせをリアルに描いた内容が反響を呼んでから、エイハラというハラスメントが世間で話題となりました。

脚本は女性をテーマにしたドラマづくりに定評のある内館牧子。年上の男性上司から若いことを理由に仕事をさせてもらえない一方、自分は望んでいない業務を押しつけられる主人公が差別や嫌がらせと闘う痛快なストーリー。年齢をキーワードに上司と部下、同性または異性の同僚との関係など共感を呼ぶ演出で描いています。

このドラマ『エイジハラスメント』はSNSでも話題となって、とくに女性の視聴者の共感を集めていました。

エイハラのエピソード

ここからは、インターネット上のエイハラエピソードをいくつかピックアップしてご紹介しましょう。

結婚社内で同世代の社員が結婚するたびに、上司や先輩から、「そろそろ結婚相手を探した方がいいんじゃないの?」「適齢期はあっという間に過ぎるから、急いだ方がいいよ」などとプレッシャーをかけられます。(女性、20代後半)

結婚をまだしていなかったり、適齢期といわれる漠然としたもので話題を振られたりなど、まだまだ20代や30過ぎで結婚するのが当たり前といった常識は根強いようです。

出産同期が30歳を過ぎた頃からベビーブームが到来。男性社員は子どもの写真を見せてきたり、女性社員は産休休暇や出産のために退社したり。「育児は体力使うから、早く産んだ方がいいよ」「結婚して時間が経つけど、お子さんはまだ?」といったような、出産や子育てをネタにされたトークが増えてきてげんなりします。(女性、30代前半)

さまざまな事情で出産していない夫婦もいます。しかも、子どもを持つかどうかは極めてデリケートでプライベートな問題。年齢だけで判断されるのは心外に感じてしまうはずです。

年齢にふさわしい言動30代も半ばを過ぎてくると、上司から仕事を通じて、「その年齢でそんなこともわからないのか」「今まで何年も仕事してきて、気が利かないな」など、年齢を理由に嫌みをいわれる機会が増えてきました。いくら年を取っても、これまで経験したことのない業務やパターンはわからないですし、その上司の顔を見るだけでテンションが下がります。(30代後半、男性)

冷房対策で控え目のピンクのカーディガンを職場で羽織るようになってから、50代の男性上司に、「もうおばさんなんだから、ピンクはちょっとどうかな?」というふうに、服の色についてネチネチいわれるようになりました。かなりトーンを抑えたピンクにしたつもりなんですが、アラフォーだと服選びも大変です。(40代前半、女性)

年齢に応じた立ち居振る舞いや行動、外見にしなければならない、という考え方は日本社会では今でも強く残っています。

世代でひとくくりにされるちょっと仕事が出来なかったり、わからないことがあって質問したりするたびに、「やっぱり『ゆとり』だねえ」って、ゆとり世代だからとひとくくりにわかったような返しをされてしまって、いつもイライラが募っています。(30代前半、男性)

ゆとり世代は今でもジェネレーションギャップのネタに使われるようです。反対に、昭和生まれがちょっと堅いことを話すと、年下から世代が違うからとあきれた顔をされるケースも少なくないみたいです。

まとめ

今後も、日本の職場ではまだまだエイハラを受ける機会は少なくないでしょう。年齢による差別や嫌がらせで、不快な思いをすることもあるかもしれません。

大切なのは、自分がエイハラをしないということ。相手の年齢だけにとらわれて、仕事の出来など能力や経験が大きい話だったり、結婚・出産などプライベートな話題を振ったりするのは、控えましょう。

とくにエイハラはセクハラとセットでやってしまいやすいので、相手の性別によって自分がトーク内容を変えていないか、一度振り返ってみるとエイハラ予防に役立つかもしれません。

エイハラをしないためには、年齢と離れた話題を意識的に考える努力が必要になっています。

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