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日本企業の経理・財務分野のスキル向上を目的とした教育サービス等を提供している一般社団法人日本CFO協会(東京都千代田区、理事長:藤田純孝)は、日本版FP&Aプログラムの開発と啓蒙を進めることを目的に「FP&Aフォーラム・ジャパン2019」を開催した。
AI・システムなどの普及に伴う業務のデジタル化によって決算の集計や報告書作成業務などが自動化される中、海外のファイナンス部門の役割はFP&Aの機能が財務の仕事のトレンドという流れがある。
日本企業の場合、経営企画、管理会計、あるいは社長室などが、その機能を担っていることが多いが、システムの普及に伴い、今後はより高度でスピーディーな分析が要求されるようになると、分析や将来予測などの難度も高まり、これまで以上に専門的なスキルが要求されることになるだろう。
今回のフォーラムでは、海外のFP&Aのトレンドを日本の経営企画・管理会計の業務にも取り込み、その機能の強化を導くためには、「FP&Aの真の役割」「組織体制」「人材やスキル」など様々な報告が行わ、多くの参加者がその内容に耳を傾けていた。
FP&Aとは「ファイナンシャルプランニング&アナリシス」のことで、経営や各事業部門の管理会計や予算実績管理など、ビジネスにおいて重要なKPIの集計・分析・予測等を行い、意思決定を示唆する役割のことを指す。
多くの日本企業の場合、経営企画、管理会計、経理財務などの一業務として行われていることが多いといわれている。
一方、米国などの外資系企業の場合、CFO直下の役割として配置されていることが多く、元インテルの米国法人事業部コントローラーや日系企業のCFOなどを歴任した石橋善一郎氏は、当時の組織図をもとにインテルのFP&Aの役割やそこで培ってき考え方などについて、日系大手メーカーの組織と比較しながら解説した。インテル時代のFP&Aのビジョンでもあった「組織の意思決定者の真のビジネスパートナーとなる」ために必要な能力も多岐にわたるという。
日系企業数社でCFOを歴任した吉松加雄氏はCFO機能の変革に伴いFP&Aの役割も「意識と行動を変える必要がある」とし、自身が日本電産時代に組織改編した事例などを用いその様子を解説した。
いずれも、いわゆる管理部門にありがちな受けや守りの姿勢とは異なり、企業の売上や利益などの業績向上につながることがFP&Aの役割であると認識していく必要がありそうだ。
従来のFP&Aの役割は、総じて分析や未来の予測(フォーキャスト作成)などが中心であったが、テクノロジーが代替可能(というかむしろより正確&スピーディー)な業務が出てきたことで役割は変わっていくだろうということだ。
日本オラクル株式会社でファイナンスディレクターを務める朴 盛彬(パク ソンビン)氏は自身の経験から、「FP&Aの業務に要求されるスキルは『早く正確なデータを出せるexcelスキル』から『集計されたデータに対する質問に答えることができるプレゼンテーション力、コミュニケーションスキル』に変化した」という。これまでのように数値の集計や分析をexcelなどで行っていたところがAIやロボットに任せられるようになるとヒトに要求されるスキルも変わるのだ。
米AFP(The Association for Financial Professionals)の代表ジェームズAケイツ氏は同じくFP&Aのスキルセットに関して「これまでは会計やデータなど左脳が中心であったが、今後は右脳を使ったクリエイティブさが要求されるようになる。なぜなら、数字の分析結果から導き出したビジネスのストーリーテリングやプレゼンテーションが必要になるからだ」と語る。
今回のフォーラムに登壇した方すべてが「AIやシステムが人間の作業を代替する」ことを前提に講演されていた。FP&Aに限らず、業務の変化は経理財務や人事総務など管理部門全般に発生するといわれている。
将来的に人間は一体何をすることになるのだろうか。
AIよりも人間の方が優れていることは2つ「包括的な判断をすることと、人の行動変容を促すこと(朴氏)」。分析や予測された結果を翻訳し、人を説得し行動を起こさせるためには専門性に加えて、高度なヒューマンスキルも要求されることになるだろう。
(取材・文/マネジー編集部 有山智規)
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