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学生時代のアルバイトならいざ知らず、自分の時給がいくらなのかを気にしているビジネスパーソンは、それほど多くはないでしょう。でも、時給が高いということは、労働時間が少なくてもそれなりの収入が得られる=賃金が高い企業ということです。では、社員の時給が高いのは、どのような企業でしょうか。
東洋経済新報社が発行している「CSR企業総覧」という、3,672ページにも及ぶ分厚い本があります。ここには、大手上場企業1,593社の賃金・各種諸制度、女性活用・ダイバーシティー、有給休暇や家庭と仕事の両立支援といった雇用関係などのCSR(企業の社会的責任)情報が掲載されています。
東洋経済新報社は、そのCSR情報から、平均年収を年間総労働時間で割った各社の「計算時給」を算出し、時給4,000円以上の208社を「時間当たりの収入が高い」企業として紹介しています。
ランキングに登場する208社には、誰もが知っている超有名企業が名を連ねています。それぞれの業界でトップシェアを誇り、就職希望先としても人気の高い企業です。では、ランキング順位を見ていきましょう。
ランキング1位となったのは、前年に引き続き、総合商社の「三菱商事」です。2019年度の平均年収は1,607.7万円で総労働時間は1,947.7時間、計算時給額は8,254.5円となります。
同社の社員平均年齢は42.5歳ですから、新卒で入社20年後には計算時給8,000円超となる計算になります。なんとも羨ましい限りです。
計算時給7,000円を超えたのは4位までにランクインした4社です。
(計算時給額) (平均年収) (総労働時間)
1位 三菱商事 8,254.5円 1,607.7万円 1,947.7時間
2位 ヒューリック 7,751.3円 1,636.1万円 2,110.7時間
3位 伊藤忠商事 7,382.4円 1,520.8万円 2,060.0時間
4位 三井物産 7,304.5円 1,430.0万円 1,957.7時間
以下、5位に「住友商事」の6,880.7円、6位に「丸紅」の6,864.3円、7位に「JXTGホールディングス」の6,523.5円、8位に「東京エレクトロン」の6,486.7円、9位に「三井不動産」の6,215.7円、10位に「第一三共」の6,096.2円が続いています。
国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査」によると、2018年の正規雇用の平均給与(年収)は503.5万円で、ランキング対象716社の年間平均労働時間1,991.2時間で計算すると、計算時給は2,528.6円となりますから、このランキングの対象となった時給4,000円以上の208社は、かなり給与水準が高い企業ということになります。
ちなみに、ランキング対象716社の計算時給の平均値は3,579円ですから、こちらも1,000円ほど高く、やはり待遇面では恵まれた企業といえるでしょう。
従業員に高い計算時給を払える企業は、事業活動で高い付加価値を得ていると考えられ、教育システムや福利厚生も充実しているようです。つまり、就職希望者にとっては、魅力的な企業でもあるわけです。
一方、「令和元年度地域別最低賃金改定状況」によると、全国加重平均額は901円で、一番高い東京でも1,013円です。
最低賃金を巡っては、選挙の度に引き上げを求める政府与党と、経営に深刻な影響を与えると引き上げに反対する日本商工会議所などの中小企業団体の攻防が激しくなりますが、その最低時給額のラインは“1,000円”です。
計算時給額が7,000円を超える企業もあれば、パートやアルバイト、派遣社員などの多くが時給1,000円程度で働いているのが現実です。格差社会が確実に広がっていることが、時給からも痛感することができます。
時給の高さが、企業の人気の要素の一つであることは、疑いようのない事実です。しかし、企業の魅力はそれだけではありません。フレックスタイム制度や短時間勤務制度、半日単位の有給休暇制度、在宅勤務制度など、柔軟な働き方の制度が充実していることも、企業の魅力の要素です。時給が高いだけでなく、働きやすい職場環境を整えることも、企業の魅力をアップさせることになるのではないでしょうか。
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