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斬新なアイデアや技術力を武器とし、これまでにない形態のビジネスやサービスを展開する企業を、一般的にベンチャー企業と呼んでいます。一方、企業という形ではなく、既存の企業内で新しい製品やサービスを生み出す「社内ベンチャー」といい、こうした組織が昨今注目を集め始めています。
企業にとって社内ベンチャーを誕生させるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。社内ベンチャーの基礎知識や、代表的な成功事例を紹介します。
目次【本記事の内容】
社内ベンチャーとは、新たな製品やサービスを生み出すべく、企業から独立させて作った組織のことをいいます。企業内に誕生したベンチャー企業ともいえるでしょう。
多くの場合、社内ベンチャーは、大規模企業における新規事業の開発を目的として発足します。ベンチャー精神をもった社員が、企業の人材や資金を活用して運営する組織です。
社内ベンチャーが生まれる過程には、トップマネジメント層などの上層部から指示を受けて立ち上げるパターンと、「社内ベンチャー制度」により社内で公募したアイデアなどをもとに、ボトムアップで発足するパターンの2種類があります。
社内ベンチャーは、企業側にとって新たな収益が得られる可能性が高まります。主力事業とは全く異なる新たなジャンルの事業を生み出すことは、大きな利益をもたらす絶好のチャンスといえるでしょう。
また、社内ベンチャー制度を取り入れることで、前向きな企業文化の醸成にもつながります。起業精神をもつ優秀な人材や本業以外で発揮できる優れた才能を発掘できることは、近年の起業に求められているダイバーシティを推進していくことにもなるでしょう。
社内ベンチャーを運営する側にとっても、いくつかのメリットがあります。
社内ベンチャーは企業から独立した組織ではあるものの、企業の枠組みからは外れない存在であるため、強固な本業のブランド力を盾に運営を進めていけます。また、資金や人材など企業の経営資源をそのまま活用できることも、運営していく上での大きなメリットとなるでしょう。
社内ベンチャー制度を実際に取り入れ、成功を収めている企業をいくつかご紹介します。
インターネット黎明期に、自らもベンチャー企業として誕生したサイバーエージェントは、時代の波を的確にとらえながら大きな成長を遂げた企業です。サイバーエージェントでは、社内ベンチャー制度として「あした会議」と呼ばれる取り組みを行っています。
新規事業の創出や課題の解決を目的とし、年齢や部署が異なる社員を集めた1泊2日の合宿という形で実施されるあした会議では、これまで実に28もの子会社が誕生しています。新たな子会社による売上の累計は700億円、営業利益も100億円に達し、サイバーエージェントグループを支える大きな存在です。
新規事業の創出や撤退に関する基準が明確に設けられていることも、サイバーエージェントの社内ベンチャー制度が持つ特徴です。「CAJJプログラム」と呼ばれるこの基準により、事業の創出や成長を促すとともに、減収減益となった際に責任者の交代や事業の撤退を行い、損失の拡大を防いでいます。
求人広告や人材派遣を中心にサービスを展開する人材会社大手「リクルートホールディングス」では、社内ベンチャー制度として、新規事業コンテスト「Ring」を1983年より開始しています。
Ringは「新しい価値を創造する」というグループ経営理念を体現する場であり、社員の意思で新規事業を提案・実現できる貴重な機会です。「ゼクシィ」「TOWN WORK」「HOT PEPPER」「R25」「受験サプリ」など、今ではすでに独立した存在としても有名な数多くの事業を生み出してきました。
Ringでは、社内からアイデアを募り、応募者は社内に限らない人材を集めてアイデアを提出します。厳正な審査を経て事業化が実現すれば、新規事業に携わるメンバーは現在の職を離れて新たな事業の専任となります。
大手広告代理店の博報堂では、2010年から「AD+BENTURE」と呼ばれる社内ベンチャー制度を導入しています。応募から事業化まで1年近い期間を費やして行われるこの制度を勝ち抜いた新規事業は、博報堂の各部署や専門スタッフの支援を受けられることが特徴です。すでに運営を終了している事業を含め、過去9年間でのべ18の新規事業を、さまざまな領域において生み出しています。
大手企業における社内ベンチャーの成功例をいくつか挙げましたが、成功へのハードルは決して低いものではありません。
しかし、企業として数十年先まで生き残るために、社内の既存事業を切り分けながら経営資源も活用できる社内ベンチャー制度の導入は、大企業にとって今後はより不可欠なものとなっていくでしょう。
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