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文部科学省の試算によれば、大学への進学率を現在の54.7%(2019年度:過去最高)から57%に上げたとしても、2040年の大学進学者数は12万人減の51万人になるとしています。少子高齢化によって大学進学者数が減少の一途をたどるとすれば、進学率は今後も過去最高を更新し続け、2040年にまでならなくともすぐに就職の「超売り手市場」がやってくることは間違いありません。就活生は企業のどこを見て就職先を選定しているのでしょうか?その心理を少しでも理解して「超売り手市場」で選ばれる企業になるための準備をしておきましょう。
「働き方改革」や「ワークライフバランス」といった言葉が当たり前のように言われるようになり、働き方の多様化、求めるワーキングスタイルも日々変化しています。
長年「我慢する会社人生活」を送ってこられた方は、「残業・休日出勤はしたくない」「ワークライフバランスが大事」などの意見に対してどう思われていますか?「社会人はそんなに甘くない」「どこの会社でもこのようなことは当たり前だ」「イマドキの若い人はわがまますぎる」と思われたなら、採用の担当者にはならない方が良いかもしれません。
多くの企業が「人を見る目」の確かさを理由に、社内のベテランを採用担当者にすることもあると聞きます。ただし「人を見る目」が、会社人生活の長さに比例して確かになるとは限りません。それよりも会社説明会などで就活生に対し、ベテランからの目線で話をしてしまうことこそ避けねばならないことです。
就職に関わる環境は、数十年の間に企業側も就活生側もまったく変わっていますし、就活生は就職を希望する企業の情報を収集しに来ているのであって、会社生活に関する訓示を聞きに来ているわけではないのです。むしろ近い世代が採用担当者となり、自分が就職時に思ったことを話した方が現実味があるのではないでしょうか。
次に大事なことは、会社の経営内容や処遇について、できるだけ事実をありのままに伝えることです。その場限りの脚色された情報で新入社員を獲得できたとしても、「入社前と入社後のギャップ」を理由にすぐ転職を考え始めてしまうでしょう。それだけでなく、そのような評判は口コミとして後に続く就活生にも伝わり、消えることのない悪評となってしまいます。
就職活動においては、採用担当者の人間力と企業の真摯な姿勢が大変重要な武器でもあり、一歩間違えると修復できない傷を残す原因にもなってしまうのです。
就活生に見てもらうべきは、採用担当者も含めた社員や企業の真の姿です。ですから将来有望な学生を確保し定着してもらうのであれば、自らが良い企業になることが人材確保の第一歩です。現在の社員がいたくないと思う企業に、新しい社員が来てくれるわけはないのですから。社内の声にも耳を傾けながら、「選ばれる企業」となるよう準備を進めましょう。
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