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オトナの教養 ~6月(水無月)~

公開日2020/06/18 更新日2020/06/19

6月の別名「水無月(みなづき)」を文字どおりに解釈すると、「水が無い月」となりますが、梅雨で雨が多い季節にもかかわらず、なぜ水無月と呼ぶのでしょうか。

今回は、水無月の豆知識や風物詩、旬の食べ物などを紹介していきます。

水無月の豆知識

水無月の由来を知るには、現在の暦「太陽暦」ではなく、明治5年(1872年)まで使われていた旧暦の「太陰暦」を紐解く必要があります。水無月と呼ばれるようになった諸説もみていきましょう。

水無月の由来は「太陰暦」にあり!

私たちが現在使っている暦は「太陽暦」ですが、水無月と称されていたのは「太陰暦」が使われていたころです。

  • 太陽暦:太陽の周期に基づく暦
  • 太陰暦:月の周期に基づく暦

6月を水無月と称した時代は、月の満ち欠けを基準にした太陰暦が使われていました。しかし、明治以降に太陽暦を採用したために、1カ月ほど日付がズレてしまったのです。

つまり、現在私たちが6月と認識している月は、太陰暦では7月ごろに相当します。もう少し正確にズレを修正すると、およそ6月下旬から8月上旬にあたります。

説1:水が無い月ではなかった!

1つの説として、太陰暦の水無月は「水が無い月」という意味ではなく、昔は「無」を「の」という連帯助詞として使っていたことから、「水無月→水の月」となったようです。

初夏は田んぼにたっぷり水を引く季節のため、「水を引く月」という意味合いから「水の月→水無月」と呼ぶようになったのでしょう。

説2:カンカン照りで水が無いから?

梅雨が明ける7月後半から8月下旬は、暑さで干上がって水が無くなるため、「水が無い月→水無月」となったという説もあります。

さらに、田んぼの稲が育ってきたら一旦水を止める「中干し」を行い、田んぼの土をカラカラにすることも水無月と呼ばれる由来かもしれません。

水無月の行事

6月の水無月は季節の変わり目でもあります。生活に密着した行事、祭り、神事など水無月の行事をみていきましょう。

6月1日

衣替え、気象記念日、京都府・貴船神社/貴船祭、京都府・八坂神社/水神社祭

6月5日ごろ

芒種(ぼうしゅ)、蟷螂生(かまきりしょうず)

6月10日ごろ

入梅(にゅうばい)

6月10日~14日

YOSAKOIソーラン祭り

6月10日

時の記念日

6月16日

和菓子の日

6月第3日曜日

父の日

6月21日ごろ

夏至(げし)、三重県・二見興玉神社/夏至祭

6月28日

貿易記念日

6月30日

夏越の祓(なごしのはらえ)

※2020年は行事の中止や内容変更などの可能性あり

1年の折り返し月にあたる6月はリセットする時期でもあり、暑さのはじまりや梅雨の食中毒などから心身を守るため、衣替えをはじめ厄祓い、穢れを祓う行事などが多くみられます。

6月1日の「衣替え」は平安時代からある古い習慣で、宮中では冬服から裏地のついていない夏服に交換する日でした。現在も、中学校や高校の衣替えは6月1日のケースが多いようです。

6月5日ごろの「芒種」とは、稲などの種まきのことです。「蟷螂生」とは、かまきりの卵から幼虫が孵化する時期のことをいいます。

暦上の「入梅」は立春から数えて135日目となっていますが、南北に長い日本列島において、実際の梅雨入りの日は1カ月ほどの開きがあります。

水無月の風物詩

水無月の風物詩には、天気に関する用語をはじめ、今までどこに隠れていたのかと思うような生き物の出現があります。

水無月に使われる天気と関連した用語

旧暦の太陰暦では、「五月」と書いて「さつき」と呼び、新暦の太陽暦でいうと6月から7月ごろを指します。

  • 五月晴れ(さつきばれ):梅雨時期のうっとうしい空がパッと晴れた状態のこと
  • 五月雨(さみだれ):いつまでもダラダラと降り続く長雨のこと
  • 走り梅雨(はしりづゆ):梅雨入り前のぐずついた天気のこと
  • 入梅イワシ(にゅうばいいわし):梅雨時に獲れる脂がのったイワシのこと

放送用語としては、「五月晴れ」は5月の晴天時に使い、「五月雨」は6月から7月の梅雨時期に使われることが多いようです。

俳句にも使われる水無月

季節の用語は現代の歌や俳句に使われることがあります。

  • 秦基博:水無月
  • 芭蕉:水無月や鯛はあれども塩鯨「葛の松原」
  • 一茶:戸口から青水無月の月夜哉 「八番日記」

歌や俳句は作れなくとも、友だちとのちょっとした会話で6月の天気用語を使ってみてはいかがでしょうか。

水無月に現れる生き物たち

田んぼに水が引き込まれてしばらく経つと、水面をスイスイ泳ぐ「アメンボ」や畝(うね)で鳴く「アマガエル」、「カタツムリ」などが活動しはじめます。

都会ではあまり見かけなくなったアマガエルですが、自然豊かな地域では、カエルの大合唱が水無月の風物詩の1つです。

梅雨がはじまるとアジサイの花が咲き、葉の上や裏にはカタツムリが隠れていることがあります。

こうした生き物たちの出現により、「あ~、6月になったんだな~」と実感する人も多いのではないでしょうか。

6月が旬の食べ物

6月に旬を迎える食べ物や、食材を利用した漬け物を紹介します。

旬の食べ物は栄養価も高い

旬の食べ物は味や香りがよいだけでなく、栄養価も高いといわれています。

ハウス栽培により年中食べられる野菜が増えましたが、6月は多くの野菜や魚などが旬を迎えます。ぜひ旬の美味しさを堪能してください。

【野菜】

ラッキョウ、ジャガイモ、アスパラガス、青唐辛子、そら豆、さやいんげん、じゅんさい、ミョウガ、三つ葉、シソ、サラダ菜、スウィートコーン、根曲がり竹 など

【果物】

梅、ビワ、アンズ、イチジク、スモモ、キウイ、グミの実、サクランボ、ブルーベリー、アメリカンチェリー、メロン、パッションフルーツ、マンゴー、ライチ など

【魚介類】

アユ、キス、マアジ、マイワシ、トビウオ、ホッケ、ハモ、アナゴ、ホタテ、サザエ、岩ガキ、トコブシ、オキシジミ、オオアサリ、ウニ、ホヤ、タコ、ケンサキイカ、ハナサキガニ、ウチワエビ など

6月に作る漬け物

6月になると、スーパーの店頭に梅やラッキョウ、ホワイトリカー、漬け物ビンなどが並びはじめます。手作りの梅干しや手作りのラッキョウ漬けは、湿気の多い6月に作るのが一般的です。

湿度が高い季節なので、梅やラッキョウの表面を丁寧に洗い、ホワイトリカーで表面を拭いておくとカビのリスクを軽減できます。

まとめ

6月を水無月としたのは、田んぼに水を引く、水を止めるという農作業から称されたという説があります。水無月は、月の周期に基づく「太陰暦」を使っていた明治以前に命名されたので、現代の「太陽暦」と1カ月ほどズレが生じてしまいました。水無月の行事や食を通して日本の四季を感じとり、梅雨時期を元気に過ごしましょう。

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