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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークの普及を始めとする働き方の変化など、日本経済を取り巻く状況はこれまでと比べて著しく変化しました。
このようなコロナ禍で「ウェビナー」が普及しています。
この記事ではウェビナーについて、その実態、メリット及びデメリットをデータに基づいて解説していきます。
目次【本記事の内容】
「ウェビナー」は、ウェブとセミナーを組み合わせた造語をいいます。単にウェブセミナーやオンラインセミナーと呼ばれることもあります。
経済産業省、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が共催するウェビナーは、YouTube Liveのツールで配信され、またそのほかの企業ではZoomウェビナーのツールが用いられるなどさまざまなツールが存在します。
ファストマーケティングが会社員へ、ネットリサーチを利用して実施した『ウェビナー視聴に関する実態調査』によると、2020年に入ってからのウェビナーへの参加状況は、14.6%の方が「参加したことがある」と回答しています。したがって会社員の7人に1人が、参加経験があることになります。
同様の調査で、もっとも多かった目的は、「業務に役立つテクニックや技術を学ぶ」であり、37.9%を占めました。次いで、「業界や世の中のトレンドを知る」(35.9%)、「製品やサービスの情報収集」(35.0%)となりました。
これらのことから、ウェビナーに参加し、業務に関する情報を収集し、自らの仕事に役立てたいとする目的をもって参加している方が多いといえるでしょう。
1カ月の参加回数の調査では、1~2回が63.2%を占め、次いで3~4回(25.1%)、5~6回(7.7%)という結果でした。また7回以上の参加は、4.0%となりました。
これらを合計すると36.8%もの方が少なくとも月に3回以上は参加していることになります。
「感じる」(38.5%)、「やや感じる」(35.6%)と約7割もの方が増えたと感じているようです。そのほか、「どちらともいえない」(19.1%)、「あまり感じない」(4.0%)、「感じない」(2.8%)となり、感じないとする方が1割にも満たないようです。
「よくある」(23.9%)、「ときどきある」(46.4%)と約7割の方がウェビナー疲れを感じており、「あまりない」(21.9%)、「ない」(7.7%)という結果でした。
従来のセミナーでは開催場所などの制約があり、居住している場所から離れた場所で開催されるものに関しては、移動に負担がかかっていました。
他方、ウェブセミナーであれば、場所的な制約がなく、設備やツールさえあれば自宅からでも参加することができます。
ウェビナーの情報が増えたと感じる方の割合およびウェビナーの情報が多く、選択疲れする方の割合が約7割占めることから、多様な分野のウェビナーが開催されていると考えられます。したがって、選択肢が広がり、業務に関する情報を収集する目的を達成できるといえるでしょう。
ウェビナーは活用次第では、顧客との接点を生み出す手段として用いられることもあります。ウェブ上ではありますが、顧客となり得る者と対面し、信頼を得られれば仕事へとつながる可能性もあります。
ウェビナーの情報が多く、選択疲れする方が約7割もいるとの結果から、選択肢が増えれば増えるほど、受講する人の観点からは負担が大きくなってしまいます。
他方、開催する側の観点からは、できるだけ多くの受講者を集めるためには、ほかのウェビナーとの差別化を図らなければならないし、受講生への有効的なアプローチを考えなければならないこととなり、競争が激化する可能性があります。
また、調査により、ウェビナーに参加した方のうち、約半数もの方が「内容がつまらない」と感じ、半分も視聴せずに退場した経験があることがわかりました。
従来のセミナーでは、途中で退場することはあまりしなかったと考えられますが、ウェブ上であれば、周囲に気を遣わなくてよく、また退場も容易であるため、このような調査結果になったものと考えられます。
開催する側としては、伝えたいことを伝える前に受講者が退場してしまう場合があるので、この点が大きなデメリットといえるでしょう。
調査によると、役に立つウェビナーに出会えた割合は、3割未満であったとの結果になりました。
さまざまなウェビナーがある中、実際に役立つかどうかわからないものも参加してみなければわからないことがデメリットといえるでしょう。
またウェビナーに関する情報が少なくないため、実際に求めているものにたどり着くことは難しいかもしれません。
前述の実態調査では、ウェビナーに参加する方は会社員の7人に1人程度いるという結果が出ましたが、ウェビナーに関する情報が多すぎて7割程度の方が選択疲れを感じているようです。また、参加したウェビナーによって、商談につながったり、仕事に役立つ知識等を得られたりすることもあれば、役に立たなかったと感じることもあるようです。
多種多様なウェビナーに関する情報が増え、競争が激化する中、開催する側としては、受講者がアクセスしやすくなる工夫をすることが求められます。
他方、受講する側では、自分の求めているウェビナーかどうか、見極める能力を備えることが求められます。
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