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日本フードサービス協会は、外食産業の市場動向調査の最新値(2020年8月度)を、9月25日に公開しましたが、8月度の売り上げは前年同月比マイナス16.0%となり、新型コロナウイルスの影響が大きかったことを、改めて痛感させる内容となりました。
ファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店など全業態を合わせた2020年8月度売上状況は、前年同月比で84.0%となり、16.0%の減少となした。減少は、前回月から6か月連続となっています。
その要因としては、やはり新型コロナウイルスが、夏場に再び感染拡大の兆しを見せたことが挙げられるのではないでしょうか。
経済優先を掲げる政府は、明らかに、感染拡大の兆しが見えていたにもかかわらず、旅行シーズンとなる夏休みとお盆時期に間に合わせるため、GOTOトラベルを前倒しでスタートさせました。
しかし、感染者が多い東京発着の旅行は対象外となり、お盆の帰省の自粛も呼びかけられました。また、東京以外でも、お盆帰省の自粛、飲食店の営業時間の短縮を要請した自治体もあったことに加え、手続きを巡るトラブルも多発したこともあり、国民の多くが外出自粛を選択したことも、外食利用の動きが伸びなかった要因といえるでしょう。
外食全体の売り上げはマイナスとなりましたが、テイクアウトやデリバリー部門で、売り上げプラスとなったところもあります。
ドライブスルーなどでのテイクアウト・デリバリーが好調だったマクドナルドの8月の売り上げは、唯一プラス8.2%となりました。
一方、牛丼チェーンの売り上げはマイナス8.0%です。客数がマイナス11.0%と落ち込みましたが、客単価がプラス3.5%となったことで、落ち込み分をカバーしたものの、プラスに転ずるまでには至っていません。
また、持ち帰り米飯・回転寿司もマイナス28.1%、ファミリーレストラン部門も、客数でマイナス28.1%、客単価プラス4.4%、売り上げはマイナス24.9%で、新型コロナウイルス感染へのリスクから、飲食店での会食を避ける傾向が高かったことがうかがえます。
もっとも大きな打撃を受けたのは、アルコールを提供する居酒屋やパブ、ビアホールなどです。
パブ・居酒屋部門の売り上げはマイナス57.7%、パブ・ビアホール部門はマイナス63.6%で、部門全体ではマイナス57.7%と、売り上げは大幅に減少しました。
高級レストランに代表されるディナーレストランも、売り上げがマイナス34.9%ですから、パブ・居酒屋と同様に、飲酒業態への営業時間短縮要請などが響き、売り上げは低調だったようです。
外食産業にとっては、コロナ禍は壊滅的な打撃となったようで、老舗や有名店でも、閉店を余儀なくされた店も決して少なくありません。
また、牛丼チェーンの大手・吉野家も、不採算店を閉める動きを加速させていますし、居酒屋チェーンを展開していたワタミは、居酒屋を焼き肉店に衣替えするなど、コロナを機に外食の地図が大きく塗り替わることになりそうです。
苦戦が強いられている外食店の中で健闘しているのが焼き肉店ですが、その理由は、ほかの飲食店に比べると、換気対策が行き届いているからのようです。
いずれにしても、外食の機会が減り、家での食事の増加、さらにテイクアウト需要に対応できるかどうか、十分な感染対策がとれるかどうかで、明暗が分かれるようです。
壊滅的打撃を受けている飲食店を支援するための「Go To Eatキャンペーン」も始まりましたが、スタート直後からトラブルが続出しました。これから年末にかけて、閉店に追い込まれる飲食店の数が激増するともいわれています。外食産業も、利用者も安心して外食が楽しめる日がくるのはいつになるのでしょうか。
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