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新型コロナウイルス感染症は、企業活動にさまざまな影響を及ぼしているが、人事や総務などの管理部門は、従業員の離職など人材定着に関する対応に追われているのではないだろうか。
株式会社OKANは、全国の20~60代の人事総務担当者2,000名を対象に“コロナ禍における 人事総務担当者動向調査”を実施し、人事総務担当者からみた人材定着の重要性や従業員の離職の現状、組織の課題に対する取り組みの現状を明らかにしている。
これまでは離職を検討していなかった従業員も、コロナ禍で会社への不満や将来に対する不安、柔軟な働き方を求めての転職意向を抱くなど、”離職予備軍”も潜在化しているとされ、人事総務担当者の74.5%が「人材定着の重要性が高くなっている」と回答している。
離職理由でもっとも多いのは、「人間関係」が全体の30.7%で、業界別にみていくと医療・福祉(46.9%)、次いで宿泊業・飲食サービス業(40.5%)、卸売業・小売業(38.9%)など、コロナの影響が大きいとされる業界が多くなっている。
「人間関係」の後に続くのが「キャリアチェンジ」(20.2%)、「職場環境」(18.4%)で、業界別では情報通信業(32.0%)、不動産業・物品賃貸業(28.6%)、金融業・保険業(25.6%)の割合が高くなっている。
ほかにも、「賃金への不満」や「体調不良」などの理由も寄せられているが、こうした従業員の離職理由の本音について、人事総務担当者の50.8%が「把握できていない」ことも明らかになった。
従業員が離職を申し出る際に、本音を伝えるケースは、決して多いとはいえない。本当の離職の原因がどこにあったのかを把握していなければ、効果的な人材定着の対応も難しいのではないだろうか。
人材の定着率を高めるためには、従業員の要望や意見などをいかに汲み取るかだが、そのためには、組織が抱える課題を可視化することも必要なようだ。
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