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パソコンで事務処理を行ったことがあれば、エクセルを知らない人はいないのではないでしょう。エクセルはマイクロソフト社が開発した表計算ソフトで、パソコンでの作業には欠かせない存在です。
エクセルを使うと、実は簡単に勤怠管理をすることも可能です。この記事ではエクセルを使用した勤怠管理の方法と、企業がそれを活用するポイントについて解説します。
なぜ勤怠管理にエクセルを活用するのか、それはエクセルが非常に幅広い分野に普及しているからです。多くの企業では事務処理を行う上で、何らかの形でエクセルを利用しています。そのノウハウがあれば、勤怠管理への応用も難しくはありません。
エクセルは処理速度が速く、入力したデータはさまざまな関数を使って自動的に計算処理されます。この特長を生かせば、複雑な手間がかからない勤怠管理表を簡単に作成できます。また、すでにエクセルを使っていれば、コストをかけずに独自の勤怠管理システムの構築が可能です。
エクセルには「マクロ」という便利な機能があります。この機能を利用すると、複数のステップを踏む処理を1つのボタンに集約することができます。例えば出退勤の操作を1ボタンで可能にし、残業や時間外労働などの計算も自動化できるので、業務効率化にも貢献するでしょう。
最もシンプルな勤怠管理表であれば、「減算」「SUM」「IF」という3つの関数を使って作成できます。エクセルは、無料テンプレートも多く提供されているため、自社の勤怠管理に最適なテンプレートを見つければ、ほとんど手間をかけずにシステムを構築することも可能です。
一定規模以上の企業では、独自の勤怠管理システムがあることからも分かるとおり、エクセルの活用は小規模な企業に向いていると言えるでしょう。従業員数がそれほど多くなければ、無料のテンプレートを利用してオリジナルの勤怠管理システムを構築できます。
エクセルは手入力での作業が基本なので、従業員が多い場合や複雑な給与計算が必要な場合には、人為的なミスが発生する可能性があります。ただし、従業員にパートやアルバイトが多く、時給による給与計算がメインの企業であれば、従業員数が多くても効率的にエクセルで勤怠管理ができます。
またエクセルを常時使用する企業なら、新規の導入コストがかからないという利点があります。通常の事務処理でエクセルを使っていれば、そのノウハウをさまざまな作業に応用できます。勤怠管理システムにコストをかけたくない企業にとって、エクセルの活用は大きなメリットになるでしょう。
一方で従業員数が多く、複数の部署がある中規模以上の企業では、給与の計算方法が複雑になるためエクセルでの勤怠管理には不向きです。こうした企業では、出退勤記録と連動した勤怠管理システムが必要になるでしょう。
さらに給与計算ではミスが許されないため、エクセルでシステム化するにしても、正確に関数設定などを行う必要があります。エクセルの操作に精通している従業員がいない企業では、別な方法を検討したほうがよいかもしれません。
最後にエクセルで勤怠管理を行う上で、特に注意が必要な点を挙げておきます。まず1つめは、残業や休日出勤、有給休暇などの処理が難しいことです。各部署での申請・承認手続きが必要なケースなどでは、手入力によるミスが発生する危険性もあります。
またエクセルでの勤怠管理では、労基法などのルール変更に対して自動でバージョンアップをしてくれません。法律の改正によって給与の計算方法が変わったりすると、その変更に合わせて再設定をする必要が生じます。
もう1つは厚生労働省が進める働き方改革に関わることですが、現在従業員の勤務記録は、ICカードやパソコンなどに客観的な記録として保存しなければなりません。エクセルは比較的多くの人が操作できるため、勤務記録の改ざんも不可能ではありません。厚生労働省が認める客観的な記録に、エクセルでの勤怠管理が該当しない可能性があるのです。
このように複雑な処理に対応するためには、勤怠管理へのアクセスに制限を設けたり、タイムカードと連動させたりする方法もあります。しかし複雑な処理全般を、エクセルだけでカバーすることには限界があるかもしれません。その場合は専用の勤怠管理ソフトを導入するべきでしょう。
勤怠管理を手書きではなくパソコンで記録するには、多くの人が使い慣れたエクセルを活用できれば、コストも手間も大幅に軽減できるでしょう。しかも勤怠管理と給与計算に関しては、無料でエクセルに対応するテンプレートも豊富に準備されています。
専用の勤怠管理ソフトには及ばないまでも、小規模な企業で複雑な給与計算が必要ないケースなら、事務処理で大いに定評のあるエクセルが活躍するかもしれません。エクセルの機能を最大限に活用して、低コストで使いやすい勤怠管理システムを作ってみてはいかがでしょうか。
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