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未公開株を、株式市場に新規上場するIPO(Initial Public Offering)は、売出価格(公募価格)よりも高い初値がつくことが多いため、投資家にとっても未上場企業にとっても、大きなメリットをもたらします。それだけに、株式上場のための厳しい審査基準をパスする必要がありますが、IPO目指すならどのような準備が必要となるでしょうか。
IPOが注目を集めるのは、公募価格よりも高い初値がつくことがほとんどで、すでに公開されている株に比べ、価格の上昇幅が大きいことから、投資家にとっては大きな魅力です。また、企業にとっても、上場することによって資金調達がしやすくなります。
IPOの件数は、リーマンショック直後に激減しましたが、それ以降は右肩上がりで増加し、現在は“新規市場の勃興時代”と言われています。
株式市場への上場を果たすということは、一流企業として社会的にも認知されることにつながります。同時に、株式公開後は上場企業としての社会的責任や経営責任も問われることになります。
それだけに、株式上場を果たすためには、厳しい審査基準をパスしなければなりませんし、そのために用意周到な準備をしておく必要があります。
起業間もない小規模のベンチャー企業にとっては、事業の拡大など飛躍的な成長のきっかけになるだけに、IPOを目標に掲げて事業を展開している企業も多いことでしょう。
IPOを目指すには、まず、株式上場のパートナーとなる主幹事証券会社、監査法人、ベンチャーキャピタルや顧問弁護士などを選定する必要があります。
主幹事証券会社は、上場準備についてさまざまな角度からのアドバイスを行い、証券取引所に上場を申請する段階に入る頃には、第三者的立場から、申請する企業の審査も行います。
監査法人の役割は、企業をさまざまな角度から総合的に調査し、企業の現状、解決すべき課題、上場までのスケジュールなどを企業に提示します。企業は、その提示された内容から、株式上場を行うことが適切か判断することになります。
IPOの準備には、内部向けと外部向けと多岐にわたりますが、上場企業としての一定の基準を満たしていることを外部に示し、それを認めてもらうためには、通常2年半から3年程度はかかるとされています。
内部向けとしては、社内的な業務プロセスや管理体制を見直し、社内のコンプライアンス遵守や、適正な財務報告を実施するための内部管理体制を、しっかりと構築する必要があります。そのためには、社内に専門チームを立ち上げることも必要になるでしょう。
準備には、相当の時間と労力が必要となりますから、通常の業務体制でこなすことは、時間的にも物量的にも無理があり、日常の業務に支障をきたしてしまうほか、上場までのスケジュールにも狂いが生じてきます。
計画通りに株式上場準備を行うためには、専門のチームを編成し、上場準備のための体制を万全にして取り組む、強い姿勢が求められます。
株式市場に上場となれば、企業や経営者には、社会的責任や経営責任も生じてきます。企業の成長に結びつくIPOには、その責任の重さを十分に認識して取り組むことが重要となりそうです。
IPOの準備を進める専門チームの編成には、総務や経理・財務の管理部門担当者だけではなく、営業部門や技術部門などの、現場の事情をよく知っているメンバーの編入も重要です。現場の視点が欠けていると、思わぬ落とし穴もありそうです。それだけ、上場を果たすまでにはいくつものハードルがありますが、それを乗り越えたところに大きな褒美があるのがIPOということでしょうか。
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