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2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、企業の雇用情勢が厳しくなりました。新卒採用見送りや早期・希望退職募集などの報道を目にする機会が多く、コロナショックによるダメージの大きさを実感した一年だったでしょう。
厚生労働省は2021年1月29日に、2020年12月および2020年(1年間分)の有効求人倍率(季節調整値)を発表。その内容は、日本の雇用情勢の悪化を裏付けるものでした。
有効求人倍率とは、求職者1人あたり何件の求人があるかを示す数値で、厚生労働省が毎月発表しています。本記事では、この最新情報をご紹介します。
2020年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.06倍で、前月と同水準となりました。月間有効求人数(企業からの求人)は209万5,200人で、前年同月(266万6,128人)に比べて57万928人も減っています。
一方、正社員有効求人倍率は0.81倍で、前月から0.01ポイントプラスになりました。
2020年12月の新規求人倍率は2.07倍で、前月を0.05ポイント上回りましたが、前年同月(新規求人倍率:2.43倍)と比較すると18.6%減に。人数で見ると、2020年12月は72万2,181人で、前年同月の88万7,713人から16万5,532人減り、12か月連続で減少しています。
2020年12月の新規求人を産業別にみると、建設業(6.5%増)は増加でしたが、宿泊業・飲食サービス業(31.4%減)、生活関連サービス業・娯楽業(30.8%減)、卸売業・小売業(28.3%減)、情報通信業(26.8%減)、運輸業・郵便業(25.2%減)と、他の産業は軒並み減少となりました。
2020年1年間の月平均の有効求人倍率は1.18倍で、前年の1.60倍を0.42ポイント下回りました。月平均の有効求人数も前年に比べて21.0%減となり、有効求職者(前月から繰越された求職者数と当月の新規求職者数の合計)は6.9%増に。
求人数減・求職者数増で、仕事が決まりづらい状況が明らかになりました。
(上記文章およびグラフについて)
1.月別の数値は季節調整値である。なお、令和元年12月以前の数値は、令和2年1月分公表時に新季節指数により改定されている。
2.文中の正社員有効求人倍率は正社員の月間有効求人数をパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しているが、パートタイムを除く常用の月間有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる。
3.文中の産業分類は、平成25年10月改定の「日本標準産業分類」に基づくもの。
※グラフは厚生労働省 公式サイト「一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について」より転載
厚生労働省の今回発表のデータでは、都道府県別(就業地別)の有効求人倍率も出ています。以下は2020年12月の結果です。
順位 |
都道府県 |
有効求人倍率(受理地別・季節調整値) |
1位 |
福井県 |
1.54倍 |
2位 |
岡山県 |
1.41倍 |
3位 |
島根県 |
1.37倍 |
順位 |
都道府県 |
有効求人倍率(受理地別・季節調整値) |
1位 |
沖縄県 |
0.72倍 |
2位 |
神奈川県 |
0.76倍 |
3位 |
滋賀県 |
0.82倍 |
ちなみに、東京都は1.16倍、大阪府は1.10倍でした。前年同月を見ると、東京都は2.08倍、大阪府は1.76倍、2020年12月に最高を記録した福井県は2.02倍。改めて、2020年の有効求人倍率は全体的に、前年から悪化したことがわかります。
有効求人倍率の最新発表と同じ2021年1月29日、総務省は労働力調査を公表しました。これによると2020年平均の完全失業率は2.8%で、前年から0.4ポイント上昇に。また、2020年12月の完全失業者数は194万人で、前年同月に比べて49万人増、11か月連続の増加となりました。
コロナ禍は終息の兆しが見えず、多くの企業は今後もしばらくは試練の日々を過ごすことになるでしょう。人々が働きやすい世の中に早く戻ることが望まれます。
<参照サイト>
◆厚生労働省 公式サイト
「一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について」
「一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について」
◆総務省統計局 公式サイト
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