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昨今、政府が電子決済(キャッシュレス決済)の普及に力を入れており、企業にとっても導入しやすい環境が整備されつつあります。電子決済の特性や機能を上手に活用する方法とはどんなものがあるのでしょうか?
電子決済とは、デジタルデータの送受信によって決済をする方法で、クレジットカードや電子マネー、デビットカード、プリペイドカード、スマートフォンのアプリを使ったQRコード決済などがあります。
現金での受け渡しの必要がない電子決済は、スーパーやコンビニ、飲食店、オンラインショッピングなどで多く利用されており、新型コロナウイルスの感染症の予防対策としても注目を集めています。
ところで、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公表した「キャッシュレス・ロードマップ 2020 世界主要国におけるキャッシュレス決済状況」によると、2017年の日本の電子決済率は21.4%です。
世界主要国の電子決済比率は、韓国が97.7%で第1位、次いで中国が70.2%、カナダが62.1%と続いています。日本は周回遅れのような状態ですが、政府は2025年までに電子決済比率を4割程度にまで引き上げる目標を掲げています。
その結果、企業にとっても電子決済サービスを導入しやすい環境が整ってきました。問題は、導入に見合うだけのメリットがあるのか、ということです。
企業が電子決済を導入することで得られる最大のメリットは、現金管理の手間を省くことによって、時間と労力を大幅に削減できることです。
もっとも効果がわかりやすい小売店のケースをみてみましょう。現金でのやりとりがなくなるため、金額間違いなどの人的ミスや、小銭の用意やレジ締めといった現金管理の手間が省け、その分を顧客サービスの充実に回すことができるようになります。
また、利用金額に応じてポイントやマイルを付与することで、リピーターの獲得にもつながります。販売情報や顧客情報を活用することで、マーケティング施策や経営戦略に利用することもできます。
電子決済を導入するデメリットとしては、決済手数料を企業側が負担しなければならないことです。小規模な飲食店や小売店にとって、決済手数料は大きな負担に感じることもあるでしょう。
さらにクレジットカードや電子マネーなどに対応した決済端末を設置しなければなりません。販売データを活用するためには、POSレジシステムも不可欠となり、かなりの初期費用がかかります。さらに導入コストだけでなく、毎月の運用コストもかかります。
また、現金決済では、すぐに手元に現金が入ってきますが、電子決済では売上が生じてから入金されるまでのタイムラグがあります。資金計画に狂いが生じないよう、その点をしっかりと確認しておくことが大切です。
初期費用とランニングコストがかかることを考えれば、電子決済の導入に慎重になる企業も多いでしょう。
電子決済サービスは事業者によって、契約内容や運用方法が違い、手数料やセキュリティ対策なども様々です。特定のサービスに特化したものもあります。まずは、電子決済導入の目的を整理し、自社に合ったサービスを選ぶことが、電子決済を上手に活用する第一歩といえるでしょう。
日本でも諸外国のように、今後ますます電子決済は浸透していくと予想されます。電子決済の導入は初期費用などのデメリットもありますが、消費者ニーズを考えると大きなメリットもあります。
電子決済の導入で失敗しないためには、各サービスの特性や機能を理解し、比較することが大切です。ご紹介したメリット・デメリットを参考に、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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