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新入社員の採用や、教育に携わってきた担当者にとって、目を覆いたくなるような現実が、日本労働調査組合の「新社会人の勤務意識に関するアンケート」調査で明らかになった。
2021年卒の新社会人の入社後のイマを調査するために、会社員の男女472名を対象に実施(5月)したアンケート調査によると、「入社後に退職を検討した」が全体の50.6%(男性54.9%。女性48.4%)で、4月に入社したばかりの新社会人の半数が、既に退職を検討しているというのだ。
この調査は、緊急事態宣言解除後の4月にも実施しているが、そのときは44.0%だったが、ゴールデンウィークが終わり、緊急事態宣言が続く中で行われた5月調査では6.6%増となり、新社会人が自身の将来に不安を感じて「退職を検討」していることがうかがえる。
では、退職を検討する理由である。つまり、入社した会社で働き続けることに対して、どのような懸念を抱いているのだろうか。
1位は「人間関係」の22.0%、2位が「給料が安い」の17.0%、3位が「やりがい」の8.2%、4位が「給料が上がるか」の6.9%である。
一方、退職を検討はしているものの、売手市場一色だった就職活動から、コロナ禍での厳しい就活を経ての入社だけに、退職後に希望する転職先が見つかるかどうかという不安を半数近く(43.6%)が抱えていることもわかった。
2021年卒の新社会人のイマを知るために、入社した会社で働くことのメリットとデメリットを比較すると、下記の結果となっている。
【メリット】 |
【デメリット】 |
|
---|---|---|
1位 |
自身の成長(18.7%) |
給料が安い(13.9%) |
2位 | 給料がいい(12.4%) |
長時間労働(8.6%) |
3位 |
人間関係がよい(11.5%) |
人間関係(7.5%) |
4位 |
福利厚生(10.0%) |
体調不良(6.4% |
デメリットで最多(28.9%)となったのが、カテゴリに属さない「その他」だが、その中には「異動がある」「研修が充実していない」「会社の将来性」「休日が不定期」「コロナウイルスの影響」「社内交流がない」などが挙げられている。
新社会人の働くことのメリットとして、自己成長、給与、人間関係、福利厚生が上位にあるが、新社会人がメリットと感じていることを、会社側がどの程度理解するかが、退職を思いとどまらせることにつながりそうだ。
そのためには「従業者本人が自己成長を感じているか」「給与や福利厚生に納得しているか」「人間関係に煩わしさを感じていないか」などを、注意深く見守る必要がありそうだ。
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