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働き方改革を推進する国の施策もあり、一般企業でも正社員の副業が徐々に認められるようになりました。これには、新型コロナウィルスにより本業での収入が減少していることも関係があるでしょう。
では、企業経営の中枢を担う管理部門の社員でも、自由な副業は認められているのでしょうか。今回は副業というテーマに沿って、MS-Japanが実施した調査にもとづき、企業と管理部門社員との意識の違いについて検証してみましょう。
目次【本記事の内容】
MS-Japanが2月19~26日に実施した調査によると、経理や人事をはじめとする企業の管理部門の中で、現在副業をしている人の割合は13.9%で、していない人は61.2%という結果になりました。また、管理部門の副業を認めていない企業の割合は、全体の約59%にのぼることも分かりました。
この結果を見ると、働き方改革が叫ばれる中で、伝統的な日本企業の意識はそれほど変化していないように思えます。一方で、副業を認めている企業に対しては、調査回答者である管理部門社員の実に74.5%が、「柔軟な働き方に対応している」として高く評価しています。つまり、企業そのものと管理部門との間には、副業について大きな意識のギャップがあるのです。
厚生労働省は平成30年1月に、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、正社員の副業を具体的に支持する考えを示しました。このガイドラインには、労働者が労働時間外の時間をどのように使うのかについて、基本的に労働者の自由であることも明記されています。
また現行の法律上では、管理部門のみならず労働者全体の副業を禁止する規定はありません。それに対して、各企業の就業規則において副業の禁止が規定されていたとしても、法律上の観点からは何の効力もないと言えるのです。
企業の管理部門を担当するスキルがあれば、幅広い種類の副業から自分に合ったものを選択できるでしょう。副業は収入を増やすことが主要な目的になりますが、それ以外にも多くのメリットが考えられます。
まず本業にも生かせるスキルや、それ以外のスキルを新たに磨けるという点が挙げられます。本業とは別なキャリアを形成することで、さまざまな資格を取得するチャンスも生まれます。さらに、将来の起業や転職を検討している場合、副業を有効に活用できるかもしれません。
ただし注意点としては、本業と副業とを合わせると長時間労働になり、健康面や生活面で問題が生じるケースが考えられます。副業によって本業に支障が出ることは本末転倒、絶対に避けなければならないことです。
一方の企業側は、なぜ副業に否定的なのでしょうか。
企業にとっても副業を認めることで、いくつかのメリットが生まれます。まずは社員が外部から新しい知識やスキルを持ち込んでくれること。また、副業を解禁することで逆に本業への定着を促し、転職などによる人材の流出を防げる可能性もあります。
それに対して企業側が副業に消極的なのは、自社の情報が社員を通して漏洩する危険性があるからでしょう。社員が同業他社もしくは競合関係にある企業で副業をしたりすると、特に管理部門という重要な地位にある社員の場合、何らかのトラブルにつながる可能性も否定できません。引き抜きにより、貴重な人材が失われるリスクもないとは言えません。
管理部門は企業経営になくてはならない存在であり、その分業務内容にもハードな面があるため、もしも副業をプラスすることで健康上の問題が起こった時には、業務に支障をきたすのみならず、責任の所在が不明確になるというリスクもあります。
さまざまな調査機関が行っているアンケートを見ても、企業が副業解禁に二の足を踏むのは、自社の業務に影響が出る可能性が最も大きな理由です。企業経営を支える重要な立場の管理部門の社員が副業を考える上では、今後こうした課題を解決する取り組みが求められるはずです。
法律上は問題ないとはいえ、会社の就業規則で副業が禁止されている場合は、それに従った方がよいでしょう。副業が発覚して管理部門から外されたり職を失ったりしたら、人生が変わってしまいます。
もしも副業が認められる場合でも、管理部門としての任務を意識して、なるべく本業とは関連性のない業種を選ぶべきです。万が一のトラブルを避けるために、会社の就業規則を熟読しておくことも忘れないでください。
日本の職場環境では、まだ管理部門社員が公然と副業を持つことは難しいようです。一般社員でさえ副業はあまり歓迎されない土壌の中で、管理部門という責任ある立場の社員が副業をするためは、まだまだ解決すべき課題が多いと言えます。
しかし政府が推進していることもあり、今後は管理部門でも働き方改革が進む可能性があります。ただし、企業と社員との間には、副業についての意識に大きなギャップがあることを忘れない方がよいでしょう。副業はあくまでも副業とわきまえて、本業をおろそかにしないことが大切です。
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