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「本気の副業、本気の労務」これからの働き方はどう変わる?

公開日2018/08/29 更新日2018/08/27

さる7月18日、Manegy×freee共催meetupイベント「新しい人事労務の働き方」が開催されました。
MS-Japan働き方研究所もイベントへ参加させて頂いたので、今回はイベントレポートを書かせて頂きます。

人事の中でも採用ではなく労務、特に新しい働き方にスポットを当てたこの企画。
freee社の広々としたお洒落なイベントスペースにこれから展開されるトークセッションへの期待とテンションが高まります。

今回はfreee株式会社 労務管理チームマネージャー古塚大輔氏(以下、古塚氏)がモデレーターとなり、ゲストスピーカーに株式会社モザイクワーク取締役の高橋実氏(以下、高橋氏)と株式会社ユーザベースでコーポレート部門を統括する松井しのぶ氏(以下、松井氏)を招いて行われました。

※登壇者のプロフィールは過去記事参照

フルコミット=フルタイム(出社)という固定概念を打ち破る

まずは「本気の複業」を自ら実践することで「人体実験」されている高橋氏を中心に、副業についてのトークセッションです。

高橋氏が本気の複業に取り組むことになった背景の一つに、転職活動時にどうしてもフルコミット=フルタイムとして扱われることに違和感を持ったとのこと。

雇用と労働時間に関する話題は尽きないものの、フルコミット=フルタイム出社という、一人の労働を100としてそれを複数に配分するという図式の根本を問う高橋氏の切り口は新鮮でした。

お話しの一つに「ちゃんと出社しているから」「勤務時間分は働いているから」という事実はお互いに対する保険にしかならないという内容がありました。すでに在宅勤務やフルフレックスといった働き方が一般化され、自由な働き方が導入されつつある昨今、会社に対して社員が何をコミットするのか?について、今後も多様化が進みそうな予感です。

少し前まで「残業している人間が評価される」という図式がありましたが、それと同じく、社内にいることが業務へのコミットという固定概念もいずれは古くなっていくのかもしれません。

企業と働き手、副業の良い関係

副業元年とも巷で言われるほど、副業はホットな話題になりつつありますが、こと「労務担当」の目線からは頭を悩ますのが労務管理手法の問題でしょう。

会社としての線引きやルール作りも重要ながら、実際に労務として給与計算や有給休暇の管理を行う労務担当の実務も複雑になってきますね。

まだまだ大部分の方にとって副業は「収入を追加または補填する手段」という位置づけが多数かもしれませんが、古塚氏と松井氏のお話からは、町おこしなどの社会貢献やキャリアを磨くための副業をする働き手の姿が浮かび上がってきました。

企業で働くことが必ずしも「本業」とも限りません。例えば社会人経験が未熟な状態で起業した若者が、収入と経験値の取得のためにユーザベース社で「副業」するといった姿も語られました。

現在置かれているポジションではなかなか挑戦できない仕事にチャレンジし、経験を得、キャリアの広がりの足掛かりにするにも、副業はリスクの少ない効率的な手段と言えそうです。

また、人生80年、90年時代の超高齢化社会である日本では定年後のセカンドキャリアへの準備としても有効と言えるでしょう。

高橋氏曰く「金銭目的では本気の複業は今の日本ではまだ無理」。自身の想いの実現に向けての活動であるからこそ、時間ではなく気持ち・成果でフルコミットする本気の複業がなりたち、本業で務める企業にとってマイナスの副業ではなく、win-winの関係が成り立つのですね。

企業の目線からすると、本業に差し支えないのか、当社で得たスキルを他社で活用することは良いことなのか、まだまだ葛藤を抱える企業が多いかと思います。

ですが、目覚ましいスピードで変わる社会にいつまでも対応し続ける必要を求められる時代。企業がすべて責任をもって人材を育ててあげることも困難な時代、個々人が新しい能力の開花のために、新しい働き方である副業を活用していくことを許容し、後押しできる企業がもっと増えていければと思います。

人事労務は経営に最も近い仕事

後半は「攻めの労務」を実践するお二人からの熱いトークが展開されました。

経営に必要な3つの柱、事業戦略、マーケティング戦略、人事戦略の内、特にベンチャー経営者が最も苦手とし自分の時間を割くことができないのが人事戦略であるからこそ、人事には最も経営に近い目線が要求され、また経営に近い面白い仕事であるという話の展開に会場の熱気も上がったように感じられました。

高橋氏のお話に「ルーティンとして捉えるとなんでもない勤怠管理ですが、それは社員の仕事の日記帳のようなもの。数か月分の勤怠管理からは社員のモチベーションの変化が見えてきます。」という内容がありました。

労務担当者の皆さんが普段目にする勤怠管理表など、実は人事労務は経営データの宝庫であるというのは「確かに!」と思える面白いご指摘でした。

新しい働き方の時代に必要とされる労務

松井氏のおっしゃる「景色の交換」という言葉も印象的でした。

人事が自分の目線で社員に押し付ける制度であってはいけない、現場から上がってきた本当のニーズに合わせて制度を作る。

企業カルチャーは教えるのではなく、現場の中でスムーズに浸透していくのを助ける。

確かに中途採用支援の現場でも、管理部門のポジションに「現場感覚」「現場との共有意識」を求める声は比較的強くあります。

ただ、実際には経営と現場との板挟みとなり、現場に共感しながら経営者の意図を組んで意思決定していくことを要求される人事労務とはなんと大変な仕事なんだろうと改めて感じさせられました。

経営者のイエスマンでもなく、しかし、経営者の判断基準を深く理解し体現していく。そこで人事として現場の声や声なきデータから制度を作り、運営し、時にはつらい判断も…。

人事労務は新しい働き方の時代でも、益々重要であり続けることが今回のセッションで実感させられました。


熱いトークを共有した参加者の方々の、懇親会での自然な交流も印象的でした!
普段社内に真摯に向き合う人事労務の皆様だからこその悩みや疑問をぶつけ合う充実した時間が過ぎていき、第2回、第3回と開催を期待したくなりました。

働き方研究所でも今後、副業や人事労務のミッションについて、取り上げていきたいと思いますのでご期待下さい。

(文/MS-Japan働き方研究所 松下麻衣)

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