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ワークライフ・バランス(仕事と生活の調和)が重要視され、労働時間の削減や休日数の増加など、多様な働き方が尊重される時代となっています。ところが、そんな時代に注目されるのが“週7日勤務”という働き方です。一体、どのような働き方なのでしょうか。
“週7日勤務”と聞くと、週に一日も休みがない、まさに時代に逆行する働き方のような印象です。労働基準法35条には、労働者には毎週一日の休日か、4週間を通じて四日以上の休日をとらせることを義務付けていますから、そもそも”週7日勤務“をすることはできません。
しかし、いま注目されている“週7日勤務”は、2018年に国際的なエンジニアリング企業のアラップ(Arup)が試みた、自分の都合に合わせて働く日を選び、平日に休みをとることができるという“柔軟な働き方“です。
つまり、7日間連続して勤務するというのではなく、社員が自分で働く日、休みの日を決めることができるというものです。
アラップでは、2019年にもリヴァプールで、この“週7日勤務”を試行していますが、約6,000人の社員の82%がフレックスタイム勤務に変更し、その3分の1が3週間の試行期間中に、少なくとも一度は週末に働くことを選んだそうです。
注目すべきはその成果ですが、10人のうち9人が「ワーク・ライフ・バランスの改善と生産性が向上した」と答えたという点です。“週7日勤務”は、時代が求める柔軟な働き方に対応した勤務体制と言えるのかもしれません。
この“週7日勤務”を取り入れている企業はアラップだけではありまでん。デザイン企業のBrightCarbonやオンラインゲームのスタートアップであるStakesterも、柔軟な働き方を認めています。
もっとも、自分の都合だけで働く日、休みの日を決めることができない業種や職種もあります。管理部門担当者は、顧客対応などもあり、自分の都合よりも取引先の都合を優先しなければならないでしょう。
一方、エンジニアなどの技術系は、仕事の進捗状況によっては、夜や週末に仕事が集中することもあります。プロジェクトに基づく限定的な業務の担当者には、“週7日勤務”は最適な働き方かもしれません。
土日も含め勤務時間を自分で決めることができる“週7日勤務”は、労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内(労使協定)で、始業・終業時刻を労働者が自主的に決定することができるフレックス体制の進化形とも言えそうです。
この“週7日勤務”が注目を集めているのは、”週4日勤務・週休3日“ということも、現実味を帯びてくるからです。一日の勤務時間を長くすればそれも可能となり、ワーク・ライフ・バランスという観点からは、一歩も二歩も前進することにつながるのではないでしょうか。
社会全体が週末の土日が休みですから、普通に考えれば土日に休みたい人が多いでしょう。でも、たとえば共働き夫婦の場合、休みが違う場合もありますし、子どもの学校行事などが平日に行われる場合もあります。
柔軟な働き方ができるようになれば、夫婦や家族と過ごす時間、あるいは自分の趣味に費やす時間も増えることになりそうです。いずれにしても、これからの時代にふさわしい柔軟な勤務制度の導入を、さまざまな角度から検討することが企業には求められることになりそうです。
このような柔軟な勤務制度を導入することにより、管理部門には勤怠管理の手間が増えることになりそうです。しかし、既に導入している企業によれば、スケジュール管理ツールなどを活用することで、その問題は解決できるそうですから、導入を検討してみる活用がありそうです。
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