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電子になってもまだ続ける?謎のビジネスマナー「お辞儀ハンコ」とは?

公開日2021/08/06 更新日2021/08/07


これって何の意味が?と思いながらも、ついつい続けてしまっているビジネス慣習はありませんか?新入社員教育や先輩社員に教えられたから、という理由で深く考えることもなくいつのまにか習慣になってしまい、自分も後輩に教えていたなどということはよくあるお話です。今回はテレワークの普及で問題となった、ハンコ文化にまつわる「お辞儀ハンコ」を例に謎のビジネスマナーについて考えます。

テレワークの妨げとなった紙文化とハンコ文化

働き方改革や新型感染症の影響で普及の進むテレワークですが、その実施率は同じ会社内でも部門によってばらつきがあります。シンクタンクのパーソル研究所が2020年の11月に調査した「職種別・テレワーク実施率」によると、企画・マーケティング部門が64.6%でトップ、以下はIT系技術職が55.6%、営業職が35.1%となりましたが、財務・会計・経理・法務部門は28.8%にとどまりました。

別の調査で経理部門や法務部門がテレワークできない要因をアンケート調査したところ、「請求書の作成および発送」や「契約書類の押印・発送」などがその理由として挙げられており、「紙文化」と「ハンコ文化」が同部門のテレワーク普及を阻害していることがわかりました。

行政手続きにおける認印の押印を全廃

新型感染症の感染拡大によるテレワーク普及促進の必要性もあってか、政府は2020年11月、行政手続きにおける認印の押印を全廃する方針を発表しました。ただし実際には、2018年に発表された「デジタル・ガバメント実行計画」の中で、行政手続きにおける押印はデジタル化の障壁としてすでに問題視されており、ハンコの代替手段検討は時間の問題だったともいえるでしょう。

ともあれこの発表を契機として、一般企業でもハンコを廃止する動きが加速したことは間違いありません。ハンコの代替手段としては電子署名が一般的ですが、電子署名ではデータに電子的な署名が付与されます。今までのように書類上に印影(紙に押された朱色の部分)は必要ないのですが、古くからの慣習で(データ上であっても)書類に印影が欲しいという要望が根強くあります。そこで話題となったのが、今回のお辞儀ハンコです。

謎のビジネスマナー「お辞儀ハンコ」とは?

愛知県名古屋市に本社を置く印章・スタンプの製造販売メーカー、シヤチハタ株式会社は電子決裁サービス「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」をリリースしていますが、このアプリの印影は0〜360度まで、任意で傾けることができます。シヤチハタは1995年から電子印鑑システムを開発・販売していますが、2007年からこのような機能をアプリに実装しており、それはユーザーからの要望によるものなのです。

印影を傾ける機能が必要な理由には、お辞儀ハンコという慣習が影響しています。一般的な書類の承認欄は一番左が最上位の承認者、一番右が最下位の申請者というような構成になっていると思います。このような書類に押印する場合、お辞儀ハンコでは右側の押印者から順に印影を左に傾けていくのです。見た目ではこれがあたかも上位者に向かってお辞儀をしているように見え、承認者に敬意を表すビジネスマナーとして運用されています。

また決裁内容に不本意である場合、印影を逆さに押印することもあるそうですが、このようなルールは本来必要なのでしょうか?シヤチハタ社の広報担当によると、このような慣習は主に官公庁や金融機関で現在も行われているそうです。

まだまだある謎のビジネスマナー

このようなお辞儀ハンコ以外にも、皆さんのまわりにはその意図がよくわからない、もしくは無意味に思えるビジネスマナーはないでしょうか?たとえば、以下のようなビジネスマナーです。

  • 接待の乾杯などで顧客とグラスを合わせるときは、下側からグラスを当てなければいけない
  • 客先での会議ではスマホで写真を撮るのは失礼にあたるため、ホワイトボードのメモは紙に書き写す
  • 客先に送るeメールの宛先欄には、役職順にアドレスを追加していく(上位者が左)
  • 客先で出されたお茶や茶菓子には手を付けてはいけない

    これらは実際に、一部の企業で運用されているビジネスマナーです。ただしこれ以外のビジネスマナーでも、そのすべてが悪いというわけではなく一般的に通用し相手も違和感を抱かないビジネスマナーであれば、それは尊重されるべきです。

    まとめ

    ビジネスは、効率を重視して進めていくものです。古くから慣習として行われていることや、現在ではあまり意味の無くなったビジネスマナーは、効率の観点から一度見直し、非効率的なものは撤廃していくべきなのかもしれません。

    また、自社の常識は決して他社の常識ではありません。偏った常識にとらわれすぎると、自社の行動(たとえば商習慣)が相手にはとても奇異に見えてしまうこともあります。ビジネスにおいては自分たちの立場だけで物事を考えず、公平な目で他社との関係を築いていきたいものです。

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