公開日 /-create_datetime-/
令和3年度の電子帳簿保存法改正により、税務署長への事前承認制度の廃止や、スキャナ保存制度要件が大幅に緩和されるなど、多くの要件廃止や緩和がされました。
経理業務における効率化が図れる一方で、改正による注意点も把握しておく必要があります。
今回は、令和3年度の電子帳簿保存法で大幅に改正されたポイントと、改正に伴う2つの注意点を解説します。
令和3年度の電子帳簿保存法の改正が行われ、令和4年1月1日から施行されます。まずは、大幅に改正されたポイントを押さえておきましょう。
要件の廃止や緩和により多くの企業が電子データ保存の導入を検討する一方で、改正に伴う注意点が2つあります。
令和3年度の電子帳簿保存法改正で最も注意したいのは、不正による重加算税の課税措置が新たに設置されたことです。
スキャナ保存制度の現行法以上に企業へのメリットが大きくなった分、不正に対しては厳しい措置が設けられました。
電子取引データやスキャナ保存データの改ざん、削除、不正利用などが発覚した場合、これまでの追徴税額35%に重加算税10%が加重されます。
たとえば、従業員がスマホなどで撮影・電子化した領収書の画像を複数回使用して、二重に経費を申請するケースが考えられます。
内部統制の徹底、内部・外部監査の実施、電子帳簿保存法に対応したシステムサービスの活用など、リスクヘッジの仕組みを設けて不正を防ぎましょう。
現行では紙ベースでの保存が可能ですが、電子取引データの書面保存廃止に伴う注意点は、取引先から請求書や領収書などのPDFファイルをメールで受け取った場合、改正後は紙にプリントアウトして保存できなくなるのです。つまり、令和4年1月1日以降は紙ベースでの保存は原本としてみなされなくなります。
社内での事務処理規程の備え付け・運用により対応できますが、検索機能や保存場所を用意して要件を満たす必要があります。
簡単な対応策として、スキャナ保存同様にPDFファイルに自社内でタイムスタンプを付与する方法がおすすめです。
電子帳簿保存法に対応することでバックオフィスの効率化が図れるものの、課題も残されています。
まず一つは、スキャナ読み取り情報の確認にかかる労力が大きいことです。領収書のスキャナ画像が要件に合っているか正確性を確認する作業が伴うため、従業員数が増えるほどに経理部担当者への業務負担が大きくなるでしょう。
領収書のスマホ撮影時に手ぶれを起こす可能性や、手が写り込んでいて情報が欠落するなど、要件を満たさない可能性もあります。
斜めからの撮影、折れ曲がり、不鮮明で情報を読み取れない場合なども要件を満たさないため、廃棄前に再度確認の手間がかかるでしょう。
次に、導入コストと同時に意識改革も必要だということです。企業や経理担当者にとって、ペーパーレス化や電子帳簿保存法に対応したシステムの導入は、実務面・意識面における大改革といっても過言ではありません。
スキャナ保存時のタイムスタンプの発行だけでなく、法的要件に則したシステムの導入には相応のランニングコストがかかります。
さらに、経理担当者が慣れるまでは一時的に負担がかかり、業務の遅延が起きることも想定しなければなりません。
役員レベルが、このようなコストをかけてでも電子帳簿保存法に対応する意義を感じなければ、対応は進まないでしょう。
繰り返しアップデートが行われてきた電子帳簿保存法ですが、令和3年度にも大幅な改正が行われました。
廃止や要件緩和など大幅な改正により、これまで二の足を踏んでいた企業も対応しやすくなったことは確かです。その一方で、不正に対する罰則はこれまで以上に重くなっています。
これから対応する企業は、電子データの不正ができないシステムやAIを活用したシステムの導入を検討するとよいでしょう。
※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁や専門家にご確認ください
契約管理の現状
雇用契約書の記載事項を知りたい方必見!必須事項や注意点を解説
コロナで変わった人事現場の実態 人事給与アウトソーシングサービスを提供する三菱総研DCSが解説!
電子契約における代理署名・代理押印
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
開催直前企画!「Manegy ランスタWEEK for 経理&法務」の全てをご紹介!
副業制度がある会社は約3割で前回調査より増加傾向。一方、副業人材を活用している企業は1割未満
25卒生の“企業選びの軸”は? 4割超が「DXの取り組み」を重視、“テレワークの採用”がポイントか
ランスタ開催直前告知!成長企業の経理担当者なら押さえておきたいウェビナーは…?
【管理部門・士業の実態調査】2024年度の給与アップと人事評価の実態とは?
フリーアドレス制準備完ぺきガイドBOOK ICTツール編
株式会社I-ne導入事例~月間の受注データ件数は20万件以上!『 Victory-ONE【決済管理】』の導入で 業務効率化と属人化の解消を実現~
転勤手配を楽にしたい! 『賢く転勤手配サービスを選択するポイント』
中堅大企業のための人事給与BPO導入チェックポイント
誰もが悩む5つの組織課題をサーベイ導入で解決するヒントとは?
社内不正被害、人材の流動性が高い4月から6月は要注意 被害の6割近くは「情報持ち出し」
学生の就職観は「楽しく働きたい」「ノルマがきついのは嫌!」~企業が採用活動をするときのポイント~
【2024年度の賃金動向】企業の約6割が“賃上げ見込み”過去最高記録を更新へ。半数超が「ベースアップ」を実施予定
経費精算システムで経理業務を劇的効率化! おすすめサービスも厳選紹介
労働者との間で増加するトラブル、不当労働行為を回避する企業の心得
公開日 /-create_datetime-/