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迫る2025年の崖、DX推進とデジタル人材不足の解消は間に合うのか?

公開日2021/10/02 更新日2021/10/03


デジタル化のさらに先を見据えて、今世界では「DX(Digital Transformation):デジタルトランスフォーメーション」を推進する動きが加速しています。また、新型コロナウィルスによる社会環境の変化も、DXに対するニーズを高める一因になっています。

ところがDXをビジネス界に拡張するためには、慢性的な人材不足を解消することが急務です。この課題に国内企業はどのように対処するのか、この記事では、DXの伸展とそれを支える人材の問題について検証します。

世界的に進むDXとは?

「2025年の崖」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは現在稼働中のITシステムの老朽化が進み、それを構築してきた技術者が定年を迎える時期にあたるため、デジタル化された社会システム全体が危機的状況に陥るという問題です。

この問題を解決して、さらに効率的で統合的なデジタル化社会を構築することが、DXという新たな仕組みです。このなかにはIoT、AI、5Gなど、現在進化を続ける技術が組み込まれ、その他のデジタル技術とも融合しながら、一元的に管理、運用できるシステムとして稼働させることになります。

国内DX導入の現状

DXは特定の分野でのみ進めるものではなく、さまざまなビジネスで活用することが理想的です。DXの現状については、総務省が2021年7月に発表した「令和3年度版情報通信白書」で詳細に分析されていますが、そこでは理想と現実とのギャップを見ることができます。

参考:総務省「令和3年度版情報通信白書」

日本は主要先進国の中で、労働生産性が極めて低いことで知られています。そのためにDXの推進が急がれているわけですが、業種や業態から分析すると、DXが伸展しているのは大企業と情報通信業が中心で、中小企業やサービス業では導入がかなり遅れています。

また地域による取り組みの違いも顕著で、東京23区の大企業での実施率は、地方の中小企業の5倍以上という格差が生まれています。さらに現在DXに取り組んでいない企業では、今後の実施にも消極的だという結果が報告されています。

深刻化するデジタル人材不足

「令和3年度版情報通信白書」では、DXに関わる人材不足の課題についても詳細に分析されています。まず他の先進国と比較して、日本ではデジタル人材がIT分野に集中する傾向が強く、実に全体の72%がIT企業に勤務しています。これはアメリカの34.6%やドイツの38.6%などと比べて段違いに高い数字です。つまり、IT企業以外では常に慢性的なデジタル人材不足が続いているということです。

具体的に不足している人材については、DXを主導する立場の人材や、DXによるビジネスの企画・立案者であることが指摘されています。ただし人材不足の解消に向けては、多くの日本企業が研修制度の充実を挙げており、外部に人材を求める積極性には欠けているようです。

一方でアメリカやドイツでは、デジタル人材の新規採用および中途採用にも取り組んでいて、今後全体的にデジタル人材を増やす方向で進んでいるようです。日本の場合、人材は不足しているがとくに何も対策を立てていないという企業も多く、海外との意識の違いが気になります。


検討すべき人材シェアの可能性

では今後国内企業がデジタル人材を確保するためには、どのような取り組みを進めるべきでしょうか。その手段として、ここで2つの方法を紹介します。

1つめの方法は、これまで以上に社内での教育・研修の機会を増やすことです。とくにDXを主導する立場の人材育成に力を入れて、その人材を中心にしたDX組織を構築し、徐々に組織を充実・拡大してゆく方法と考えれば良いでしょう。

もう1つは、新たな人材をもっと積極的に外部から採用する方法です。従来のように新規採用と中途採用で、専門的な知識を備えた人材を確保することも重要ですが、より柔軟な手段として期待されるのがデジタル人材のシェアです。

この方法で実際に考えられるのは、デジタル人材がいくつかの企業で兼業することと、各企業が副業の機会をより拡大することです。結果的に一定のスキルを持ったデジタル人材にとっては、自身の能力を生かして活躍する場が大きく広がるでしょう。


まとめ

日本国内でデジタル人材が不足しているのは、IT企業に人材が偏っているという、いびつなビジネス環境に加えて、積極的にデジタル人材を外部に求めないという、内向きな企業の体質に起因しているのかもしれません。

しかし今後のDXの推進は急ぐべき課題であり、同時にデジタル人材の育成も急務です。それを解決する新たな手段として、人材を企業間でシェアするという発想が生まれています。これからはDXの中心になる人材が、企業という枠を越えて活躍する時代になるでしょう。

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