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厚生労働省が7月30日に発表した「雇用均等基本調査」によると、2020年度の民間企業での男性の育児休暇取得率が過去最高の12.65%となり、初めて2ケタ台に到達しました。ここにきて急増した背景にあるのは?
目次【本記事の内容】
2019年度の男性の育児休業取得率が7.48%でしたから、2020年度の12.65%は5.17ポイント増ということになります。やっと1割を超えた程度で、まだまだ普及したといえる数字ではありません。
しかし、女性の育児休業取得率が2019年度の83.0%から、2020年度には81.6%に減少していることから考えれば、男性の育児休業取得率が2ケタ台となったことは、男性が子育てにかかわる動きが、少しずつ広がっていることをうかがわせるものでしょう。
では、これまでなかなか増えなかった男性の育児休業取得率が、なぜ、ここにきて急に増えたのか、ということです。
男性の育児休業取得率が増えた背景には、「育児・介護休業法」の改正によって「出生時育休制度」が創設されたことが、真っ先に考えられます。
子どもの出生後8週間以内であれば、男性が4週間の休業が取得できるというもので、4週間以内であれば分割して休業を取得することもできる制度で、事業主には制度内容の周知や取得意思の確認などが義務付けられます。
この法改正に加えて、新型コロナウイルス感染拡大によって、リモートワーク導入などの働く環境の変化が、大きな影響を与えたようです。テレワークの実施率は、2019年度は4.2%でしたが、2020年度には10.0%に増えています。
オフィスに出勤することがなくなり、在宅で仕事をするようになったことで、男性が育児に参加する時間も必然的に増えました。コロナ禍で生活や家族を重視する志向が高くなり、男性の育児参加増加につながっているのでしょう。
コロナ禍を機に、このまま男性の育児休業取得率が上昇していくのかといえば、そう一筋縄ではいかないような調査結果も公表されています。
積水ハウスが実施した「男性育休に関する調査」によると、就活層97%、一般層88%、部長クラス82%が賛成していますが、経営者・役員の賛成は76%にとどまり、4人に1人が反対(24%)ということが明らかになりました。
また、男性の育児休業取得について「促進予定があり、具体的に検討中」と回答したのは、経営者・役員クラスで20%、部長クラスでも34%と少数です。さらに「促進予定がない」と経営者・役員クラスの51%、部長クラスの44%が言い切るなど、男性の育児休業取得率の向上には、まだまだ超えなければならないハードルがありそうです。
反対の理由として挙げているのは「従業員が少なく、代替要員の手当ができないから」が30%、「男性育休を取得する従業員以外の負担が大きくなるから」が28%、「男性育休を取得する従業員の経済的保障をする余裕がないから」が16%などです。
男性の育児休業取得について、経営・役員、部長クラスなど、いわゆるマネジメント層の後ろ向きの姿勢は、従業員に伝わっているようで、従業員の74%が「勤め先企業は男性の育休取得を促進していない」と回答しています。
また、女性部長の48%が男性育休を促進するための具体案を検討しているのに対し、男性部長で同じように考えているのは、わずか20%と、女性の半数以下にとどまっているように、企業の経営層と一般層、また管理職の男女間でも差が見られます。
男性の育児休業取得に前向きな企業とそうでない企業がありますが、人員・資金難などから、進めたくても進めることができない企業もあるようです。ただし、積水ハウスの調査には就活生も含まれていて、20代は、経営者・役員クラスの4人に1人が男性の育休に「反対」していることに対して、「古い」「将来性ない」という思いを抱いていることを認識しておきましょう。
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