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企業ができる取り組みとは:SDGs目標2『飢餓をゼロに』

公開日2018/09/09 更新日2019/09/10
企業ができる取り組みとは:SDGs目標2『飢餓をゼロに』

2017年9月、国連は十分な食事を摂ることができず、栄養不足の状態にある「飢餓人口」が、世界人口の9人に1人にあたる8億1500万人に達したことを発表しました。

世界の飢餓人口は2005年から減少傾向を続けていましたが、紛争や戦争、気候変動などをおもな原因として、2016年に約10年ぶりに増加に転じたといいます。

国連の機関であるWFP(世界食糧機関)は、シリアや南スーダン、イエメン、ソマリアなど紛争が続く地域を中心に、飢餓の撲滅を目的とした支援をおこなっていますが、近年では民間企業のあいだにも、飢餓問題への取り組みをおこなう動きが広がっています。

400以上の国内企業がWFPの活動を支援

国内には上記の国連機関WFPを支援する認定NPO法人・国連WFP協会があり、400を超える企業が評議会員として、国連の飢餓問題への取り組みに支援をおこなっています。

評議会員はそれぞれ1社が1票の議決権を持っており、年会費20万円を支払うことで同協会を支援しているほか、協会の発展などに関する助言もおこなっています。

また、多くの企業が同協会を通じてWFPへの寄付をおこなっており、2016年を例に取ると、ファミリーマート株式会社が国内のファミリーマート全店で取り組んでいる『ファミリーマート夢の掛け橋募金』などから約5300万円を寄付したことや、日本KFCホールディングスが、同グループが運営するケンタッキーフライドチキンやピザハットのチャリティーメニューやグッズの売り上げ、店頭募金箱などを通じて約1680万円の寄付をおこなったことなどが、同協会の公式サイトでは報告されています。

こうした寄付は、飢餓に苦しむ人々への食糧支援や、WFPが展開する『学校給食プログラム』などに運用されますが、日本からの支援金で購入された食糧の袋には、日の丸のマークとともに「日本の人たちからの贈り物」というメッセージが入れられているとのことです。

タニタがおこなうユニークな支援活動とは

上記の国連WFP協会の評議会員のなかでも、ユニークな取り組みをおこなっているのが、社員食堂のレシピ本でも話題を呼んだタニタです。タニタのグループ企業であるタニタヘルスリンクがおこなっている『世界から肥満と飢餓をなくそうプロジェクト』では、なんとダイエットをしている人が減量した分の「脂肪」をお金に換算してWFPに募金できるというのです。

肝心の脂肪をお金に換算する方法ですが、「脂肪量が適正範囲外の人」については、前回の測定値から減った脂肪量を1kg=1円で計算、「脂肪量が適正範囲内の人」の場合は、適正範囲の数値を維持した日数×0.1円で計算して募金がおこなわれるとのこと。

ダイエットは本来自分のためにおこなうものですが、このプロジェクトはダイエットが飢餓に苦しむ人たちの役に立つという、タニタらしい斬新な発想の取り組みといえるでしょう。

社員食堂での食事が開発途上国への支援になる?

一方、国内には社員食堂を媒介としたユニークな支援活動をおこなっている NPO法人、TABLE FOR TWO International(以下、TFT)もあります。

TFTが社員食堂を持つ企業や団体と提携しておこなう支援活動では、「通常より低カロリー」「野菜が多め」など『TABLE FOR TWO』の基準を満たしたヘルシーなメニューが従業員に対して提供されます。このメニューには寄付金として20円が価格に上乗せされており、その寄付金がTFTを通じてアフリカなど開発途上国の子どもたちの学校給食に使われるのですが、この20円という金額は開発途上国の給食1食分の費用に相当するとのこと。

つまり『TABLE FOR TWO』は、寄付する側が1食たべるごとに開発途上国に1食が贈られるという仕組みになっているのです。

TFTの活動は社員食堂やレストランのみにとどまらず、現在ではコンビニやインターネット、自動販売機でも『TABLE FOR TWO』のロゴマークをつけた商品(TFTが定める基準を満たした商品)が販売されるなど、支援の形は多様化しています。また2007年の創設から10年のあいだに、TFTのプログラムに参加した企業や団体は国内外で700を超えるとのことですが、これは飢餓問題に多くの企業が関心を持ちはじめたことのあらわれといえるかもしれません。

そもそも、TFTが創設された背景には、「世界では約10億人が飢餓や栄養失調の問題で苦しんでいる一方で、20億人近くが食べ過ぎによる肥満状態にある」という現状への問題意識があるとのことですが、国連WFPでは、『飢餓をゼロにするための5つの方法』のひとつに、「食糧廃棄・ロスの削減」をあげています。世界には多くの人が飢えに苦しむ一方で、日々大量の食品が廃棄されつづけている現状もあるのです。

食べることができるはずの食品が捨てられてしまう「食品ロス」は国内でも重要な問題となっており、政府の資料では、日本国内だけでも年間646万トンもの「食品ロス」が発生していることが報告されています(2015年度・農林水産省推計)。

まとめ

WFPでは、世界の飢餓人口の6割が紛争地域に住んでいることから、こうした地域の地域再建に向けた長期的な支援が飢餓問題の解決のためには必要と呼びかけていますが、食品ロスについてのデータを見ると、個人や企業にできる飢餓問題への取り組みについては、「いかに食品をムダにしないか」という点から出発する必要があることを実感させられますね。

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