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職場での課題の一つに、世代間ギャップがあります。
世代が違えば育ってきた環境や知識、価値観も違うのは当たり前ですが、そのギャップを埋めることはそう簡単ではありません。
その世代間ギャップで、微妙に位置に立たされているのが50代の社員です。
目次【本記事の内容】
50代といえば、職場では管理職となる年代です。本来、これまで培ってきた知識や経験を活かし、組織をけん引していく強いリーダーシップが求められます。しかし、デジタル革命と呼ばれる時代となり、50代の知識や経験だけでは通用しない場面も増えています。
さらに、働き方改革やコロナ禍によって導入が進んだ在宅勤務制度など、かつてない職場環境の急変に、年代が上がるほどついていくことができなくなり、どう対応すべきか戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
少し前の50代なら、年功序列でポストも収入もある程度保証されていました。主な役割はマネジメントで細かな業務は部下に任せ、あとは定年を待つだけ、という優雅な会社員生活だったはず。でも、この10年ぐらいで、働く環境は大きく変貌しています。
デジタル化によって、仕事の進め方もマネジメントの方法も変化しています。それに対応していくためには、デジタル時代にふさわしい新たなスキルや知識を身につける必要があります。
果たして50代は、その変化に対応できているのでしょうか。
総合人事コンサルティングのフォー・ノーツが実施した「50代社員に関する意識調査」によると、20~40代の社員は50代に対して大きな不満は感じていないものの、デジタルツールへの対応については、物足りなさを感じているようです。どうやら、そこになかなか埋めることが難しい世代間ギャップがあることが、この調査結果から見えてきました。
では、20~40代の第一線のビジネスパーソンは、50代をどのように見ているのでしょうか。
たとえば、「組織をまとめあげる強いリーダーシップ」で50代社員が会社に貢献していると考えている割合は、20~40代では33.3%です。
また、若手社員は、50代社員には「新たなスキルや知識を身に付ける能力や、未経験の仕事に取り組む能力がある」とおおむね期待しているようですが、50代の社員との仕事上の課題として挙げられたのが「デジタルツールへの対応」です。
若手社員の評価は「50代は対応できていない」が29.3%ですが、「50代は対応できている」がわずか9.0%と、自分が新しいデジタルツールに対応できていないと自覚している割合は1割にも届いていないというのが実態のようです。
自覚があれば、デジタルツールに必要なスキルや知識を身に付けることもできるでしょうが、自分は使いこなせると思っているわけです。この意識の違いが世代間ギャップの生じる要因となっている可能性があるのではないでしょうか。
もちろん、世代間ギャップの要因はデジタルツールへの対応力だけではありません。「ゴールが見えているだけに、モチベーションや熱い思いに欠けている」「年功序列で出世しただけで、管理能力があると勘違いしている人が多い」「経験豊富で頼りになるが、新しいことへの取り組みにもう少し積極的になってほしい」なども、若手社員の50代社員像です。
多少の勘違いはあっても、若手社員から50代がどう見られているのかは、なんとなく肌で感じているでしょうし、デジタルツールを実際に使ってみて、使いこなせていないことに戸惑ってもいるのではないでしょうか。
それが影響しているのか、若手の評価に比べると50代自身の会社への自己評価は11%ときわめて低く、目まぐるしく変貌するビジネス環境に、自信を喪失している様子もうかがえます。
世代間ギャップは、いつの時代にもつきまとうものですが、働き方改革やコロナ禍など、ここ1、2年の職場環境の激変には、50代だけでなく若手も戸惑っているでしょう。若い世代は、50代にそれほど大きな不満を抱いていないようですが、デジタルツールへの対応や新しいことへの取り組みに関しては、もっと積極であってほしいと思っているようです。
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